via NADA NEWS · NADA NEWS編集部著
JVCEA、暗号資産審査の「第三者委員会」設置へ──金商法移行で体制強化
自民党ブロックチェーン推進議員連盟は5月11日、永田町の衆議院第一議員会館で第36回会合を開催した。会合では、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)代表理事の小田玄紀氏が、暗号資産規制の金融商品取引法(金商法)下への移行に伴う同協会の体制強化策について報告した。
また、金融庁から制度改正の方向性が説明されたほか、トークン化した資産をブロックチェーン上で流通・取引する「オンチェーン金融」も主要なテーマとなった。
自民党内では3月、平将明衆議院議員が発起人となり、「次世代のAI・オンチェーン金融構想PT」が新設された。同議連会長の木原誠二衆議院議員が座長に就任しており、オンチェーン金融を含む次世代金融インフラの議論が本格化している。

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この日の会合には、JBA(日本ブロックチェーン協会)代表理事の加納裕三氏やJCBA(日本暗号資産ビジネス協会 )理事の山田達也氏らも出席し、官民一体となった制度設計について意見交換が行われた。
冒頭ではまず、金融庁から暗号資産規制の見直しについて説明があった。
企画市場局市場課長の齊藤将彦氏は、暗号資産規制を金商法下へ移行したうえで、「有価証券とは異なる金融商品」と位置づける制度改正の方向性を改めて説明。利用者保護の強化策として、①無登録業者等への対応強化②情報公表規制の整備③暗号資産交換業者への規制強化④インサイダー取引規制を含む不公正取引規制の強化──の4点を挙げた。

齊藤氏は、暗号資産規制の見直しについて「公布から1年以内の施行」を予定していると説明し、本国会で関連法案が成立した場合、2027年夏ごろまでの施行を見込むとした。 また、申告分離課税については、2028年1月からの適用を想定していると説明した。
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また、海外の制度整備にも言及。欧州では、EU暗号資産市場規則(MiCA)が導入されており、イタリアやフランスなど各国で施行が進んでいると説明。そのうえで、発行者の有無によって暗号資産を分類し情報開示義務を課す点などについて、日本の制度設計とも共通点があるとの認識を示した。
上場審査の独立性強化へ、JVCEAが組織再編案
続いて、JVCEAの小田氏が制度改正を見据え、認定自主規制団体である同協会の体制強化の検討状況について説明した。
小田氏は暗号資産の上場や上場維持の審査について、独立性・専門性を備えた「暗号資産審査委員会」を設置する方針を説明。また、自主規制機能と政策提言機能を区分する組織再編案も提示した。
資料によると、「第三者委員」による同委員会は、会員理事が関与しない体制を想定。 暗号資産審査委員会、セキュリティ委員会、自主規制委員会を「特に重要な委員会」と位置づける方針も示された。

現在約30人規模の職員体制については、2028年3月期までに70人規模へ拡大する方針だという。
提言にはオンチェーン金融への記載も
会合の後半では、同議連として取りまとめた提言案について神田潤一衆議院議員が説明を行った。

提言案には、DeFi(分散型金融)やAIエージェントについて、自律的・分散的なデジタルサービスの広がりを踏まえ、 利用者保護とイノベーションの両立を図る観点から、利用実態やリスクに応じて「段階的かつ柔軟に規制を在り方を検討・更新していくべき」と記載された。
また、証券などの発行・保有・取引・収益分配がブロックチェーン上で完結する「オンチェーン金融」についても言及され、「デジタル証券を前提とした新たな金融取引」が国内でも円滑に実装されるよう制度整備を進めるべきだと盛り込まれている。
木原氏は、暗号資産規制の金商法移行を踏まえ、「投資対象となる以上、投資家保護や不公正取引への対応が重要になる」と強調。JVCEAに対して、自主規制団体としての体制強化に期待を示していた。
また、ステーブルコインやトークン化預金を含む次世代金融インフラにおいて、ブロックチェーン活用が広がっていくとの認識も示した。
まとめた提言案については、今後関係省庁に申し入れていくという。そのうえで、自身が座長を務める「次世代のAI・オンチェーン金融構想PT」でも提言の取りまとめを進めているとし、翌12日に予定される同PTで提言案を公表する方針を示した。