ウォーレン議員がCFTCの規制後退を追及、下院は税制6法案を審議、KrakenはW杯公式取引所に
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暗号資産取引所のKrakenは、6月11日に開幕する「FIFAワールドカップ2026」の公式暗号資産取引所サポーターに就任した。大会期間中は世界のサッカーファンに向けた体験型イベントを展開し、業界の認知度向上を狙う。今大会は出場枠が32から48に拡大され、米国・メキシコ・カナダの16都市で104試合が行われる史上最大規模となる。約7週間で累計60億人超の視聴が見込まれ、Krakenはアディダスやコカ・コーラ、ビザといった長年のFIFAスポンサーと肩を並べる。ブロックチェーン業界による大型スポーツ契約は、2022年スーパーボウルの「クリプト・ボウル」以来の規模となる。
米国では規制を巡る政治的緊張が高まっている。エリザベス・ウォーレン上院議員は6月5日、商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ議長に公開書簡を送付し、執行活動の急減とトランプ政権による介入疑惑の説明を求めた。CFTCの執行措置は2024会計年度の58件・制裁金170億ドル超から、政権交代後の12ヶ月で11件・10億ドル未満へ激減したとされる。人員も約25%削減された。書簡は前代行議長による利益相反疑惑にも踏み込み、ウィンクルボス兄弟がトランプ氏の選挙運動に各100万ドル相当のビットコインを寄付した経緯にも言及。6月18日までの資料提出を要求した。
規制の空白を埋める税制論議も本格化した。下院歳入委員会は9日、暗号資産課税をテーマとする立法公聴会を開催し、6本の法案草案を公開した。マイニング・ステーキング報酬の課税時期の明確化、小口取引の非課税枠、ウォッシュセール規制の適用などが対象だ。業界側は報酬を付与時ではなく売却時に課税すべきと主張するが、ウォッシュセール規制の適用には「DeFiやマルチウォレット管理を事実上不可能にする」と反発が出た。超党派の合意は得られておらず、有力議員は中間選挙後まで成立を見送る可能性を示唆している。
予測市場を巡る監視も強まる。米陸軍の現役兵士ガノン・ケン・ヴァン・ダイク被告の公判が、12月7日にマンハッタンで開かれることが決まった。被告はベネズエラのマドゥロ大統領の身柄拘束に関する機密情報を悪用し、予測市場Polymarketで利益を得たとされる。4月にはコモディティ詐欺を含む5件の連邦罪で無罪を主張した。25万ドルの保釈金で釈放されている。予測市場を舞台とした米政府初のインサイダー取引案件であり、下院監督委員会のコーマー委員長による調査とも連動し、規制当局の関心の高まりを象徴している。
規制圧力を受け、業界側も自主的な対応を強めている。CFTC規制下の予測市場大手Kalshiは、政治結果や企業イベントなど機密性の高い契約の取引前に、利用者へ勤務先の開示を義務付ける方針を明らかにした。重要な非公開情報(MNPI)に基づく取引への懸念に直接対応するものだ。ホワイトハウスは3月24日、職員に非公開の政府情報を用いた取引を控えるよう警告していた。Kalshiは2026年2月までの1年間で200件超の調査を実施し、著名動画編集者や複数の議会候補者に対し制裁金や複数年の取引停止処分を科したという。
投機的な側面も依然として活発だ。6月第2週のミームコイン市場では、SIRENが約1.22ドルで推移し週間で約113%上昇、時価総額は約8億8,700万ドルに達した。1.20ドル付近のローソク足の抵抗線を試す一方、RSIは70を超え過熱感も漂う。BinanceLifeは約0.69ドルで当日12%下落したが週間では9%高を維持し、6月7日に付けた0.90ドルの高値後に弱気のRSIダイバージェンスが出現した。BUILDONは急落から回復基調にある。これらアルトコインの物色は、AIトークン相場の再燃が後押ししている。
今サイクルの支配的な物語は、主流化と規制の精算が同時進行する構図にある。KrakenのワールドカップスポンサーシップやKalshiの急成長は暗号資産が日常へ浸透する段階を示す一方、ウォーレン議員の追及、税制法案の難航、予測市場のインサイダー摘発は、その普及に追いつこうとする監督体制の緊張を映し出す。中間選挙を控えた政治的不確実性が立法の行方を左右し、執行能力の低下と管轄拡大の矛盾が問われている。投機色の濃い強気相場の熱気と、制度整備を急ぐ当局の攻防が交錯する局面が続く。