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ウォール街の中核業務をブロックチェーン化、DTCCがチェーンリンクと連携

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この記事の要点

  • DTCCとチェーンリンク、24時間対応の担保管理基盤を2026年Q4稼働へ
  • 114兆ドル規模の証券管理基盤がトークン化資産との接続を本格化

まずはChainlink(チェーンリンク)を詳しく

  • チェーンリンクの基礎知識
  • チェーンリンクの関連記事一覧

目次

DTCCとチェーンリンク、24時間担保管理基盤を構築

米預託信託・清算機構(DTCC)は2026年5月12日、ブロックチェーン基盤を提供するChainlink(チェーンリンク)と、トークン化担保の管理基盤構築に向けた協業を開始したと発表しました。

今回の協業では、トークン化された担保の移動や評価を24時間体制で自動化する共通基盤「Collateral AppChain(コラテラル・アップチェーン)」を、2026年第4四半期に稼働させる方針が示されています。

DTCCは世界150カ国以上の証券を対象に約114兆ドル(約1.8京円)相当の資産を保管しているとしており、新基盤は同社が扱う伝統的な金融商品とトークン化資産を同じ仕組みで結ぶ役割を担うとされています。

稼働後は、機関投資家にとって時間外や週末を含む担保移動の遅延や運用コストの低下が見込まれており、参加機関の発表時期や本番運用の広がりに注目が集まっています。

7月に証券トークン化パイロット開始

AppChain構想で進む担保管理のオンチェーン化

手作業依存が残る担保管理、DTCCが改善へ

DTCCはこれまで「Great Collateral Experiment(グレート・コラテラル・エクスペリメント)」と呼ばれる実証実験を通じ、トークン化担保の実用化に向けた検証を重ねてきました。

一方で現在の機関間取引では、担保の照合・引き渡し・評価の多くが依然として手作業に依存しており、時間外や週末の決済遅延が発生しやすい構造になっているとDTCCは指摘しています。

Nasdaq(ナスダック)と調査会社ValueExchangeが2026年2月に公表した調査によると、世界の金融機関の52%が2026年末までにトークン化担保の本番運用を見込んでいるとしています。

同調査では回答企業の70%が日々の決済照合や引き渡しに課題を抱えているとも報告されており、こうした運用負荷の高さが機関側による本番導入の検討を加速させているとみられています。

チェーンリンクが担う役割

発表によれば、Collateral AppChainへの統合でチェーンリンクが担う役割は、主に「データ供給」と「ワークフロー自動化」の2領域に分かれています。

チェーンリンクのランタイム環境「CRE(Chainlink Runtime Environment)」は、資産価格・評価額・証拠金データ・担保移動情報を一元的に処理する基盤として組み込まれています。

これにより、従来は機関や資産クラスごとに必要だった個別接続を集約できるようになり、運用負荷の軽減につながるとみられています。

あわせて、適格性チェック・証拠金計算・担保最適化・決済といった各工程を自動化するツール群も提供されています。

このツール群は、新たな担保ユースケースが追加された場合でも既存機能を再利用できる設計とされており、Collateral AppChain全体の拡張性を支える基盤として位置づけられています。

ただし、今回公表されたのは協業方針の合意段階であり、本番稼働は2026年第4四半期を予定しています。実際の処理能力や参加金融機関の拡大範囲は、今後の開発進捗次第で変動する見通しです。

DTCC、担保処理のリアルタイム化を推進

発表によると、Collateral AppChainは、担保の提供者・受け取り側・管理会社・カストディアン・三者間エージェントを同一基盤上で接続する設計となっています。

機関ごとに分断されていた担保フローを単一基盤へ統合することで、担保移動や証拠金計算の即時性を高める処理環境が整備される見込みです。

トークン化された資産と従来型の金融商品を同一基盤で扱える点も特徴とされており、機関投資家が複数市場や異なるブロックチェーン間で担保を運用する際の接続・管理コストも低減する可能性があるとみられています。

担保管理基盤の整備と並行して、トークン化資産市場そのものも拡大しており、トークン化株式の時価総額は14億ドル(約2,200億円)を超える水準に達しています。

DTCC基盤が本番稼働へ移行した場合、ナスダックやインターコンチネンタル取引所(ICE)など競合インフラ各社でも、トークン化担保やオンチェーン清算への対応が加速するとみられています。

AWS×チェーンリンク統合

米国と日本で進む機関向けトークン化競争

機関向けブロックチェーン基盤をめぐっては、DTCCの動きと並行し、世界各地で開発や資金調達の動きが広がっています。

Canton Network(カントン・ネットワーク)の運営会社Digital Asset Holdings(デジタル・アセット・ホールディングス)も、新たな資金調達に動いています。

報道によれば、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)傘下のa16z cryptoを引受先候補とする約3億ドル(約470億円)の調達で、20億ドル(約3,150億円)規模の評価額を目指していると伝えられています。

一方、日本国内でも、Progmat(プログマ)主導による日本国債トークン化のワーキング・グループが始動しました。同WGには3メガバンクが参加しており、法整備と並行しながら制度・インフラ整備が進んでいます。

担保管理を軸とするウォール街と、国債トークン化を進める日本市場の双方で、機関向けトークン化基盤の本格運用を視野に入れた整備が広がっています。

DTCCの稼働時期や参加機関の拡大状況、Digital Asset Holdingsの資金調達、日本国内で進むProgmat主導WGの制度整備によって、機関向けトークン化基盤の実運用がどこまで広がるかに関心が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.67 円)

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