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Zcash「量子耐性ウォレット」6月導入へ|Visa級の処理性能も視野に

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校閲者Takeshi Yamamoto
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この記事の要点

  • Zcash開発組織、量子耐性ウォレットを6月導入へ
  • ZECはNear連携拡大と匿名取引増加を背景に30日で110%上昇

目次

Zcash、Q-day対応ウォレットを1か月内に

仮想通貨ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)の主要開発組織Zcash Open Development Lab(ZODL)のジョシュ・スウィハート氏が2026年5月8日、米マイアミで開催された「Consensus Miami」で、1か月以内に量子耐性ウォレットを導入し、12〜18か月以内にネットワーク全体の耐量子化を目指す計画を明らかにしました。

報道によれば、同氏は「ビットコイン(BTC)はピアツーピア型のプライベート決済手段として十分に機能していない」と述べ、透明台帳上で残高や送金履歴が可視化される構造では、政府機関による資産把握や差し押さえリスクが残ると指摘しています。

こうしたリスクを踏まえ、Zcashでは量子耐性ウォレット導入を通じて、量子コンピュータ時代を見据えたセキュリティ強化を進めています。

今回の計画が予定どおり進めば、ZEC利用者は量子コンピュータによる解読リスクに備え、将来の大規模なプロトコル更新を待たずに耐量子ウォレットへ移行できるようになります。

また同氏は、量子耐性化と並行して、ネットワーク処理性能をVisa・Mastercard級へ引き上げるスケーリング計画も進めていると説明したと伝えられています。

量子コンピュータが仮想通貨を襲う日

耐量子化とNear連携、ZECに2つの追い風

Q-day備え、Tachyonで完全耐量子化へ

Zcashが量子耐性化を急ぐ背景には、量子コンピュータ開発の進展があります。暗号資産業界では、現行の公開鍵暗号方式が破られる「Q-day(量子の日)」への警戒が強まりつつあります。

特にビットコインをはじめとする多くの仮想通貨(暗号資産)では、ブロックチェーン上で残高や送受信履歴が公開されている構造が、量子コンピュータ時代のリスクとして改めて意識されています。

量子コンピュータが実用段階に達した場合、公開情報をもとにアドレスと秘密鍵が紐づけられる可能性も指摘されています。

こうしたリスクへの対策として、Zcashが提示する「量子回復可能(quantum-recoverable)ウォレット」は、量子攻撃が現実化した場合でも、ユーザー資産を移行・復旧できる設計だと説明されています。

Zcashでは、このウォレット導入を耐量子化に向けた第一段階と位置づけており、ネットワーク全体の完全耐量子化については、プロトコル更新「Tachyon(タキオン・量子耐性アップグレード)」を経て、12〜18か月以内の完了を目指す方針です。

ZECの匿名取引、シールドプール30%到達

こうした量子耐性化の議論と並行して、ZECの実利用も拡大していると伝えられています。

モバイルウォレット「Zashi」は2025年10月、Near Intents(複数チェーンをまたぐ取引を自動処理する仕組み)との連携を開始しました。

これにより、ビットコイン・ソラナ(SOL)・USDコイン(USDC)といった他チェーン資産から、シールドプール(送金者・受取人・金額を秘匿する匿名取引領域)への直接スワップが可能になったとされています。

報道によると、この経路を通じた取引高はローンチ以降6〜7億ドル(約940億〜1,100億円)に達しており、その大半はUSDおよびUSDC関連の取引が占めているとされています。

Nearエコシステム全体のインテントベース処理量は、直近30日間で約8億ドル(約1,250億円)に達したとされており、その中でもZcashはイーサリアム(ETH)・ソラナと並ぶ主要な接続先として存在感を強めています。

110%急騰の裏で進む技術・ガバナンス整備

Near連携やシールドプール利用拡大を背景に、ZEC価格は直近30日間で110%超の上昇を記録しており、米Multicoin Capital(マルチコイン・キャピタル)によるZEC投資表明も、買い材料の一つとして意識されたとみられています。

一方、開発面ではネットワーク性能や運営体制の拡張も進められています。

ブロック生成間隔を現行の75秒から25秒へ短縮する提案がコミュニティフォーラム上で議論されているほか、 ソラナやハイパーリキッド(Hyperliquid)向けブリッジはすでに稼働しています。

また、トークン保有者投票機能もZashi経由で導入される計画で、正式なガバナンス機構ではなく、既存の合議モデルを補完する「意見集約層」として段階的に整備される方向性だと伝えられています。

新体制CashZ始動へ

プライバシー強化の波、業界各社に拡大

量子耐性化や匿名性強化をめぐる開発競争は、Zcash以外のプロジェクトにも広がっています。

Starknet(スタークネット)は2026年2月、残高や送金情報を秘匿できるラップドトークン「strkBTC」を公開しました。

Zcash側でも開発体制の再編が進められており、ZODLは2026年1月のECC開発チーム離脱を経て同年3月に設立されました。

Paradigm・a16z crypto・Coinbase Venturesなどから2,500万ドル超(約39億円)のシード資金調達を完了したと公表しており、エンジニア雇用やプロトコル開発に充てられると伝えられています。

市場では、量子耐性ウォレットが予告どおり1か月以内に公開されるかに加え、完全耐量子化へ向けた技術検証が計画どおり進展するかが、今後のZEC評価を左右する焦点として注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.87 円)

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