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サークル、AI決済基盤公開とARCトークン350億円調達|USDC需要拡大へ

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更新者Yuki Tanaka
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この記事の要点

  • Circleが「Agent Stack」公開、AI向けUSDC決済基盤を始動
  • 同日ARCプレセールで344億円調達、NYSE上場企業で初

目次

CircleがAI向け決済基盤公開、ARCで344億円調達

米Circle(サークル)は2026年5月11日、AIエージェント向けの金融インフラ「Circle Agent Stack(サークル・エージェント・スタック)」の提供を開始したと発表しました。

同日に開示した2026年第1四半期決算では、自社ブロックチェーン「Arc(アーク)」のネイティブトークン「ARC」のプレセールで2億2,200万ドル(約350億円)を調達したことも明らかにしています。

Agent Stackは、AIエージェントがステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を使って自律的に決済を行う開発者向けサービス群で、ウォレット機能や少額決済機能など4製品で構成されています。

今回の発表により、サークルはUSDC発行事業に加え、AI時代の金融インフラと自社ブロックチェーン運営を並行して拡大する方針を示しています。

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「Agent Stack」AIエージェントが顧客の決済基盤

ガス代不要のナノ決済、4製品で構成

発表によれば、Circle Agent Stackの初期ラインナップには、コマンドラインインターフェースのCircle CLIや、自律稼働ウォレットのAgent Wallets(エージェント・ウォレット)などが含まれます。

さらに、サービス検索の場となるAgent Marketplace(エージェント・マーケットプレイス)と、少額決済プロトコルのNanopayments powered by Circle Gatewayの2製品も加わります。

4製品は、AIエージェントによるUSDコイン(USDC)の保有・サービス検索・決済を一体化する構成となっており、サークルは「AIエージェント自身を顧客とする初の包括的な製品群だ」と説明しています。

Agent Stackでは、人間による都度の操作を介さず、AIエージェント自身がウォレット管理からサービス利用、USDC決済までを自律的に実行できる環境を提供しています。

このうちNanopayments(ナノペイメント)は、ガス代不要で最小0.000001ドルからのUSDC送金に対応する少額決済機能で、AI同士による高頻度決済を想定して設計されています。

Nanopaymentsについては、サークルが2026年3月のテストネット段階で既に仕組みを公表しており、今回のAgent Stack公開にあわせて実運用フェーズへ移行した形となります。

「AI自体が顧客」、アレアCEOが強調

サークルは、こうしたAgent Stack投入の背景として、AIエージェントが自律的にサービス利用や決済を行う環境の拡大を挙げています。

共同創業者兼CEOのジェレミー・アレア氏は、従来の金融インフラは人間による操作を前提に設計されており、AIエージェントが自律的に動作する時代には適合しなくなるとの認識を示しました。

同氏はAgent Stackについて、AIエージェント自体を顧客とする初の包括的サービス群と位置づけ、今後はAIエージェント同士が自律的に取引を行う環境が拡大していくとの見通しを示しています。

一方で、AIエージェントが無制限に資金を操作できるわけではなく、Agent Walletsでは事前設定された権限・支出上限・ポリシーの範囲内で資金を管理する仕組みを採用しています。

こうした制御付きのAIエージェント決済基盤をめぐっては、Coinbase(コインベース)が公開したx402プロトコルなど、関連インフラの開発競争も進んでいます。

ARC調達344億円、上場企業初のトークンセール

a16z主導でブラックロックら参加

AIエージェント同士による決済インフラの整備が進むなか、サークルは同日、自社ブロックチェーンArc(アーク)のネイティブトークン「ARC」に関する大型資金調達も発表しました。

サークルが2026年5月11日に開示したQ1決算によると、自社ブロックチェーンArcのネイティブトークン「ARC」のプレセールを完了し、2億2,200万ドル(約344億円)を調達したことが明らかになっています。

完全希薄化後の評価額は30億ドル(約4,700億円)に達しており、今回のプレセールではAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のクリプト部門a16zが主導投資家を務めました。

運用大手のBlackRock(ブラックロック)、Apollo Funds(アポロ)、ARK Invest(アーク・インベスト)に加え、取引所運営のIntercontinental Exchange(インターコンチネンタル取引所)、日本の金融大手のSBIグループなども出資陣営に名を連ねています。

さらにStandard Chartered Ventures(スタンダードチャータード・ベンチャーズ)も加わり、計13社の機関投資家がプレセールに参加しています。

今回のARCプレセールによって、サークルは米ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場企業として初めてトークンプレセールを実施した事例として位置づけられています。

ホワイトペーパー公開、ARC配分も明確に

プレセールの対象となったArcは、サークルが2025年8月に発表した機関金融向けのL1ブロックチェーンで、当初からステーブルコイン決済とトークン化金融を前提に設計されたと説明されています。

USDCをネイティブガス通貨に採用し、為替(FX)エンジン内蔵や1秒未満のファイナリティといった大量取引に対応する機能を備えています。

今回プレセール対象となったARCトークンは、このArcネットワーク上で検証者報酬・ガバナンス・ステーキングを支える「ネイティブ・コーディネーション・アセット」と定義されました。

ARCトークンの詳細な役割と配分は、Arc Network公式ブログで同日公開されたホワイトペーパーに明記されており、発行総量100億ARCのうち、サークルが25%を保有し検証者基盤の運営と手数料収入を担うとしています。

残りの配分については、ネットワーク参加者向けに60%、長期準備向けに15%を割り当てる設計が示されています。

RWA対応の独自チェーンArc

AI×L1両軸、USDC需要拡大へ次のフェーズ

ステーブルコインをめぐっては、米国の仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」の審議が大詰めを迎えるなど、規制整備と事業競争が同時に進んでいます。

こうしたなかでサークルは、AIエージェント決済領域と自社L1運営の両軸を打ち出し、USDCの需要基盤を広げる方向性を明確にしました。

今回のQ1決算では、USDC流通量が前年比28%増の770億ドル(約11兆9,300億円)、オンチェーン取引高は263%増の21.5兆ドルに達しており、USDCの利用拡大が業績面でも示されています。

今後はAgent Stackを通じたAIエージェント決済の普及状況と、Arcメインネットの稼働時期が、ステーブルコイン市場全体の新たな競争軸として注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.28 円)

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