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ECBのラガルド総裁、ユーロ建てステーブルコインを金融安定リスクと指摘

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承認者Hiroshi Nakamura
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ECBのラガルド総裁、ユーロ建てステーブルコインを金融安定リスクと指摘

欧州中央銀行(ECB)のChristine Lagarde(クリスティーヌ・ラガルド)総裁は5月8日、スペインで開催されたスペイン銀行のラテンアメリカ経済フォーラムで講演し、ユーロ建てステーブルコインの推進について慎重な見解を示した。ラガルド総裁は、ユーロの国際的な地位向上という利点よりも、金融安定性および金融政策の伝達経路に対するリスクの方が大きいと指摘した。

ラガルド総裁は、ステーブルコインの市場規模が6年前の100億ドル(約1兆5500億円、1ドル=155円換算)未満から現在は3000億ドル(約46兆5000億円)超へと急拡大した事実に言及した。その約98%が米ドル建てで、Tether(テザー)とCircle(サークル)の2社が市場の約9割を占めている現状を踏まえつつ、アメリカのGENIUS法に対抗して欧州連合(EU)がユーロ建てステーブルコインを推進すべきとの議論には与しないとの立場を明確にした。

総裁は2つの懸念を提示した。第一に金融安定リスク。ステーブルコインは民間負債であり、信認が揺らげば償還請求が連鎖的に拡大しうるとし、2023年3月のシリコンバレー銀行破綻時にUSDコイン(USDC)が一時0.877ドルまでデペッグした事例を挙げた。第二に金融政策伝達への影響で、銀行預金が銀行以外のステーブルコインへ流出すれば、銀行の貸出機能が弱まり、政策金利の実体経済への波及が阻害されるというECBの研究結果を引用しつつ警鐘を鳴らした。

このスタンスは、2026年2月にユーロ建てステーブルコインを支持したドイツ連邦銀行のJoachim Nagel(ヨアヒム・ナーゲル)総裁の意見と対立するものだ。ラガルド氏は代替策として、資本市場同盟の深化と、中央銀行マネーを基盤とする決済インフラの構築を強調。9月開始予定の「Pontes」プロジェクトや、2028年までに相互運用可能なトークン化金融エコシステムの実現を目指す「Appia」のロードマップを推進する方針を改めて示した。

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