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ガス代とは?

ガス代とは、イーサリアムなどのブロックチェーンで取引やスマートコントラクトの処理を実行するために、そのネットワークのネイティブトークンで支払う手数料です。処理に必要な計算量を「ガス」という単位で測り、その量に応じて金額が決まります。

執筆: COINOTAG Research Desk最終更新 出典

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ガス代が必要な理由

「ガス」という名前は、自動車を動かす燃料にたとえたものです。取引やプログラムを処理するために消費される資源を、燃料のように量で測り、その分の代金を支払うという考え方です。

ガス代には主に三つの役割があります。

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  1. 処理する人への報酬:取引をブロックに取り込むバリデーター(かつてはマイナー)への報酬になります。
  2. スパムの防止:一つひとつの処理にコストがかかるため、大量の無意味な取引や無限ループのようなプログラムでネットワークを止める攻撃が割に合わなくなります。
  3. 限られた資源の配分:ブロックに入れられる処理量には上限があるため、急ぐ人ほど高い手数料を払う仕組みで、限られた枠を効率よく割り当てます。

ガス代の計算方法

イーサリアムでは、ガス代は次の式で計算されます。

ガス代 = 使用したガス量 ×(ベース手数料 + 優先手数料)

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  • ガス量:処理の複雑さで決まります。単純なETHの送金は21,000ガスで、DEXでの交換やNFTのミントなど、スマートコントラクトを動かす処理はより多くのガスを使います。
  • ガス価格の単位:ガス価格はgwei(ギガウェイ)で表示されます。1 gweiは0.000000001 ETH(10のマイナス9乗ETH)です。
  • ベース手数料:ネットワークの混雑具合に応じてプロトコルが自動で決める部分で、支払われた分は消却(バーン)されます。
  • 優先手数料(チップ):取引を早く処理してもらうためにバリデーターへ上乗せする部分です。

この「ベース手数料+優先手数料」の仕組みは、2021年のロンドン・アップグレードで導入されたEIP-1559によるものです。

計算の例

次は計算の仕組みを示すための仮の例です。単純なETHの送金(21,000ガス)で、ベース手数料と優先手数料の合計が30 gweiだとすると、ガス代は次のようになります。

21,000ガス × 30 gwei = 630,000 gwei = 0.00063 ETH

DEXでの交換のように、複数のコントラクトを呼び出す処理では、使うガス量が送金の数倍から十倍以上になることもあります。同じ価格帯でも、処理の中身によって支払う額が大きく変わるのはこのためです。

上限手数料(マックス・フィー)

取引を送るときは、支払ってもよいガス価格の上限(max fee)も指定します。ベース手数料が急に上がっても、この上限を超えて支払うことはありません。実際に支払うのは「ベース手数料+優先手数料」で、上限との差額は戻ってきます。

ガス代が高くなる理由

  • ネットワークの混雑:1つのブロックに入れられる処理量には上限があるため、利用者が増えるとベース手数料が上がります。人気のNFTの販売開始や相場の急変時に混雑しやすくなります。
  • 処理の複雑さ:複数のコントラクトを呼び出す取引ほど、多くのガスを使います。
  • トークンの価格:ガス代はETHで支払うため、ETHの価格が上がると、円やドルで見た負担も大きくなります。

ガス代は常に変動するため、送金前にウォレットに表示される見積もりを確認します。

イーサリアムのガス代の歴史

  • 2015年7月30日:イーサリアムのメインネット(Frontier)が始動し、ガスで処理量を測る仕組みが最初から組み込まれました。
  • 2017年:ICOの流行や、猫のキャラクターを育てて売買するゲーム「CryptoKitties」の人気でネットワークが混雑し、ガス代の高さが大きな話題になりました。
  • 2020年:DeFiの急成長(DeFiサマー)で取引が集中し、ガス代が高い状態が続きました。
  • 2021年:NFTブームでも混雑が起き、人気作品の販売開始時には、少しでも早く処理してもらうために高い手数料を競り合う「ガス戦争」が起きました。
  • 2021年8月5日:ロンドン・アップグレードでEIP-1559が導入され、ベース手数料が消却されるようになりました。同じアップグレードのEIP-3529では、ガスの払い戻しの仕組みが縮小されています。
  • 2022年9月15日:The Mergeでプルーフ・オブ・ステークに移行しました。ガスの仕組み自体はそのまま引き継がれています。
  • 2024年3月13日:Dencunアップグレード(EIP-4844)でブロブが導入され、レイヤー2の手数料が下がりました。

ガス代に関わる重要な概念

  • gwei:ETHの10億分の1の単位で、ガス価格の表示に標準的に使われます。
  • MEV(最大抽出可能価値):取引の並び順を入れ替えることで、バリデーターや専門の業者が得る利益です。ガス代の競り合いとも深く関わります(MEVを参照)。
  • ガストークン:ガス代が安いときに「ガスを買いだめ」しておく手法がかつてありましたが、EIP-3529で払い戻しが縮小され、事実上使われなくなりました。
  • メタトランザクション:利用者の代わりに、アプリの運営者などがガス代を支払う仕組みです。
  • アカウント抽象化(ERC-4337):スマートコントラクトのウォレットを使い、ETH以外のトークンでガス代を支払ったり、第三者に肩代わりしてもらったりできるようにする規格です。

ガス代を抑える方法

  • レイヤー2を使う:多くの取引をまとめて処理するロールアップなどのレイヤー2では、手数料が大幅に低くなります。2024年3月13日のDencunアップグレード(EIP-4844)では、レイヤー2がデータを書き込むための「ブロブ」という専用の手数料枠が導入され、レイヤー2のコストが下がりました。
  • 混雑していない時間に送る:急がない取引は、混雑が落ち着いた時間帯に行うと安くなることがあります。
  • 他のチェーンを使う:ソラナなどのレイヤー1は、手数料の仕組みや水準がイーサリアムと異なります。

なお、ガス代が足りないまま送った取引が失敗しても、それまでに使ったガス代は戻らない点に注意が必要です。

よくある質問

4件の質問
ガス代とは簡単に言うと何ですか?

ブロックチェーンで送金やアプリの操作をするときにかかる手数料です。イーサリアムではETHで支払い、処理が複雑なほど高くなります。

gweiとは何ですか?

ガス価格を表す単位で、1 gweiは10億分の1 ETH(0.000000001 ETH)です。

ガス代は誰に支払われますか?

ベース手数料は消却(バーン)され、優先手数料(チップ)は取引をブロックに入れたバリデーターが受け取ります。

取引が失敗してもガス代はかかりますか?

かかります。処理が途中で失敗しても、ネットワークはそこまでの計算を行っているため、使われたガス代は返ってきません。