シティがトークン化資産5.5兆ドル試算、ユガラボがNFT68点救出、Bitgetは3230万ドル回復支援

(09:06 UTC)
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暗号資産ニュース

米金融大手シティのシンクタンク部門が6月に公表したレポートによれば、有価証券をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現する金融資産トークン化の市場規模が、2030年にベースケースで5.5兆ドルに達すると試算された。強気シナリオでは8.2兆ドル、弱気シナリオでも2.7兆ドルとされる。2026年4月時点の市場規模は約170億ドルと推計され、1年前の約3倍に拡大した。成長の主役は民間市場ではなく、米国株式や米国債を中心とする公開市場証券になると指摘されている。スマートコントラクトによる取引・決済・担保管理の自動化が、試験段階から実運用への移行を後押ししている。

普及加速の主因として挙げられるのが、既存の金融市場インフラ大手の本格参入だ。米決済清算機関DTCCは2025年末に規制当局の承認を取得し、株式やETF、米国債を対象とするトークン化サービスの3年間パイロットを2026年後半に開始する。ニューヨーク証券取引所は当局承認を前提に同年後半までにトークン化証券プラットフォームを開設し、米国上場株式の24時間365日取引とステーブルコイン決済を目指す。ナスダックはすでにSEC承認を受け、一部株式・ETFのトークン化発行体制を整備済みだ。暗号資産ネイティブ企業ではなく最大手の伝統的金融機関が新インフラを採用した点が、市場の構造変化を象徴している。

レポートはトークン化の本格普及に、オンチェーン上の決済資産が不可欠だと強調する。分散型金融(DeFi)領域で基盤となるステーブルコインの流通総額は、2030年にベースケースで1.9兆ドルに達すると別途試算された。大手銀行が開発を進めるトークン化預金と合わせ、証券取引における「デリバリー・バーサス・ペイメント(DvP)」決済の中核を担うとみられる。規制面では米国でクラリティー法が上院採決へ向け審議中であるほか、欧州のMiCA規制や英FCAの政策声明など各国の整備が進む。一方で地域間の規制格差が残り、市場の断片化やコスト増を招くリスクも指摘されている。

NFT流動性プロトコル「フローリング・プロトコル」で脆弱性が悪用され、一部プールから資産が流出した。ユガラボのブロックチェーン担当VPが6月8日に報告したところによると、攻撃者は少量のWETHから内部トークン「fpToken」の残高をほぼ無制限に増やし、プールの流動性を引き出した。原因はBT404風の所有権ロジックにおける検証不備と内部会計の不整合で、「ゴースト・オーナーシップ」と呼ばれる状態を作り出し整数アンダーフローを誘発したという。AMM(自動マーケットメイカー)型の流動性プロトコルが抱える設計上のリスクが、改めて浮き彫りとなった。

調査の過程で、同じ脆弱性が「ボアード・エイプ・ヨット・クラブ(BAYC)」や「クリプトパンクス」を保有するプールにも波及し得ることが判明した。これを受けてユガラボのチームは開発者やCEO自らと連携し、別の攻撃者に悪用される前にNFTを退避させるホワイトハット対応を実施。GrailsOTCトレーディングデスクが必要な資金やNFTを先行して用意した。保全されたのはBAYC29点、ミュータント・エイプ4点、クリプトパンクス2点などを含む計68点で、総額は50万ドル(約8,010万円)超に相当する。回収分は現在ユガラボが保管し、正当な所有者への返還方法を検討中だが、攻撃者が一部NFTを保有しており事態は完全には解決していない。

取引所大手Bitgetは、年次のセキュリティ啓発キャンペーン「Anti-Scam Month 2026」を開始した。同社は2025年中に、セキュリティインシデントや不正に関連する約3,230万ドル相当の資産回復をユーザー支援を通じて実現したと公表。1億5,000万件を超える悪意ある攻撃リクエストを遮断し、18,135件のユーザー保護案件に対応した。独自の保護ルールは28億件以上の脅威を遮断し、15億件超のDDoS攻撃を軽減したという。FIDO2やWebAuthn標準に基づくパスキー認証の拡充、コールドウォレットを含む資産保管体制の強化など、多層的な防御を進めている。

今回の一連の動きは、暗号資産市場が投機局面から制度的なインフラ整備の段階へ移行しつつあることを示している。シティが描くトークン化の拡大は伝統的金融とオンチェーンの融合を、フローリング・プロトコルの事件はDeFi固有の技術リスクを、Bitgetの取り組みは利用者保護の重要性をそれぞれ象徴する。機関投資家の参入と規制整備が進む一方で、スマートコントラクトの脆弱性や詐欺被害という課題は依然として残る。普及と安全性をいかに両立させるかが、次のサイクルにおける市場成熟の鍵を握ることになる。

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HN

Hiroshi Nakamura

COINOTAG yazarı

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