Arya.agが20億ドル規模の穀物ネットワークをAvalanche(AVAX)台帳に記録

Arya.agが保管穀物20億ドル分をAvalancheベースの台帳に記録開始。大手銀行3行が参加し、年間13億ドル規模の農業融資が対象となる。

(11:03 UTC)
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  • Arya.agが保管穀物約20億ドル分をAvalanche(AVAX)基盤の台帳に記録開始
  • Nandan Nilekani氏が9月10日のGlobal Fintech Festivalで構想を発表
  • Arya.agは年間約13億ドルの農業融資を仲介し、子会社Arya Dhanが約2億3,000万ドルを直接融資
  • プラットフォームは約1.2万か所の倉庫でインドの地区の60%を網羅、85万〜90万人の農家に対応
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Arya.ag、20億ドルの穀物をAvalanche台帳に記録開始

インド最大の農業倉庫運営企業であるArya.agが、保管中の穀物約20億ドル分について、穀物の入庫記録・電子倉庫証券・融資状況を、Avalanche技術を基盤とする台帳上に記録し始めた。情報通信技術の推進や自身が主導したインドの国民ID基盤「Aadhaar」構想でも知られるNandan Nilekani氏が、9月10日にムンバイで開催されたGlobal Fintech Festivalにて、この取り組みを発表した。今回の展開は、Arya.ag自身がAva Labsの技術を用いて運営する専用のレイヤー1ネットワークとして稼働する。サイドチェーンに近い構造であり、Avalancheネットワークのパブリックチェーンとは距離がある。銀行・倉庫・規制下の融資記録に適した運用ルールを設定できることが、この構成の狙いだ。Ava Labsのインド担当責任者を務めるDevika Mittal氏は「このL1はAryaが運営する。現時点では専用の展開であり、将来的には他の倉庫企業の支援にも拡大する」と説明した。同氏は、現段階ではどの銀行も参加可能であり、すでに大手銀行3行がL1への参加を進めていると付け加えた。ただし、各行の名前は公表されていない。20億ドルという数字は、Arya.agの倉庫網全体で保管される穀物の推定価値を示すものであり、ブロックチェーン上にすでに記録された融資額ではない。担保や融資のどれほどが新システムへ移行したかについて、Arya.agとAva Labsの双方が開示した情報はなく、トランザクション件数・ネットワーク処理能力・スマートコントラクトのアドレス・ブロックエクスプローラーのいずれも公開されていない。両社間の財務条件も未公表で、競合する倉庫運営業者へのネットワーク開放の時期も定まっていない。なお、Arya.agは暗号資産トレーダー向けに穀物トークンを販売する取り組みではない。実物の穀物は物理倉庫に留まり、インドで法的に認められた電子倉庫証券(e-NWR)が引き続き融資の根拠文書となる。ブロックチェーン上の記録は、穀物・証券・融資に紐づく情報を記す役割に限られる。同社はまた、承認の迅速化やコスト低減、信用アクセスの拡大はあくまで展開の中で実証されるべき潜在的な成果だと注意を促しており、処理時間や承認率の比較データは公表されていない。

e-NWR、13億ドルの融資とFinternetの枠組み

この台帳が狙うのは、細分化された紙仕事の仕組みである。インドの登録倉庫に農家が穀物を保管すると、電子譲渡可能倉庫証券(e-NWR)と呼ばれる、法的に認められた担保融資の手段を受け取れる。売り時を待つ間、これを担保に融資を受けられる仕組みだ。しかし現状では、何が保管されているか、すでに別の融資の担保に差し入れられていないか、残債務がいくらかといった記録が別々のシステムに分散しており、貸し手は融資の承認前に各申請を手作業で検証するしかない。Arya.agの台帳は、預け入れられた穀物とその証券・融資状況を1つの共有記録に紐づける。参加銀行は、穀物が実在するか、他の貸し手がすでに担保権を主張していないか、残高がいくらかを確認できる。背後にある事業規模も大きい。Arya.agは年間約13億ドルの農業融資を仲介しており、うちノンバンク子会社のArya Dhanが直接融資するのは約2億3,000万ドルに上る。過去の企業開示によれば、同社のプラットフォームは約1.2万か所のリース倉庫を通じてインドの地区の60%を網羅し、85万人から90万人の農家にリーチしている。プラットフォーム経由の融資金利は約12.5%から12.8%であり、 informalな仲介業者が課す24%から36%という金利を大きく下回る。背景として、農家はインド人口の約40%を占めながら、正式な金融機関から融資を受けられるのは約15%にすぎず、農村部の借入の大半が高コストな非正規ルートに流れている。通信レイヤーのガバナンスは、Finternetが担う。これはNilekani氏が、国際決済銀行(BIS)の元総支配人でメキシコ中央銀行の元総裁でもあるAgustín Carstens氏とともに進める構想だ。両氏が2024年4月に発表したBISワーキングペーパーは、共通の標準で複数の金融エコシステムを接続し、トークン化と統合台帳によって資金と金融・実物資産を結び付ける枠組みを描いており、Arya.agはこれを穀物の現場で実装する段階に入ったことになる。なお同文書は研究提案であり、BISを拘束する基準ではない。免責事項には、見解は執筆者個人に帰属すると明記されている。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、Gateで現物・先物価格をライブで確認できる。

実物資産の検証がAvalancheの機関投資家路線を牽引

COINOTAGの読み解きでは、オフチェーンの実物資産の検証――本質的にはブロックチェーンオラクルの課題――が、Avalancheを舞台としたアルトコイン市場で最も持続的な機関投資家のストーリーを支える駆動力として浮上している。Hanwha Securitiesによるトークン化推進Charles Schwabの暗号資産プラットフォーム構想、そしてDelphi Digitalの機関投資家向け見通しに続く動きだ。理論的な支柱となるのは、Nilekani氏とCarstens氏による2024年4月のBISワーキングペーパーだ。分散したデータベースを統合台帳に置き換えるという発想である。ただし、開示が進むまでは懐疑的な視点が妥当だ。両パートナーとも、オンチェーンのトランザクション件数、エクスプローラー、バリデーターリスト、他倉庫の参加時期を公表していない。現時点で20億ドルという数字が示すのは記録済みの実績ではなく、潜在的なスコープである。次の検証ポイントは、ネットワーク自身から出てくる検証可能なデータになる。

COINOTAG News Desk

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