OpenText、アイルランドに1億500万ユーロ投資──AI雇用400人創出、純利益は86%増
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カナダのデータ管理大手OpenTextが、アイルランドへ1億500万ユーロを投じる。コークとゴールウェイの2拠点で今後3年間に400人の新規雇用を生み出す計画だ。6月12日にダブリンで発表されたこのプロジェクトは、カナダのテクノロジー企業によるアイルランド向け投資として過去最大規模となり、同社の現地体制を実質的に倍増させる。国家機関IDAアイルランドが後押しする資金は、エージェント型AI、ソブリンクラウド、サイバーセキュリティの能力強化に充てられ、欧州・中東・アフリカ(EMEA)市場を見据える。同社によれば、アイルランドの開発者と研究者が、規制の厳しい公共部門や基幹産業の顧客向けに、エンタープライズAIサービスの設計・展開・防御を担う。
今回の拡張は、OpenTextが掲げる「選べるクラウド」戦略の中核に位置づけられる。顧客はセキュリティと規制の要件に応じて、ハイブリッド、プライベート、ソブリンの各環境を選択できる仕組みだ。4月13日には、S3NSおよびGoogle Cloudと提携し、GDPR、SecNum 3.2、現地のデータ所在地規則を満たすフランス拠点のハイブリッド型欧州ソブリンクラウドを立ち上げた。同日、同社はデータおよびAI製品をAWSの欧州ソブリンクラウド上で稼働させることも確認しており、コンテンツ管理、アプリケーションセキュリティ、サービス管理の各製品群が対象となる。欧州の規制当局が機密情報の保管・処理場所をめぐる規則を厳格化するなか、データ主権と運用上の自律性への需要は一段と高まっている。
OpenTextはまた、OECDの広島AIプロセス報告フレームワークにも参加した。これはG7諸国が高度AIの安全な開発に向けて策定した自主行動規範に沿うものだ。同社は現在、世界12万社を超える組織のヒト・マシン・取引データを管理しており、その規模こそ信頼できるエンタープライズ向けエージェント型AIの基盤になると位置づける。研究テーマは、マルチエージェント連携、システム境界を越えたガバナンス、そして検証可能で継続的なコンプライアンスに置かれる。データがどこに存在し、どう扱われているかを正確に確認できるこの改ざん検知の発想は、ブロックチェーンが記録の監査可能性を保つためにコンセンサスメカニズムに依存する構造とも重なる。
クラウド、データ管理、セキュリティへの集中を一段と進めるため、OpenTextは非中核資産である構造化データ分析プラットフォーム「Vertica」をRocket Softwareに1億5,000万ドルで売却した。同社のIR開示によれば、税・手数料控除後の純収入は債務削減と中核事業への再投資に振り向けられる。この売却は肥大化した製品ポートフォリオを簡素化し、成長性の高い分野へ経営資源を集中させる狙いだ。経営陣の人事も同じ方向を示す。4月20日付でジェームズ・マクゴーレイ氏が社長兼最高顧客責任者に就任し、暫定CEOからグローバルの顧客体験、プロフェッショナルサービス、契約更新を統括する役割へ移った。同氏は、エンタープライズAIでの立ち位置を鮮明にする同社で、CEOのアイマン・アントゥン氏の直属となる。
業績面では、3月31日に終了した会計年度第3四半期に着実な改善が見られた。総売上高は前年同期比2.2%増の12億8,300万ドルに達し、クラウド売上高は6.6%増の4億9,300万ドルとなった。純利益は86%増の1億7,300万ドルへと急伸し、調整後EBITDAは4億3,800万ドル、利益率は34.1%だった。取締役会は1株あたり0.275ドルの四半期配当を決議し、970万株を買い戻して消却した。同社はこれに先立ち、2026会計年度の自社株買い枠を3億ドルから5億ドルへ引き上げており、コスト規律と株主還元の両立を示している。一連の結果は、ポートフォリオの絞り込みが収益性の向上へとつながり始めていることを裏づける。
OpenTextが3月23日にPonemon Instituteと共同で公表した世界調査は、同社が埋めようとしている溝を浮き彫りにした。世界のIT・セキュリティ実務者1,878人を対象とした調査では、企業の52%が生成AIを全面的または部分的に導入済みである一方、セキュリティとガバナンスの基盤は依然として脆弱なままだと判明した。回答者の79%は自社のサイバーセキュリティにおけるAI成熟度が不十分だと答え、AI固有のデータプライバシー方針を整備していたのはわずか41%にとどまった。この結果は、OpenTextがソブリンクラウドと規制順守を前面に押し出す理由を物語る。導入は加速しているものの、データの所在、管理、監督をめぐる課題は運用段階でいっそう切実になっているのだ。
これら一連の動きは、ひとつの軌跡を描き出す。企業はデータの所在とガバナンスを検証可能なかたちで管理できる、信頼に足るAIを求めている──分散型インフラを支えるのと同じ、透明性と主権への要求だ。このテーマは、慎重さの漂う暗号資産市場の地合いと響き合う。COINOTAGの集計市場データによれば、Fear & Greed指数は18と「極度の恐怖」圏の深部にあり、ビットコインのドミナンスは70.4%、暗号資産市場全体の時価総額は1兆8,400億ドル近辺にある。弱気相場を思わせるリスクオフ局面では、資金は確立された資産と実績あるインフラへと集まる。規制対応型AIとオンチェーン決済が収斂していくなか、検証可能で規制に適合したデータ基盤を築く企業こそ、長期的により持続性のある賭けとなるかもしれない。
AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。