ブラジルの銀行、Bitcoin(BTC)サービスを拡大――暗号資産取引高が987億ドルに到達
ブラジルの暗号資産市場は2025年に987億ドル規模に達した。Itaú、Nubank、Banco do BrasilがBitcoinサービスを拡大する一方、銀行自身の簿価保有はゼロ。
2025年の取引高は5,055億レアル
ブラジルの暗号資産市場は昨年、過去最高となる5,055億レアル(約987億ドル)の取引高を記録した。これは、Bitcoin(BTC)の3回目の Bitcoin halving が起きた2020年の949億レアルの5倍以上という規模だ。出典はブラジル連邦税務庁(Receita Federal)の公式開示データであり、この内訳が市場の読み方を根本から変える点が注目に値する。全体のうち法人による取引は4,970億レアル(約970億ドル)で、追跡対象全体の98.3%を占めた。個人投資家のシェアは、ラテンアメリカ最大級のデジタル資産経済の中でわずかな部分にすぎない。
この法人優位の構図は、小口投機ではなく、財務運用、越境決済、ドルアクセスといった用途がブラジルの取引高を牽引していることを示している。この機関寄りの傾向は、販売チャネルにもはっきり表れている。運用資産額でブラジル最大の銀行であるItaúは、投資アプリ経由でBitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、ドル連動型ステーブルコインUSDCを含む15種類の暗号資産を顧客に提供している。ブラジル最大のフィンテック企業Nubankは28種を取り扱う。国有のBanco do Brasilは1月に顧客向けのBitcoinとEthereumの直接購入を開始し、すでに1,100万レアル(約210万ドル)以上が同サービスを経由して動いたと発表している。この拡充は緩やかな推移ではなく、最近になって急速に進んだものだ。おおよそ1年の間に、Itaú、Bradesco、Santander、Banco do Brasil、Nubankがそろって暗号資産の取扱を拡大し、海外のインフラも追随した。米国の取引所大手 Coinbase は、ブラジルのユーザーがUSDCをレアルと直接売買できるようにした。数字が描き出すのは、法人の決済フローが台帳を支配し、一方で国内最大手の金融機関が、オフショアの取引所ではなく免許を持つ銀行経由でデジタル資産にアクセスしたい顧客のために、規制されたゲートウェイの座を競う市場である。
銀行自身のバランスシート上の保有はゼロ
小口向けの取扱メニューが拡大している一方で、こうしたエクスポージャーはどれ一つとして銀行自身のバランスシートには載っていない。2026年3月時点の中央銀行への提出書類によれば、ブラジルの銀行は自己勘定での仮想資産保有をゼロとしている。ただし、顧客に代わる暗号資産の保管・処理は認められている。これらのサービスはブロックチェーンの consensus mechanism (コンセンサスメカニズム)そのものではなく、取引所・保管のレイヤーで機能するものだ。
この構造は意図的な選択の結果である。銀行が自己資金で暗号資産を買えば、時価評価の変動が損益計算書に直接反映され、資本比率の管理が複雑になる。他方、顧客資産の保管・仲介にとどまれば、価格リスクは顧客側が負い、銀行は手数料収入を得る。2025年以降に取扱を拡大した5行はいずれもこの手数料・保管モデルで運用しており、自己勘定での保有に踏み込んだ行は一つもない。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、Binanceで現物・先物価格をライブで確認できる。
2026年10月30日のコンプライアンス期限を控えて
この慎重さを裏付けるのが規制の枠組みだ。2022年に成立した仮想資産の法的枠組み(Legal Framework for Virtual Assets)は、同セクターの管轄権を中央銀行に与えた。さらに2025年11月に公表された3つの決議が、この権限に実効性をもたらした。暗号資産の取引、保管、送金サービスを提供する企業はすべてライセンスを取得し、最低資本要件を満たし、顧客資産を自己資金と分別管理しなければならない。ブラジルには約120社の暗号資産企業が存在し、その大半は依然として無免許だが、全社が2026年10月30日までに遵守しなければならない。決議の一つであるResolution 521は、ドル連動型トークンの購入を外国為替取引として扱い、ステーブルコインを中央銀行の監督下に明確に置いた。このセグメントは、IMFがすでに一段の厳格な監視対象として挙げている領域でもある。最も踏み込んだのはBanco Safraだ。同行は2025年9月、ドル連動型の独自トークン「Safra Dólar」を発行し、保管を完全に社内で維持した。海外口座を持たずにドルエクスポージャーを得られる商品として売り出されたもので、 Tether Gold のような金裏付けトークンとは異なる、純粋な法定通貨連動型の手段である。コンサルティング企業Syscapitalの共同創業者Carlos Akira Satoをはじめとするアナリストは、まさにこの規制の明確さが、従来保守的だったブラジルの銀行を参入へと動かしたのだと指摘する。 COINOTAGの読みでは、この二つの流れは一つの弧を描いている。ブラジルは「銀行のリスクを負わない規制されたアクセス」を構築したのであり、一次資料がそれを証明している。取引高の数字は税務当局自身の開示制度から来ており、2025年11月の決議群――暗号資産を取引・保管・送金するすべての企業を拘束し、遵守期限を2026年10月30日と定めたもの――こそが、銀行が在庫を帳簿に載せることなく暗号資産の棚を並べることを可能にした。今後は、免許を持つ銀行が取扱資産を増やし続ける一方で、期限を前に無免許の企業が撤退か統合かを選ぶ流れが予想される。世界有数の小口市場におけるBitcoinアクセスの分配はすでに銀行経由で動いており、それらのチャネルを形づくるルールこそが、個々の価格変動よりも重要な意味を持つ。
関連タグ

AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。


