Ripple、XRP(XRP)LedgerのXLS-38ブリッジ改正案の撤回を推奨
RippleがXRP LedgerコミュニティにXChainBridge(XLS-38)改正案の撤回を要請。Axelar統合と開発者需要の低迷が背景。
AI要約AI
- Ripple、XRP LedgerコミュニティにXChainBridge(XLS-38)改正案の撤回を推奨
- RippleX、XLS-38のユースケースはAxelar統合で対応済みと説明
- XChainBridge除去で1万行超のコード削減が可能とRipple
- 2024年6月、RippleがXRPL EVMサイドチェーンの相互運用層にAxelarを選定
Ripple、XLS-38の廃棄に動く
Rippleは、XRP Ledgerコミュニティに対し、長年議論されてきたXChainBridge改正案、いわゆるXLS-38の撤回を推奨した。この提案は、XRP(XRP)ネットワークにネイティブなクロスチェーンブリッジ機能をもたらすことを目的としていたものだ。同社によれば、この技術は当初の主要ユースケースにおいて不要となり、開発者需要を十分に引き付けられなかったという。開発部門のRippleXはXへの投稿で、XLS-38の開発を後押しした本来のユースケースはすでに完全に、しかも同社の見解ではより優れた形で、Axelar統合によって対応済みだと説明した。XLS-38はもともと、XRP Ledger向けのネイティブなブリッジ基盤を規定するものだった。「ウィットネスサーバー」と呼ばれるサーバーを介して、XRPLメインネットと接続されたサイドチェーンの間で資産を移動させる仕組みである。このシステムは、プライベートネットワークや許可制ネットワーク、実験的なアプリ特化型チェーンなど、カスタムサイドチェーン全般を支える想定で設計され、XRPL EVMサイドチェーン——XRPL上でEVM互換アプリケーションが動作する環境——への接続ブリッジとして機能する予定だった。Rippleは、使われていない実装をコードベースに残し続けることはもはや負債であり、XChainBridgeを除去すれば1万行を超えるコードを削減できると主張した。ただし扉は完全に閉ざされたわけではない。XLS-38を現実に活用しようとしている開発者は、説得力のあるユースケースを提示すればよいとされており、それ次第でRippleは方針を覆す可能性を残している。
撤回は一社の判断だけでは実現しない。XRP Ledgerは同社から独立して運営されるオープンソースのネットワークであり、バリデータの投票を通じて更新が進む仕組みだ。Rippleが握るのはバリデータ投票の1票のみで、改正案の廃棄もネットワークの標準的なアメンドメント・プロセスに従う必要がある。このガバナンス上の現実が事態の全体像を規定している。つまりRippleの声明はあくまでコミュニティへの推奨であって、実行済みの変更ではない。最終的な結論は同社ではなく、台帳を分散して支えるバリデータ集合体が下すことになる。決断の背景には、2024年6月にRippleがXRPL EVMサイドチェーンの相互運用レイヤーとしてAxelarネットワークを初めて選定した経緯がある。当時同社は、XLS-38をコミュニティ投票にかけたまま維持し、ネイティブなブリッジ経路という選択肢を残す方針を示していた。Axelarのネットワークは現在75を超えるバリデータで稼働し、50を超えるブロックチェーンネットワークとの幅広い相互運用性を提供しており、EVMサイドチェーンにはXRPLエコシステムの枠を大きく超えるクロスチェーン接続が与えられている。Rippleは現時点で、この統合に加えてXLS-38への実質的な開発者需要が存在する証拠はほとんどないと見ている。この主張は、アトミックスワップの仕組みやブリッジプロトコルが依然として多くのアルトコインネットワークで活発な開発領域であるクロスチェーンツール市場全体の趨勢とは、対照的な判断だ。
筆者の見立てでは、これは技術判断であると同時に、ガバナンスの試金石でもある。XLS-38は休止状態の提案であり、実際に資産が流れたことは一度もない。それでもその行方が注目されるのは、バリデータが「選択肢を残す」という台帳の原則とRippleの推奨を天秤にかける立場に置かれているからだ。仮にコミュニティが撤回を承認すれば、XRP Ledgerが未使用のコードを積み上げるのではなく、実装済みの改正案を正式に削除するという極めて珍しい例となり、企業主導のクリーンアップ提案をバリデータがどう扱うかを示す最初の明確なシグナルになる。一方、Rippleが求めた説得力のあるユースケースが開発者から提示されれば、改正案が生き残る可能性も残されている。
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