- ステート・ストリート・コーポレーションは自社のステーブルコインとデポジットトークンの導入を検討しており、ブロックチェーンベースの決済ソリューションを革新する可能性があります。
- 同社は、暗号資産ETFの管理など、デジタル資産と従来の金融サービスを統合することを目指しています。
- これらの取り組みには、特に米国のステーブルコイン規制の進展を踏まえた規制当局の承認が重要です。
ステート・ストリート・コーポレーションは、自社のステーブルコインとデポジットトークンを立ち上げる計画を進めており、決済ソリューションの未来を強化しようとしています。
ステート・ストリートのビジョン:ステーブルコインとデポジットトークンの立ち上げ
ステート・ストリート・コーポレーションは、主要な金融サービス企業として、決済のためのブロックチェーン技術を活用することを目的に、ステーブルコインとデポジットトークンの導入を模索しています。開発に近い情報筋によれば、ステーブルコインは米ドルなどの伝統的な資産で裏付けられ、デポジットトークンは顧客の預金をブロックチェーン上で記録することになります。これらの取り組みは、国際送金の速度と効率を向上させることを目的としています。
デジタル資産統合の拡大
ステート・ストリートは、徐々にデジタル資産をコア業務に統合してきました。今年、同社はデジタル資産チームを従来の金融チームと統合し、協力を促進しました。第三位のETF管理者として、ステート・ストリートは暗号資産ETFに対応するためのファンド管理および会計サービスを強化しています。さらに、ギャラクシー・アセット・マネジメントとの提携によりデジタル資産ETFを立ち上げるなど、デジタル資産市場での地位を固めています。
米国のステーブルコインセクターにおける規制の挑戦
デポジットトークンの立ち上げには、米国の銀行当局からの規制承認が必要です。ステーブルコインに関する規制環境は依然として複雑で、統一された連邦フレームワークはまだ存在していません。マキシン・ウォーターズ議員やパトリック・マクヘンリー議員などの立法者は、ステーブルコイン規制を確立するための連邦法案に取り組んでいます。一方で、上院でもこの問題に関する立法が進行中です。SECのゲーリー・ゲンスラー議長の過去の発言は、ステーブルコインを証券に例え、その規制状況を複雑にしてきました。しかし、最近の動向としては、Paxosに対するSECの調査が終了し、シンガポールでステーブルコインを発行するための承認を獲得するなど、今後の進展への道が開かれる可能性があります。
デジタル現金コンソーシアムとブロックチェーン決済への参加
ステート・ストリートは、デジタル現金コンソーシアムへの加盟を模索しており、ブロックチェーン決済を支援するための戦略的投資も行っています。特に、米国市場に進出しているブロックチェーン決済企業であるFnalityとの関与が注目されます。これは、ステート・ストリートの従来の銀行サービスに革新的なブロックチェーンソリューションを統合するという広範な戦略と一致しています。
結論
ステート・ストリートによるステーブルコインとデポジットトークンの導入の模索は、従来の金融システムにブロックチェーン技術を統合する上で重要な一歩を示しています。規制上の課題が多いものの、同社の積極的な姿勢と継続的なデジタル資産に関する取り組みは、決済ソリューションの近代化へのコミットメントを示しています。ステーブルコインに関する立法努力が進展する中で、ステート・ストリートの戦略的な動きは、急成長するデジタル金融の分野で先駆者としての地位を築く可能性があります。