ソラナ決済シェア11.6%急伸、TVL93億ドル突破もTrapDoor供給網攻撃で開発者ウォレット標的に
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Solanaニュース
Solana(SOL)のエコシステムが2026年第2四半期に入り、決済・DeFi・開発者基盤の各層で構造的な変化を見せている。独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of History(PoH)」を核に、Proof of Stake(PoS)と組み合わせた並列処理アーキテクチャは、1秒未満の確定性と1セント未満の取引手数料を実現し、イーサリアムに次ぐ規模のDeFi(分散型金融)経済圏を形成している。5月28日時点でSolana上のDeFiプロトコルにロックされた資産総額(TVL)は約93億4,000万ドルに達し、Jupiter、Marinade Finance、Kamino Financeといった主要dAppsが牽引役となっている。日次アクティブアドレス数は270万〜560万、トランザクション数は1日あたり8,500万〜1億900万件で推移し、競合チェーンを恒常的に上回る稼働状況が継続している。

仮想通貨カード決済の勢力図において、Solanaの台頭が顕著になっている。最新のオンチェーンデータによれば、イーサリアム本体の決済シェアは2023年の約55%から2026年には約11%まで縮小した一方、Solanaは2024年時点のシェア0%から2026年には約11.6%まで急上昇した。わずか2年でゼロからイーサリアム本体と肩を並べる水準に達した格好となる。背景にはSolanaの低手数料・高速確定という技術特性が実需領域で評価され始めた構造変化があり、投機的ナラティブ主導だったアルトコイン市場のなかで、決済という実用ユースケースが新たな成長軸として浮上していることを示唆している。
イーサリアム圏内では本体からL2への流動性移動が並行して進んでいる。2026年4月時点の主要L2カード出来高はOptimismが約6,300万ドル、Baseが約3,900万ドル、Arbitrumが約2,600万ドルに達し、Coinbase傘下のBaseは5月27日に「Base MCP」機能を発表してChatGPTから直接送金・スワップを依頼できる仕組みを実装した。Solanaがモノリシック設計のままブロックチェーン単独で決済シェアを獲得しているのに対し、イーサリアム陣営はL2分散型でAIエージェント時代の決済インフラ構築を進める対照的な構図が鮮明となっている。
2026年に入ってからインフラ投資全体の約33%が決済関連に集中し、約36億ドルの資金が流入した。アルトコインシーズンの低調、DeFi活動の減速、NFT出来高の崩壊というセクター不振のなかでも、決済領域だけが資金フローと開発者リソースの両面で拡大を続けている。日本の金融庁は5月20日、海外ステーブルコインを決済手段として6月1日から解禁することを正式決定しており、規制環境の整備もSolanaを含む高速チェーンの実需取り込みを後押しする要因となる。トークン価格単独ではなく実用ユースケースの広がりを評価する視点が、2026年下半期以降のアルトコイン選別において重要性を増している。

一方でセキュリティ面では深刻なリスクが浮上している。セキュリティ研究者は今週、「TrapDoor」と呼ばれる新たなサプライチェーン攻撃を確認した。npm、PyPI、Crates.ioの3大オープンソース・パッケージレジストリで34以上の悪意あるパッケージと数百のバージョン・成果物が拡散され、Solana、Sui、Aptosのウォレットデータ、SSHキー、GitHubトークン、クラウド認証情報、ブラウザデータが標的となっている。攻撃者はランダムな個人ではなく、ウォレットファイルやプロダクション環境のアクセス権を持つ開発者を狙い撃ちにしており、ウォレットチェッカーやSolidityビルドガード、Move/Suiビルドヘルパーを偽装した「退屈な名前」のパッケージで侵入する手口が報告された。コールドウォレットの徹底活用と開発環境の隔離が改めて推奨される局面となっている。
個人投資家層では、Solanaへの新規参入を検討する動きが加速している。国内の暗号資産取引所間では取扱手数料・スプレッド・板の厚みに大きな差があり、購入チャネルの選定が実質コストを左右する構造は変わらない。2024年には1秒あたりのトランザクション処理数(TPS)で年初来最高の1,350TPSを記録し、Phantom、Jupiter、Marinade Financeを中心としたエコシステムは引き続き拡張を続けている。一方で過去のネットワーク停止経験や価格変動リスクへの認識も浸透しており、購入後のステーキングによる利回り獲得や自己保管への移行を含めた総合的な資産管理視点が、新規参入層のリテラシーとして定着しつつある。
テクニカル面では、リアルタイムの価格・出来高データが取得できていないため数値ベースのレベル特定は留保するが、ファンダメンタル面の構造変化を踏まえた基本シナリオは整理できる。決済シェア11.6%への急伸、TVL93億ドル維持、日次トランザクション1億件超という三要素は中長期の強気相場シナリオの土台となる。一方で短期的にはTrapDoor型サプライチェーン攻撃の被害規模次第でセンチメントが悪化するリスクがあり、開発者離反や主要dAppsでの資金流出が観測された場合は調整圧力の引き金となり得る。投資判断の起点は、TVLが90億ドル台を維持できるか、決済シェアの拡大トレンドが第3四半期も継続するかの二点に集約される。
