Bitcoin1000万円割れ寸前、CLARITY法夏期通過示唆・エックスウィン指数年初来最低6でRSI20
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米財務省のスコット・ベッセント長官は6月3日、上院財政委員会で開かれた2027会計年度予算公聴会において、トランプ大統領が2025年に署名した「戦略的ビットコイン(BTC)準備金およびデジタル資産備蓄」設立命令の実施を「慎重かつ迅速に進めている」と証言した。米国は現在32万8,372BTC、約2,150億ドル相当を準備金として保有している。さらにマイク・クレイポー委員長からの質問に対し、長官は暗号資産市場構造法案「クラリティ法(CLARITY Act)」について「米国のベストプラクティスを国内に導入するために必要」と強く支持し、この夏の上院通過を目指していると明言した。停滞も指摘されてきた政権の暗号資産政策が立法・実務両面で動き始めた可能性が示された。
市場では同日、ビットコインが24時間で約5.6%の急落を記録し、円建て価格は1,065万円付近、ドル建てでは6万5,000ドル台前半まで下落した。1,000万円割れが目前に迫る水準であり、市場参加者はテクニカル節目の割れに加え、上場ビットコイン保有最大手ストラテジー社による予想外の動きを下落要因として指摘している。同社は2022年以来初めて保有BTCの一部を売却し、目的を「優先株配当原資の確保」と説明したが、一部の有識者はこの仕組み自体を「時限爆弾」と評している。財務戦略の前提が揺らげば、企業財務型保有モデル全体に対する信認低下リスクが浮上する。
暗号資産市場の方向感を総合評価する独自指標「エックスウィントレンドインデックス」は6月3日、年初来最低となる「6/100」を記録し、強い弱気相場(ベアマーケット)判定が下された。同指標はオンチェーンデータ、ETF(上場投資信託)資金フロー、デリバティブ、センチメント、マクロ環境を総合分析する設計で、2〜4週間先の市場環境を示す先行指標とされる。2026年前半は1月のスコア82到達と5月12日の82再到達という二度の強気局面があったが、いずれもETFフロー悪化と現物需要不足によって失速。「制度面は強気、需給面は弱気」というねじれた構造が崩壊した形となっている。
市場の本質的弱さを巡る議論も活発化している。複数のアナリストは、今回の下落をストラテジー社単独要因に帰す見方に懐疑的で、ビットコインが「市場のモメンタムトレードとしての地位」を失いつつある点を強調する。資本は人工知能関連株、金、そしてスペースXやOpenAI、Anthropicといった大型IPO案件へ回転している。大手米銀の分析では、現物ビットコインETFのフローが週次価格変動の約45%を説明しており、そのフローはマイナス圏に転じている。CLARITY法案進展への期待が後退すれば、機関投資家の新規流入を支える触媒も弱まり、当面はセンチメントが鈍化したまま推移する可能性が高い。
マクロ視点では、スペースXが目標株価135ドル、5億5,560万株の発行で750億ドルの調達と1兆7,500億ドルの評価額を狙うIPO計画を米証券取引委員会に提出した。同社は3月末時点で1万8,712BTC、約12.9億ドル相当を保有しており、上場が実現すれば株式を通じてビットコインへの間接エクスポージャーが公開市場に持ち込まれる。一方で大型IPO群の合計調達想定は年末までに2,400億ドル超に達するとされ、リスク資産間の流動性を吸い上げる構図となる。ブロックチェーン関連資産がハイテク株やAI投資と同じ「リスクオン資金」を奪い合う以上、短期的にはBTC価格への重しとなり得る。
長期保有者の動向では、2011年に発行された物理ビットコイン「カサシウス・コイン」シリーズ1の25BTC銘柄が、15年ぶりにオンチェーン上で動かされた事例が確認された。当時100ドル未満で発行された同コインに格納されていた25BTCは、現時点で約178万ドルに相当する。物理コインは初期ビットコイン愛好家マイク・コールドウェル氏が概念実証として作成したもので、改ざん防止ホログラムで秘密鍵を保護する仕組みを採用していた。今回のリディームは長期保有BTCの一部が市場に戻り得る兆候として注目されており、コレクター市場・コールドウォレット関連の話題としても象徴的なイベントとなった。
テクニカル面では、BTC現物は6万5,116ドル付近で取引され、24時間で2.62%下落、時価総額は約1兆3,060億ドル。RSIは20.47と明確な売られすぎ圏に突入し、MACDも弱気シグナルを継続している。直近サポートは6万4,797ドルで、ここを終値ベースで割れれば6万2,510ドル、さらに5万6,978ドルまで下値余地が拡大する。レジスタンスは6万6,812ドル、続いて6万8,741ドルに位置し、ここを奪還できなければ戻り売り圧力が支配的だ。反転シナリオは現物ETFフローのプラス転換とCLARITY法案進展が条件で、サポート割れと出来高萎縮の併存が確認されればベアケースの妥当性が高まる。
