via NADA NEWS · NADA NEWS編集部著
BitMine、ETH買い増しへ年率9.5%配当の永久優先株で資金調達──含み損は90億ドルに拡大【価格分析】
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ロングが支払い
・ビットマイン(BitMine)は、イーサリアム(ETH)の追加購入とトレジャリー拡大の資金を確保するため、年率9.5%の配当が付く永久優先株式の募集を開始した。
・同社は現在、539万ETHを保有しており、これはETHの流通供給量の4.47%に相当する。
・ETHのファンディングレートは、価格が大きく下落した後も高止まりしており、さらなるロング清算のリスクが高まっている。
ETH含み損が90億ドルに迫るなか、BitMineが資本市場で資金調達へ
BitMine Immersion Technologiesは、ETH価格の下落によって約90億ドルの含み損を抱えるなか、新たな優先株式の発行を通じて追加資金の調達を目指している。
ETHをトレジャリー資産として保有する同社は、シリーズA永久優先株式300万株を発行する計画を発表した。投資家には年率9.50%の配当を提示しており、経営陣は市場の弱含み局面でもETHの積み増し戦略を一段と強める構えだ。
この動きは、ETHが1,820ドル近辺と2月以来の安値水準で取引されるなかで出てきた。ETHは、米国ETFからの強い売り圧力やマクロ要因を背景とした清算に押され、重要な節目だった2,000ドルを割り込んだ。
SECへの提出書類によると、BitMineは1株あたりの額面を100ドルとするシリーズA永久優先株式300万株を発行する予定だ。
この証券には年率9.50%の配当が付与され、同社取締役会の承認を条件に、現金で週次配当が支払われる。
BitMineは、今回の募集で得た資金を幅広い企業目的に充てる可能性があるとしている。用途には、ETHやその他デジタル資産の追加購入、MAVANを通じたステーキングおよびバリデーターインフラの拡大、運転資金の確保、エコシステムへの戦略的投資、普通株式の買い戻しなどが含まれる。
この資金調達の枠組みは、ビットコインをトレジャリー資産として保有するStrategyが過去に用いた資金調達手法に似ている。Strategyは配当付きのSTRC株を通じて外部資金を調達し、既存のBTC保有分を取り崩すことなく資金を確保してきた。
5月25日時点で、BitMineは5,390,404ETHを保有している。2月末時点の447万3,459ETHから増加しており、直近1週間だけでも同社はさらに11万1,942ETHをバランスシートに追加した。
同社はこのほか、203BTC、約4億4,400万ドルの現金、Beast Industriesへの2億ドル相当の出資、Eightco Holdingsの9,500万ドル相当のポジションも保有していると報告した。
BitMineのETH保有量は、ETHの流通供給量1億2,070万枚の約4.47%に相当する。これは、同社が掲げるネットワーク全体の5%を取得するという目標に対し、およそ89%まで到達していることを意味する。
ETHが現在1,820ドル近辺で取引されていることを踏まえると、BitMineのトレジャリーポジションは推定取得原価ベースから約47%下落している。Dropstabのデータによると、同社は現在、保有するETHで約90億ドルの未実現損失を抱えている。
それでもBitMineが新たな資金調達に動いていることは、経営陣が今回の調整局面を、積み増しペースを落とす理由ではなく、長期的な買い場と見ていることを示している。
ETHが1,800ドルのサポートを維持するなか、高止まりするファンディングレートは捕まったロング勢のリスクを示唆
ETHのデリバティブ市場では、下落リスクがなお残っていることを示す警戒シグナルが出ている。CryptoQuantは6月3日、ETHのファンディングレートが直近の調整後も異例の高水準にとどまっていると報告した。ETHは価格下落によって2,000ドルを割り込み、1,800ドル水準に接近したが、ETH先物トレーダーは依然として高いレバレッジを維持している。
「ファンディングレートが高止まりしていることで、特に今後価格が力強く反発できない場合、ロングポジションの清算が起きる可能性が高まる」─CryptoQuant、6月3日
ファンディングレートとは、先物市場でロング側とショート側のトレーダーの間で定期的にやり取りされる支払いを指す。ファンディングレートがプラスの場合、ロング側のトレーダーがポジションを維持するためにショート側へ支払いを行っていることを意味し、通常は強気の賭けが市場で優勢であることを示す。

Coinglassのデータによると、ETHが直近の取引で約10%下落した後も、木曜日時点のファンディングレートは約0.008%のプラス圏にとどまっている。
CryptoQuantのアナリストは、下落相場でファンディングレートが高止まりしている場合、多くのトレーダーがロングポジションに捕まったまま、なおも反発に賭け続けている可能性があると指摘した。価格下落が続けば、そうしたポジションは強制清算に追い込まれ、追加の売り圧力を生む恐れがある。
つまり、BitMineの優先株発行は、レバレッジをかけたトレーダーが強気の先物ポジションを維持しようと苦戦する一方で、同社がETHの積み増しを継続できる体制を整えるものだ。この戦略は短期的にはバランスシート上のETH価格変動リスクを高めるが、ETHが最終的に回復し、長期的な成長軌道に戻れば、リターンを大きく押し上げる可能性がある。
