ポリマーケット約9,123万円流出、第9巡回区が差し止め却下、暗号ファンドから10億ドル流出
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暗号資産ニュース
予測市場大手のポリマーケットは22日、内部システムから57万3,200ドル(約9,123万円)相当の資産が不正流出したことを公表した。同社のエンジニアリング部門幹部によれば、6年間使用されてきた古い秘密鍵が漏洩し、内部の資金補充用ウォレットから資産が引き出されたという。攻撃者がポリゴンチェーン上に保有するアドレスは特定済みで、オンチェーン分析者と複数取引所の協力により16万4,000ドル相当が既に凍結された。同社はユーザー資産やオラクル契約には影響がないとし、事業は通常通り継続。経営側は対象鍵を無効化し、より厳格なコールドウォレット運用への移行を進める方針を示している。
米第9巡回区控訴裁判所は21日、ネバダ州とワシントン州で進行中の賭博関連訴訟に関し、KalshiとPolymarketによる差し止め請求を退ける命令を出した。3人の判事による合議体は、両社が連邦裁判所での審理を求める根拠として十分な勝訴見込みを示せなかったと判断し、訴訟を州裁判所に差し戻した。両社はスポーツや政治イベントに連動するイベント契約について、米商品先物取引委員会(CFTC)が排他的管轄権を持つと主張してきたが、判事団は商品取引所法に基づくプリエンプション抗弁は積極的抗弁にとどまり、それだけで連邦問題管轄を生じさせるものではないと指摘した。

連邦議会下院の監視・政府改革委員会は、KalshiとPolymarketのCEOに対し、プラットフォーム上で発生したインサイダー取引疑惑への対応について照会する書簡を送付した。委員長を務めるケンタッキー州選出の下院議員は、イラン関連の軍事作戦を巡って80件超の不審な取引が事前に行われたとの報告を引用し、政府内部情報を利用した利益確定が常態化している懸念を示した。米司法省は既に、ベネズエラ作戦に関与した米軍上級曹長がイベント契約で40万ドル超の利益を得たとして商品詐欺などの罪で起訴している。プラットフォーム側はこの数か月、独自の監視体制強化と政治家アカウントの停止措置を進めてきた経緯がある。
ケビン・ウォーシュ氏が22日、米連邦準備制度理事会(FRB)の新議長として就任した。シカゴ・マーカンタイル取引所のFedWatchツールによれば、2026年内の利下げ確率はゼロにとどまる一方、6月17日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で25ベーシスポイントの利上げを織り込む参加者は3.5%、7月会合では17%まで上昇している。トランプ大統領は就任式で、ウォーシュ氏が行政府から独立した金融政策を維持し、経済成長を通じた債務縮小路線を支持すると発言した。緩和的な金融環境はビットコインを含むリスク資産に追い風となるが、足元では利下げ期待が大きく後退している。

デジタル資産投資商品から先週、10億ドルを超える資金が流出した。中東情勢の緊迫化に伴う米国とイランの停戦合意見通しの後退を受け、機関投資家がリスクオフの姿勢を強めたことが背景にある。資金流出の大半はビットコインおよびイーサリアム関連商品が占め、年初来では暗号資産ETPに49億ドル近い純流入が確認されているものの、地政学的ショック局面では暗号資産が依然として広義のリスク資産バスケットとして取引される実態が浮き彫りとなった。同期間にはTether社がソフトバンクからTwenty One Capitalの約26%株式を取得し、4万2,000枚超のビットコインを保有する企業財務戦略の支配を強めた。
下院多数党院内幹事を務めるトム・エマー議員は、暗号資産市場構造法案「CLARITY法」に対する法執行機関側の懸念を「目くらまし」と表現し、立法プロセスの停滞要因にすべきでないと反論した。上院銀行委員会で15対9の超党派賛成を得て前進した同法案は、デジタル資産を証券、商品、現金同等物のいずれに分類するかを明確化する内容で、ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)と組み合わせることで、顧客資金を保管しない非カストディアル型開発者を送金業者規制から保護する構成となる。エマー氏は、州ごとに異なる開発者の法的取り扱いが米国のDeFiイノベーションを萎縮させていると指摘し、年内成立に強い自信を示した。
今週の動きを貫く主旋律は、規制環境の二極化と機関投資家による市場支配の加速である。連邦と州の管轄を巡る予測市場訴訟、議会によるインサイダー取引調査、FRB新体制下での金融政策不確実性、そして10億ドル規模の機関ファンド流出は、いずれも暗号資産市場が伝統金融および政治の論理に深く組み込まれた現実を映す。CLARITY法のような立法的整理が前進する一方で、地政学的ショックと利下げ期待の後退は短期的な逆風となる。アルトコインの苦戦が続くなか、市場の主導権は弱気相場のリスクを抱えつつ、個人投資家から機関の手へと確実に移行している。