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SEC「オンチェーン金融」4領域で規制整備へ|取引所・清算の定義を明確化

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BITTIMES編集部
(02:21 UTC)
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確認者Hiroshi Nakamura
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この記事の要点

  • SEC、取引所・清算など4領域で規制整備に着手
  • オンチェーン事業者の規制区分判断基準が明確化へ

目次

SEC、4領域でルール整備着手へ

SEC(米証券取引委員会)のポール・アトキンス委員長は2026年5月8日、シンクタンクSCSP主催の「AI+ Expo」での講演で、オンチェーン金融市場の4領域について規制整備を進める意向を示しました。

対象は「取引所定義」「ブローカー・ディーラー定義」「清算機関定義」「クリプト・ボールト」の4領域で、SECはオンチェーン上で展開される取引・決済・資産運用サービスを既存の証券規制の枠組みでどのように位置づけるかについて整理を進める方針です。

オンチェーンで事業を展開する取引・清算サービス事業者にとっては、自社活動がどの規制区分に該当するかを判断する基準が明確化され、米国市場での合法的なサービス展開に向けた制度整備が進む見通しとなっています。

「ACT戦略」始動、訴訟戦略から大転換

SEC「AI新法は不要」企業に責任

講演の中盤でアトキンス委員長は、AIに関する規制方針についても言及しました。

同氏は「AI(人工知能)が電信、ティッカーテープ、電子注文板に続く”能力拡張ツール”の系譜に連なるもの」と述べたうえで、AI専用の包括的な新規制を全面的に導入する必要性については慎重な立場を示しています。

一方でAIは運用の規模と速度の点で独自性があるとし、モデルの不透明性、業界全体での同時採用に伴う誤りの伝播、悪意ある主体によるアクセスといった脆弱性も生む可能性があると認めています。

SECは、企業がAIツールの出力結果に対する説明責任を負い、その利用方法を投資家へ開示する義務があるとの方針を打ち出しました。

そのうえでSEC自体は使用すべきモデルを指定したり、現在の技術を将来の標準として固定化したりはしないと明言しました。

4領域で規制整備、適用範囲を明確化

取引所定義、限定的パスウェイ検討

AI規制に関する考え方を示した後、アトキンス委員長は講演の後半で、オンチェーン金融市場に関する制度整備の方向性について説明しました。

同氏は、オンチェーン取引システムが「既存の証券規制の枠組み内でどの範囲まで運用可能なのか」を市場参加者へ明確化する必要があるとの認識を示しています。

その一環として同氏は、近い将来にSECが「限定的なイノベーションパスウェイ」を検討する可能性にも言及しました。

より長期的には、ノーティス・アンド・コメント方式(公告・意見公募)のルールメイキングを通じて、オンチェーン取引システムへの「取引所」定義の適用を整理することが望ましいとの認識を明らかにしました。

ブローカー定義、登録義務を明確化

SECは、ブローカー・ディーラー定義についても、オンチェーン活動への適用範囲をルールメイキングを通じて整理していく方針を示しました。

ここではソフトウェアインターフェースに関するSECスタッフの2026年4月13日付声明で提起された論点も検討対象に含まれます。

この制度整備では、ノーティス・アンド・コメント方式による適用免除ルールメイキングが検討対象となる可能性も示されています。

ソフトウェアアプリケーションを通じて取引・流動性ルーティング・決済を担う事業者にとっては、登録義務の有無を判断する基準が明確化される見通しです。

清算機関定義、即時決済時代に再分析

SECはさらに、オンチェーン上で清算・決済を担う主体について、「清算機関(clearing agency)」定義をどのように適用するかも整理する必要があるとの認識を示しました。

その理由としてアトキンス委員長は「決済が即時に近く、カウンターパーティリスクがアルゴリズムで管理されている場合、伝統的な清算機関モデルは新たな分析を必要とする」と述べました。

同氏は、汎用的なオンチェーン活動については清算機関定義の対象外となる範囲を明確化する必要があるとの認識を示しています。

クリプト・ボールト、証券法との接点

またSECは、「Crypto Vaults(クリプト・ボールト)」についても、証券法や投資顧問業法との関係整理を進める必要があるとの考えを示しました。

クリプト・ボールトは、ユーザーが資産をオンチェーンの利回り獲得機会へ投じることで、継続的な利回り取得を行う仕組みとして説明されています。

こうした個別論点を踏まえ、アトキンス委員長は現在のオンチェーン市場構造について、「伝統的金融」と「分散型金融」の要素を組み合わせたハイブリッドな性質を持つと指摘しました。

そのうえでアトキンス委員長は、SECがどの範囲のオンチェーンモデルを規制対象とするのかについて、公的手続きを通じて明確化していく必要があるとの認識を示しています。

DEX運営に「登録免除」の道

Reg ATS踏襲、短期と長期で段階整備

今回の制度整備の方向性に関連して、アトキンス委員長は1990年代後半に整備された規制枠組み「Reg ATS」を引用しました。

当時のアーサー・レビット元委員長は、ATS(Alternative Trading Systems・代替取引システム)に対応するかたちでReg ATSを整備しました。

同枠組みでは、ATSが本格的な全国証券取引所として規制されるのではなく、ブローカー・ディーラーとして規制される選択肢が認められています。

アトキンス委員長は、当時のSECがイノベーションを初期段階から硬直的な規制へ組み込まず、一定の柔軟性を残したうえで限定的なガイダンスを整備してきた経緯を説明しました。

今回の規制方針でも、こうした段階的な制度整備を引き継ぐかたちで、短期的なイノベーション支援策と長期的なルールメイキングを組み合わせる構想が示されています。

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