via CoinPost · CoinPost編集部著
SBIネオメディアサミット開催、「感情経済圏」とメディア融合戦略が明らかに
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この記事のポイント
- 北尾会長が「感情経済圏」構想を提唱
- スーパーアプリ「SBI金融エージェント」にメディア機能を統合、来春提供開始へ
SBIホールディングスは19日、「SBIネオメディアホールディングスサミット2026」を開催した。
報道陣が参加した第一部では、北尾吉孝代表取締役会長兼社長とSBIネオメディアホールディングスの深澤裕代表取締役社長が登壇し、「SBIネオメディア生態系の戦略構想〜SBIグループが目指す感情経済圏の構築〜」と題した基調講演を行った。
北尾氏はまず、事業構想の原点として二つの体験を挙げた。
一つは、2026年5月2日に開催されたばかりで記憶に新しいボクシング世界統一スーパーバンタム級タイトルマッチ「THE DAY」へのメインスポンサーとしての協賛だ。
55,000人もの観客が集まった会場の東京ドームで、「今でも脳裏に焼きついている」と表現した井上尚弥の神業に触れ、会場内をSBIのロゴが埋め尽くす光景とともに、エンタメ業界でのブランド効果を強烈に実感したという。
もう一つはBLACKPINKによる東京ドーム3日間連続公演で、扉越しに聞こえる歓声が「消費行動・経済行動にここまで影響するのか」という確信に変わったと述べた。
「経済学の教科書では、経済人は常に合理的判断をするという前提で語られてきた。しかし実際の経済行動は共感や熱狂といった感情や直感によって動いている」と北尾氏。行動経済学の知見を事業に昇華させる必要性をかねてから感じていたとし、フジメディアホールディングスの問題が直接のきっかけとなってメディア事業への本格参入を決断したと明かした。「スポンサーシップや広告出稿だけでは感情に訴えられない。自ら生態系を作らなければならない」と語った。
ライブドア参画とCoinPostの位置づけ
今回新たにグループ参画が発表されたのがライブドアだ。月間約12億ページビュー、月間1億ユーザー、SNSフォロワー2,600万人超を持つ国内最大級のメディア集団と位置づけ、「多くの接触点を持つ存在が欠けていた」というミッシングピースを埋める核心的な役割を担う。北尾氏はライブドア創業者との過去の対談に触れながら、「縁のある会社でもある」と述べた。
CoinPostについては、共感・信頼・熱狂といった感情を可視化・拡散するメディアとして位置づけ、AIを活用したオリジナルコンテンツの自動生成をさらに強化していく方針を示した。また、CoinPost Terminalをリーガルコンフィデントな情報収集・要約・発信のプラットフォームとして紹介。ブランジスタとともに生態系を構成する主要メディアとして言及した。グループ全23社のうち14社は持分法適用会社で、売上単純合計は約3,000億円、取り込みベースの利益は80億円に達しているという。
AIとWeb3で「感情経済圏」を支える
北尾氏はメディアの在り方そのものについても踏み込んだ。ペンタゴン付近での爆発をめぐるフェイクニュースでダウ平均が180ドル下落した事例や、SNS投稿をきっかけにゲームストップ株が数十倍に暴騰した事例を挙げ、「正確かつ有益な情報を選別し、顧客の購買・投資行動に結びつける信用のプラットフォームにならなければならない」と述べた。AIキャスターによるリアルタイム解説・ファクトチェック、AI編集長によるニュースのパーソナライズ化を軸に、旧来型メディアの一方向発信から脱却する構想だ。
ブロックチェーンの活用では、コンテンツへの直接投資と収益のクリエイターへの直接還元を実現する仕組みを目指すと説明した。「今はメガプラットフォームが儲かる構造になっている。監督や俳優、原作者が必ずしも報われない」と問題提起し、トークン化によって公平な配分を実現したいとした。ODXが2023年12月25日に開業させたトークンの二次流通市場もその一環として紹介された。
決済インフラとして重視するのがステーブルコインだ。銀行送金に比べてコストと時間がかかる課題を解消する手段として、スターテル社と共同で信託型の円建てステーブルコイン「JPYSC」を6月末に発行すると発表した。従来の100万円上限制約を信託スキームで撤廃し、機関投資家や大口個人投資家も活用できる水準に引き上げる。10年来のパートナーで株式の約10%を保有するRipple社との連携も改めて強調した。
スーパーアプリ「SBI金融エージェント」へのメディア機能統合も発表した。来春の提供開始を目標とし、金融データと生活データをAIで組み合わせながら顧客理解を深化させる狙いだ。マーケティングコストは年間250億円超に上るといい、これをグループ内で一元管理し効率化を図る。東急不動産からは第一号案件として50億円の出資を受けたことも明らかにされた。
エンタメ領域では、2026年8月16日に愛媛県武道館でSBI証券協賛の「東京ガールズコレクション」を開催するほか、5月30日に千葉・稲毛海浜公園でドローンショーと融合させた花火「SBI前花火」を実施する予定。SBI証券の口座数が1,600万口座を突破した現状を踏まえ、「ゼロ革命」を掲げる証券口座の開設促進も福岡・岩手・宮城・静岡でのローカライズ施策として展開していく。北尾氏は「エンタメを起点に習慣化・信頼構築を図り、これまで接触が難しかったZ世代を取り込む」と語り、「未来はいつもSBIから」というグランドコンセプトを改めて強調して講演を締めくくった。
SBIネオメディアHDとは
SBIネオメディアホールディングスは、日本最大級の金融コングロマリットであるSBIグループのメディア・エンタテインメント・マーケティング事業を統括するために設立された新会社。メディア・広告・タレントエージェンシー・IP・コンテンツ制作の5領域を事業の柱に据え、デジタルメディアプラットフォームの運営からインフルエンサーマーケティング、eSports・VTuberマネジメント、映像制作まで幅広く手がける。
SBIグループが持つ国内最高峰の金融データと日本最大級の顧客基盤、さらに銀行・証券・保険・資産運用から仮想通貨までを横断するサービス群を、メディアやIP・コンテンツと掛け合わせることで、「発掘」「拡散」「投融資」を循環させる「グローバルネオメディア生態系」の構築を目指している。26か国・地域に及ぶSBIグループの海外事業体とも連携し、日本のエンタテインメントの世界展開も推進する方針だ。
資金面では、有力IP・メディア・先端技術への投資を目的とした1,000億円規模のコンテンツファンドを新設するほか、アライアンスパートナーとの提携を通じて金融機能・ビッグデータ・グローバル展開支援・コンテンツを統合していく。またSBIグループが推進する第4のメガバンク構想とも連動し、地域の金融機関やメディア、地方公共団体、地元企業と共創しながら地域創生にも貢献するとしている。
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