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【週間】仮想通貨マーケットレポート 5月11日

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CRYPTO TIMES編集部
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校閲者Takeshi Yamamoto
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-筆者:@cryptoyusshi

先週5月5日(火)、BTCは約4か月ぶりに80,000ドルまで回復しました。これは米国市場の現物型ビットコインETFに3日間で約15億ドルの資金流入が見られたタイミングと一致します。規制面でも米国の包括的規制法案であるCLARITY法の修正審議が今週行われることやホワイトハウスのデジタル資産担当大統領諮問委員会事務局長のパトリック・ウィット氏がトランプ政権の戦略的ビットコイン準備金に関する正式発表を数週間以内に行うと表明するなど、米国中心の追い風が働きました。

その後一時80,000ドルを割り込む場面もありましたが、本日5月11日(月)時点でも80,000ドル台を維持しています。

Bitcoin price by TradingView

米株市場も好調で、S&P 500とNASDAQはともに右肩上がりに過去最高値を更新し、両指数とも2024年以来の6週連続上昇となりました。

5月8日発表の米雇用統計は失業率4.3%で横ばい、非農業部門雇用者数+115,000人で予想超え、新規失業保険申請件数20万件で予想下回りと労働市場は底堅く、継続的なAI需要や好決算もあってNVDA・AAPL・AVGO・GOOGLなどテック主要株も堅調でした。中東での米イラン間の争いが一時落ち着き、リスクオン姿勢が強まったことも背景にあります。

今週の注目仮想通貨トピック

先週の仮想通貨分野で注目されたのは以下4つです。

  1. Hyperliquidが予測市場に本格参戦
  2. DTCC・Bullishがトークン化へ本腰
  3. テレグラムのTON本格参入と価格上昇
  4. Google Cloud×ソラナ財団のAIエージェント決済

本稿では今後市場に大きな影響を及ぶ可能性の高いHyperliquidのテーマを深掘りします。

Hyperliquidが予測市場に本格参戦

予測市場の取引ボリュームは、4月単月でPolymarketとKalshiの合計が238億ドル、直近7日でも50億ドルを超える水準まで拡大しています。この拡張局面にPerp DEXの王者であるHyperliquidがHIP-4の公開とともに参入してきました。

HyperliquidはこれまでHIP-1(ネイティブトークンの標準化)、HIP-2(ハイパーリクイディティ)、HIP-3(ビルダーがデプロイした無期限契約)とアップデートを重ねてきました。今回のHIP-4はBedlam ResearchとKalshiの仮想通貨責任者を務めるJohn Wang氏が共同執筆したものです。これにより、ユーザーは現物・先物取引で使う同一のアカウントからHyperliquidが手掛けるステーブルコインUSDHを基軸にしてレバレッジなしで予想トピックにポジションを取れるようになりました。

Hyperliquid上の予測市場

最初に立ち上がったトピック(プラットフォーム上では「Outcome市場」と呼ばれます)は、BTCが事前に定められた価格を期間内に上回るか否かを問うシンプルなものでした。その後、価格レンジを対象としたトピックも追加されています。今後は政治、スポーツ、マクロ経済指標の発表、仮想通貨関連イベント、エンターテイメントへとカテゴリが広がる予定でトピックの追加はビルダーに開放され、1,000,000 HYPEトークンのステークが条件となります。

ただし、現状の規模感はまだ小さく、Hyperliquid予測市場のトピック合計で取引ボリュームは約440万ドル、OI(未決済建玉)は43万ドルにとどまっています。1日で数十億ドル規模を捌くKalshiやPolymarketとの差は依然として大きい状況です。

PolymarketとKalshiの取引ボリューム。数十億ドル規模を維持し増加を続けていることが分かる|画像引用元:token terminal

PolymarketやKalshiの競合となるのか

Bernsteinのアナリストは予測市場全体のボリュームが2025年の510億ドルから2030年までに1兆ドルへ拡大すると見込んでいます。そのなかですでに2強となっているPolymarketとKalshiの牙城にHyperliquidは食い込めるのか、筆者の答えは半分Yes、半分Noです。

Hyperliquidの最大の差別化要素はPerpトレードと予測市場が同一プラットフォーム・同一資金で扱える設計にあります。たとえばBTCのロングを保有しながら、短期的な下落リスクだけを予測市場でヘッジするといった複合戦略が組めるため、大口や機関投資家の参入余地は単一プラットフォームのPolymarketやKalshiとは比較になりません。機関側の動きも先行しており、最大級の仮想通貨プライムブローカーであるFalconXは2月にHyperliquid向けプライムブローカレッジの証拠金取引を開始、Ripple Primeも同月、Hyperliquidを初のDeFiプラットフォームとして自社に組み込んでいます。また、手数料の安さも特徴の一つです。

筆者がもう一つ注目するのは取引体験の差です。Polymarketは急激なユーザーと取引量の増加にプラットフォーム側が追従できず、操作の重さや遅延に対する不満が目立つようになっています。同社DeFiエンジニアリング担当副社長のJosh Stevens氏も価格遅延や注文キャンセル不能といった問題を率直に認めたうえでCLOBオーダーブックのゼロからの再構築、Rust製の永久先物(Perps)開発などの計画を公表しており、先日Polymarketはv2がローンチされました。

This is my 3rd week as VP of Engineering DeFi at @Polymarket , and I’m going to be straight: the traction @Polymarket has seen has massively outpaced our infrastructure, and we haven’t done nearly enough to scale to keep up. I hear you, and fixing this is our entire focus. We’re…

— Josh (@devjoshstevens) April 24, 2026

一方でHyperliquidに弱点がないわけではありません。コンプライアンスを徹底するKalshi、潤沢な資金とパートナーシップで広告を展開できるPolymarketに対しブランド面や規制対応の面では分が悪い。また、2強のプラットフォームではすでにユーザーが身近に感じられるあらゆるジャンルのトピックが豊富に揃っており、Hyperliquidが同じ土俵で追随できるのか、そもそも追随する必要があるのかという点も読みづらいところです。

カテゴリは同じ予測市場でもHyperliquidはクリプトネイティブ寄りに、PolymarketやKalshiはよりマスに広がるという棲み分けが進む可能性もあり、純粋な競合関係にはならないのかもしれません。

国内における予測市場の現状

本レポートは日本ユーザー向けのため、国内の状況にも触れておきます。先日、ある日本のKOLアカウントがPolymarket Japanアカウントへと移行しました。

ご報告です!

この度正式にPolymarketにジョインしました。
Polymarketは世界最大の予測市場プラットフォームで、政治・経済・スポーツなど、あらゆる出来事の「確率」をリアルタイムで見ることができます。

日本ではBetting機能なし・View Onlyとして日本に準拠した形で展開します🇯🇵…

— Polymarket Japan (@polymarketjp) April 29, 2026

また、国内政治の側でも動きがありました。

4月21日、国会で国民民主党議員が予測市場に関する質問を行い、世論調査より精度の高い数値が得られる可能性、従来の胴元が存在するギャンブルと構造が異なる点、取引履歴が公開され不正操作の余地が限定される点を踏まえ、単なる賭博としてではなく、経済予測・災害ヘッジ・価格発見市場としての活用可能性を問いました。代表の玉木雄一郎氏も「国民民主党は投資家保護を図りながら予測市場のメリットやその公益性を活かせるよう適切なルールづくりに取り組みます」とコメントしています。

我が党の原田ひでかず参議院議員が、初めて「予測市場」(Prediction Markets)を国会(参議院財務金融委員会)で取り上げました。… https://t.co/zUY6AU4gwX

— 玉木雄一郎(国民民主党) (@tamakiyuichiro) April 21, 2026

ただ、Polymarketのような予測市場に対する日本側のルール整備は事実上ゼロで違法性の有無すらはっきりしません。国内発信者の多くは明確な指針が出るまで*発信を控えている状況が続いています。*筆者主観

海外の対応も分かれており国によってはPolymarketなどを明確に禁止するケースがあるほか、先日は日本からの取引も禁止(アクセス自体は可能)されています。米国は議論が(ある意味で)進んでいる国の一つでアリゾナ・コネチカット・イリノイ・ニューヨーク・マサチューセッツなど複数州がKalshi・Polymarket・Coinbase/Gemini(予測市場機能を提供)などを州ギャンブル法違反として提訴。これに対しCFTCが州側を逆提訴し「イベント契約は連邦規制下のデリバティブで州ギャンブル法の適用外である」と主張しており、CFTC管轄か州管轄かをめぐる正面衝突に発展しています。

ニュージャージー州対Kalshiの訴訟では第三巡回区控訴裁判所がKalshi支持の判決を下しており、プラットフォーム側の勝ち筋も見え始めました。

集合知としての予測市場

予測市場を集合知の表現とみる議論も広がっていますがロンドン・ビジネス・スクールとイェール大学による直近の論文はこれに冷や水を浴びせる内容です。

Polymarketのオンチェーンデータを分析したところ、実際に価格変動を起こし大きな利益を生んだアドレスは全体の4%未満にとどまり、残り約97%は「ゲームに参加しているだけ」、67%以上は損失を出していることが判明しました。集合知になりうるという主張は現段階ではナラティブを支えるためのこじつけと言えるのかもしれません。ただし、ユーザー属性の内訳、参加資金量、損益の経路までを織り込んだデータがなければ最終収支だけで断ずるのも難しいところです。

高市政権誕生時のPolymarket市場では国内の有識者の見立てとは大きく異なる方向にオッズが傾いていた経緯もあり、結局のところ「適切なユーザーが一定数・一定の資金量で参加すること」が前提条件として効いてくる構図です。

別の懸念として、国家間レベルに波及しうる内部情報を握る人物のインサイダー取引を規律するルールが整わなければ、危険なプラットフォームになり得る側面もあります。実際に米国では軍人が軍事行動の作戦を事前に知ったうえでポジションを取り、提訴された事例も発生しています。

関連:米上院、議員による仮想通貨の予測市場取引を禁止

今後の動向

証券のトークン化やAIエージェントによる決済など、純粋にクリプトネイティブと呼べるナラティブが薄れていくなかで予測市場もまたネイティブなテーマとは言いがたい立ち位置にあります。それでも、あらゆる事象を金融市場に変換しうるポテンシャルという意味では依然として大きな余地が残っている領域です。

Polymarketはすでにトークン発行を示唆しており、2026年6月11日から7月19日にかけてFIFAワールドカップ2026という世界最大級のスポーツイベントが控えていることから、これに合わせてトークンがまもなくローンチされる可能性もあります。

実際にトークンが発行されれば従来の賭けのマーケットとは異なる次世代のプラットフォームへと組み替わる可能性があり、引き続き動向に注目が集まります。


  • https://farside.co.uk/btc/
  • https://tokenterminal.com/explorer/markets/prediction-markets
  • https://hip4.defilytica.com/
  • https://hyperliquid.gitbook.io/hyperliquid-docs
  • https://www.bullish.com/us/news-insights/bullish-to-acquire-equiniti-from-siris-in-4-2-billion-transaction-creating-the-global-transfer-agent-for-tokenized-securities
  • https://www.dtcc.com/news/2026/may/04/dtcc-advances-development-of-new-tokenization-service
  • https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=6617059

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