ヴィタリック・ブテリンは、Coinbaseが運営するLayer 2(L2)であるBaseを、ユーザー資金を盗めない非カストディアルの「ステージ1」ロールアップと位置づけています。Baseはイーサリアム上で決済され、メインネットへの引き出しを可能にするため、中央集権的なシーケンサーがあってもユーザー資産のカストディ権限を意味しません。
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Baseはイーサリアム上でオンチェーン決済を行い、ユーザーがメインネットに資金を引き出せるLayer 2ロールアップです。
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批判者はシーケンサーの中央集権化やガバナンス権限を指摘する一方、賛成派は非カストディアルな引き出し保証を強調しています。
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BaseのTVLは2024年初頭から約10倍に増加し、約50億ドルに達しています。手数料と収益の指標もL1に対してL2が優勢であることを示しています。
ヴィタリック・ブテリンによるBase Layer 2の防衛:Baseは非カストディアルかつメインネットへの引き出しを可能にします — 最新の事実、TVLデータ、専門家の見解を確認しましょう。
Base Layer 2とは何か?
Base Layer 2は、低コストなトランザクションとイーサリアム上でのオンチェーン決済を目的としたロールアップ型のEthereum L2です。トランザクションの順序付けにシーケンサーを使いますが、ヴィタリック・ブテリンが強調するように、非カストディアルな設計であり、L2が利用不能になってもユーザーはEthereumメインネットへ資金を引き出せます。
なぜヴィタリック・ブテリンはBaseを擁護したのか?
ブテリンは、Baseが「未登録の証券取引所」やユーザーを「ラグプルする」可能性があるとする主張に反論しました。Baseはユーザー資金を保有しておらず、そのセキュリティモデルはイーサリアムの決済保証に基づいていると説明。つまり、Baseにロックされた資産はロールアップモデルによりL1に引き出せるということです。
シーケンサーが中央集権でもBaseはどうやってユーザー資金を守るのか?
Baseはオンチェーン決済とイーサリアムへの引き出しメカニズムにより資金を保護します。シーケンサーが中央集権であっても、ロールアップの状態は検証可能であり、シーケンサーが応答しなくなった場合でもオンチェーン上で引き出しが可能です。この引き出し保証が、Baseが非カストディアルなステージ1 L2と分類される核心的な理由です。
Baseに対する主な批判は何か?
批判派はシーケンサーの中央集権やガバナンスが権限を握るリスクに焦点を当てています。セキュリティカウンシルやマルチシグ権限が引き出しを凍結・遅延させる可能性があると指摘し、これらは暗号的な引き出し保証とは別の運用上の集中化問題だと警告しています。
ヴィタリックは一部のロールアップでは特定の投票権がL2のガバナンス外にあることを挙げ、非カストディアル性を支持していますが、ガバナンス構造や緊急権限が実質的なカストディリスクをもたらすかどうかは議論が続いています。
出典: X
議論は続く — 支持者と批判者は何を言っているか?
支持者はBaseがEthereumのL2セキュリティモデル(暗号的証明とL1への引き出し能力)に準じていると主張。マックス・レスニックなどは、カストディ型取引所と断定するのではなく、シーケンス層に焦点を当てた規制を推奨しています。
批判者は現実のガバナンス判断がユーザーアクセスを遅延・遮断する可能性を指摘。ジョセフ・ルービンや一部のプロトコル研究者は、メインネットのロードマップからの逸脱や過度な中央集権がシステミックリスクを生む恐れがあると警告しています。
Baseはいつローンチされ、どれくらい成長したのか?
Baseは2023年8月にCoinbaseの低コストL2としてローンチ。2024年初頭から約10倍の成長を遂げ、TVLは約5億ドルから約50億ドルに拡大しています。
最近の指標では、Baseは直近四半期の手数料と収益でイーサリアムメインネットを上回っており、手数料は約4%増の14.6万ドル、収益は約14.17万ドル。一方、L1の収益は前年同期比で大きく減少しています。
出典: Artemis
Baseはどのようにして分散化に向かうのか?
ジェシー・ポラック率いるBaseチームは「ステージ2」の分散化ロードマップに公にコミットしています。ブロック生成の分散化やガバナンス参加の拡大を計画しており、これらのステップは運用上の中央集権化を減らしつつ、引き出し保証は維持されます。
よくある質問
Baseはユーザー資金を盗むことがあるか?
いいえ。Baseは非カストディアル設計で、ユーザーは資金をイーサリアムメインネットに引き出すための暗号的権利を保持しているため、シーケンサー運営者による資産の恒久的な盗用を防ぎます。
Coinbaseがシーケンサーを運営しているためBaseは中央集権的なのでは?
Coinbaseがシーケンサーを運営することは運用上の中央集権ポイントですが、必ずしもカストディ型の資金保管を意味しません。中央集権リスクはガバナンスや運用面の課題であり、ユーザーの引き出し権利の喪失を自動的に意味しません。
要点まとめ
- 非カストディアル設計:Baseのイーサリアム上での決済はユーザー引き出しを可能にし、カストディリスクを制限します。
- 運用上の中央集権リスク:シーケンサーとガバナンス権限は技術的・規制的検討が必要な実務上の懸念をもたらします。
- 成長とロードマップ:Baseの急速なTVL・収益成長はさらなる分散化(ステージ2)に向けたロードマップを推進しています。
結論
ヴィタリック・ブテリンのBase擁護は、シーケンサーの中央集権化が必ずしもユーザー資産のカストディ権限を意味しないという重要な区別を示しています。Baseはイーサリアムへの引き出し保証付きのLayer 2ロールアップとして存在しており、チームはさらなる分散化を目指す計画を明示しています。長期的なリスク低減を見極めるには、ステージ2の進展やガバナンスの変化に注目しましょう。