Bitcoin7.6万ドル攻防、エコ81.6万ドル流出・6億ドル清算──5月DeFi被害14件
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Bitcoinニュース
BTCFi(ビットコイン金融)プロトコルのエコ(Echo Protocol)が5月19日、モナド上のブリッジ脆弱性を突かれて約81万6,000ドル(約1億3,000万円)相当の不正流出被害を受けた。攻撃者は担保検証の抜け穴を突き、本来は等価の裏付けが必要なBTC代替トークン「eBTC」を1,000枚不正発行した。プロトコル運営は全クロスチェーン取引を即座に停止し、調査体制に入っている。オンチェーン分析家dcfgodが異常検知の初動を担い、セキュリティ企業のペックシールドが資金フローを追跡。モナドネットワーク本体への波及はないと開発側が明言した。DeFi領域の代替資産モデルに改めて警鐘が鳴らされた格好だ。

同じ取引時間帯、ビットコイン価格が7万7,000ドルを割り込み、暗号資産市場全体で約6億ドル規模のレバレッジポジションが強制決済される事態となった。直近60分間で清算された5億ドル超のうち、9割近くがロング側に集中。BTCは過去1週間にわたり8万2,000ドル台や8万ドル台の主要節目を維持できず、強気相場の継続性をめぐって市場の見方が割れていた。今回の下振れは単発的な投げ売りではなく、複合的なマクロ要因とテクニカルな脆さが同時に表面化した結果と受け止められている。取引所のオーダーブックでも厚みの薄い価格帯で下抜けが連鎖した。
エコへの攻撃者の資金ルートは高度に設計されていた。不正発行した1,000 eBTCのうち45枚(約3万4,500ドル相当)をレンディングプロトコルのカーバンス(Curvance)に担保として預け、11.29枚のラップドビットコイン(WBTC)を借り出した。続いてイーサリアム(ETH)ネットワークへブリッジし、最終的に384 ETHをミキシングサービスのトルネードキャッシュへ送金、資金フローを断ち切った。カーバンスは被害発生直後に該当市場を停止。連鎖的な担保汚染は当面回避されたものの、ラップド資産がDeFiレンディングの担保プールに与える信用リスクの構造が改めて浮き彫りとなった。
今回のBTC急落の背景には複数のマクロ圧力が重なっている。米10年国債利回りが4.5%を突破し、無リスク金利の上昇がリスク資産全般の評価を圧縮した。さらに4月のPPI(生産者物価指数)が前年比6.0%と2022年水準まで再加速し、CPIに続くインフレ再評価がBTCの8万ドル割れを誘発した経緯がある。加えて、CLARITY法案の上院銀行委員会通過を受けた「事実売り」フローも観測された。金利・インフレ・規制材料の出尽くしが同時進行で進む構図は、短期勢の積極的なロング解消を促し、現物市場にも売り圧が波及する形となっている。

エコの事件は過去5日間で発生した主要DeFiハッキングの3件目に位置付けられる。5月15日にはトーアチェーン(THORChain)の金庫が攻撃を受け1,000万ドル超が流出。ベルース(Verus)のイーサリアムブロックチェーンブリッジも約1,160万ドル相当の被害を計上した。2026年5月単月の暗号資産関連ハッキングはすでに14件に達し、4月単月で6億3,500万ドル規模の損害が出た流れを継承している。チェーン間でトークンをロック・ミントする構造上、ブリッジは高価値かつ単一障害点となりやすく、業界全体で設計思想の根本見直しが急務となっている。
今回の清算ラッシュは、レバレッジで上値を追っていた短期勢を市場から排除する典型的な「リセット」局面と読み解ける。一方で、長期保有者の保有残高は1,526万BTC水準まで増加しており、取引所の現物残高は6年ぶり低水準に張り付いたまま推移している。短期投機筋のシェイクアウトと長期勢の蓄積継続が同居する状況は、弱気相場への完全移行というよりも、過熱解消を伴う健全な調整局面の特徴に整合する。デリバティブ市場の資金調達率も中立水準に戻りつつあり、需給バランスは底入れの初期兆候を示している。
テクニカル面では、現在価格7万6,720ドルが7万5,976ドルの第一サポートに接近している。下抜けた場合は7万4,654ドル、最終的に7万2,673ドルが下方ターゲットとなる。上値では7万6,900ドルの直近抵抗が当面の壁となり、これを明確に上抜ければ7万8,136ドル、続く7万9,347ドルが次の目標。RSIは44.35と中立やや弱気圏、MACDも弱気シグナルを継続しており、トレンドはサイドウェイ。7万4,654ドル割れが鮮明化すれば弱気シナリオが優勢化する一方、7万8,136ドルの回復は反転起点となる。当面はレンジ上下端での攻防が焦点となる。
