ビットコイン憲法全文オンチェーン刻印、サトシ380万BTCに46兆円訴訟、マイナーAI契約700億ドル超
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Bitcoinニュース
2026年5月29日、身元不明の人物がビットコイン(BTC)のメインチェーン上に米国憲法の全文を書き込む取引を成立させた。当該トランザクションは28日にネットワークへ送出され、ブロック951492に取り込まれて確定。前文から27の修正条項までを含む約44.4キロバイトのテキストデータが、OP_RETURN出力を介してオンチェーンに永久記録された。手数料はわずか113,454サトシ(約83ドル)にとどまり、SegWitとTaprootを組み合わせた構成で、マイニングプールSpiderPoolが約14分でブロックに取り込んだ。送信者の意図は明らかにされておらず、暗号資産コミュニティでは「通貨か記録媒体か」を巡る議論が再燃している。

大容量データ書き込みを可能にした背景には、2025年10月に公開されたBitcoin Core v30の仕様変更がある。従来80バイト前後に制限されていたOP_RETURNの容量上限が約10万バイトへ引き上げられ、1取引あたり1出力という制限も解除された。この変更によりハッシュ値やタイムスタンプに限定されていた記録対象は、文書本体や画像・コードを含む大容量データへと拡張された。一方、2025年10月にはOP_RETURNの容量制限を再び設けることを目指す改善提案「BIP-444」が公開されており、無秩序なデータ保存がブロックチェーン本来の決済ネットワークとしての役割を損なうとする慎重派との対立が続いている。
ニューヨーク州裁判所では、サトシ・ナカモト氏に関連するとみられる休眠ウォレット群を「遺失物」として扱い、合計約380万BTCの法的所有権を匿名原告とワイオミング州の2法人に認めるよう求める異例の訴訟が提起された。対象アドレスは3万9069件に上り、サトシ氏に関連する「Patoshiパターン」のアドレス約2万1923件(約109.6万BTC保有)に加え、2011年のMt.Gox流出に関連するとみられる7万9957BTCのウォレットも含まれる。原告側は1アドレスあたり10ドル未満の評価額を主張しており、市場関係者は約2935億ドル(約46.6兆円)相当の資産が「遺失物」理論で請求対象とされる構図に強い違和感を示している。
仮に原告が勝訴したとしても、私有鍵を生成できない以上、当該コールドウォレットから1サトシも実際に移動させることはできない。ただし、本来の所有者がコインを規制された暗号資産取引所などに移した場合、裁判所命令を通じて口座凍結を迫る「法的な武器」として機能し得る点が懸念されている。Galaxy Digitalのアレックス・ソーン氏は、疑わしい10ドル評価に基づき匿名当事者へ2935億ドル相当の所有権を認めることは極めて異例だと指摘。盗難・係争中の資産が放棄を理由とする請求に含まれる構造が、原告側の法的理論を一層複雑化させていると分析されている。

マイニング業界では、採掘事業よりも保有する電力資産そのものが価値を生む構造転換が鮮明になっている。Cipher MiningはAWSと約55億ドル・15年契約を結びAI用途に300MWを提供。IRENはMicrosoftと約97億ドル・5年のGPUクラウド契約を締結し、テキサス州の750MW拠点でNVIDIA GB300 GPUを展開する。上場マイナーのAI・HPC契約総額は2026年初頭時点で700億ドルを超え、年末までに収益の最大70%をAI関連が占める見通しだ。一方、Hashrate Indexの5月25日時点データではハッシュプライスは1PH/日あたり35.88ドルと低迷しており、純粋採掘事業の経済性はAIホスティングに大きく劣後している。
AIインフラの建設費は1MWあたり800万〜1500万ドルで、ビットコイン採掘の70万〜100万ドルと比べて大幅に重く、転換するマイナーは資本集約度の高い事業構造に移行することになる。15年や5年の長期契約に縛られた電力は、ASICの採算が回復しても採掘へ戻せない点が従来サイクルとの決定的な違いだ。もっとも、難易度調整が安全弁として機能し、ハッシュレートが20%減少すれば残存マイナーのハッシュプライスは約44.85ドルへ上昇するとの試算もある。業界は電力拠点を運用する企業と、低コストで実際に採掘を担う企業へ二極化する可能性が高い。これは長期的なコンセンサスメカニズムの経済構造にも影響を及ぼす論点である。
テクニカル面では、BTCは7万3554ドル付近で取引され、24時間で約0.35%下落。トレンドはダウントレンドで、RSIは35.81と売られ過ぎゾーンに接近し、MACDは弱気シグナルを点灯させている。直近サポートは7万2596ドルで、これを下抜けると7万280ドル、さらに6万6862ドルへ視点が広がる。一方、上値抵抗は7万4457ドル、7万6645ドル、7万8602ドルに連なる。強気相場復帰には7万4457ドルの日足終値ベースでの奪還が前提となり、これを達成できれば短期的な戻りシナリオが点灯する。逆に7万2596ドル割れが定着した場合、弱気相場への移行リスクが顕在化し、押し目買いの根拠は希薄化する。
