via NADA NEWS · NADA NEWS編集部著
Zcash、30日間の上昇率が120%突破──Multicoin Capitalの支持表明で買い加速【価格分析】
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・Multicoin CapitalはZcash(ZEC)の大規模なポジションを開示し、カリフォルニア州で提案されている超富裕層向け富裕税案が、プライバシー性の高いデジタル資産への需要を押し上げる要因になると指摘した。
・Zcashは水曜日にさらに9%上昇した。デリバティブ主導のショートスクイーズにより、弱気ポジションの清算額は1700万ドルを超えた。
・トレーダーが検閲耐性を持つ資産へ資金を移す中、プライバシーコインセクター全体の時価総額は日中で16%近く上昇した。
MulticoinがZcash支持を表明、カリフォルニア州の超富裕層向け富裕税案に反発広がる
プライバシー重視の暗号資産Zcashは水曜日、さらに9%上昇し、555ドルで取引を終えた。Multicoin Capitalが2月以降、Zcashの大規模なポジションを構築してきたことを公に認めたことで、直近30日間の上昇率は120%に達した。
上昇に拍車をかけたのは、Multicoinの共同創業者兼マネージングパートナーであるTushar Jain氏の強気な発言だ。同氏は今回の投資を、カリフォルニア州で提案されている億万長者向け富裕税案への直接的な対応と位置づけた。
「ビットコインには検閲耐性があり、誰もあなたのBTCを凍結したり、利用を止めたりすることはできない。しかし、それでも国家が富裕税を通じて、把握済みの保有資産を差し押さえることまでは止められない。
真にプライバシー性が高く、検閲や差し押さえに耐性のある資産には明確なプロダクトマーケットフィットがあり、需要は加速していると考えている。公開市場でこの投資テーマを最も直接的に反映できる手段は、ZEC、つまりZcashだと考えている」─Tushar Jain、2026年5月5日

火曜日、Multicoin Capitalの共同創業者兼マネージングパートナーであるTushar Jain氏は、同社が2月以降にZcashの大規模なポジションを構築してきたと明らかにした。同氏はこの投資について、暗号資産業界を本来形づくったサイファーパンクの原則への回帰だと説明した。
Jain氏はこの動きを、米国で州レベルの富裕税政策をめぐる懸念が高まっていること、とりわけカリフォルニア州で提案されている2026年Billionaire Tax Actに直接結びつけた。同氏は、富の差し押さえにつながる措置への政治的支持が強まれば、機関投資家と富裕層の双方で、プライバシー性が高く、検閲耐性のあるデジタル資産への需要が加速する可能性があると主張した。
Jain氏によると、ビットコインは取引の検閲には強い一方で、公に特定可能な保有資産は、富裕税の枠組みが拡大する中で、直接課税や資産を標的にした措置の対象になり得る。
インド生まれの同幹部は、特にカリフォルニア州における州レベルの金融監視や、差し迫る資産没収リスクに対するより有効なヘッジ手段として、Zcashを支持した。
同社は、この投資テーマを公開市場で表現する手段として、Zcashを最も有力な選択肢に位置づけた。検閲と金融資産の差し押さえの双方に耐性を持つよう設計された資産への需要が高まっていることを理由に挙げている。
この発言は、カリフォルニア州でOne-Time Wealth Taxと呼ばれる一回限りの富裕税案をめぐる動きが進む中で出たものだ。この案は、2026年1月1日時点で純資産が10億ドルを超える個人および信託を対象とする。対象資産には株式、事業持分、収集品、知的財産、暗号資産が含まれ、該当資産に対して一回限りで5%の課税を行う内容だ。
この案を支持する側は、州内の医療や社会支援プログラムの財源になると主張している。支持を主導しているのは、カリフォルニア州を拠点とし、12万人超の医療従事者を抱える労働組合Service Employees International Union-United Healthcare Workers West(SEIU-UHW)だ。
Billionaire Tax Actの推進団体は、2026年11月の投票にこの構想をかけるために必要な署名数のほぼ2倍にあたる、約160万筆の署名を集めたと報じられている。
一方で批判派は、この提案を富の没収の一形態だと位置づけている。著名な反対派には、David Sacks氏、Bill Ackman氏、Chamath Palihapitiya氏、Palmer Luckey氏らが含まれるとされる。
Multicoin Capitalは2025年12月の提出資料時点で、総額約59億ドルの資産を運用していた。今回の開示は、近年のプライバシーコインセクターにとって、最も影響力のある機関投資家による支持表明の一つとなった。
1700万ドルのショートスクイーズがZECの上放れを後押し、上昇はプライバシーコイン全体に波及
ZEC価格が水曜日に555ドルを突破した後、Zcashの時価総額は木曜日に93億ドルに達した。Jain氏によるZEC支持の投稿をきっかけにショートスクイーズが発生し、時価総額で最大のプライバシーコインに弱気で賭けていたトレーダーは、ポジションの解消を迫られた。
Coinglassの清算データによると、ZECでは過去24時間で約2300万ドルの清算が発生した。このうち約1730万ドルはショートポジションによるもので、ロングポジションの清算額は600万ドル強だった。

注目すべきは、ZECのショート勢の清算規模が、この日の主要な清算対象としてBTCとETHに次ぐ水準に達した点だ。BTCとETHでは、それぞれ1億5400万ドル、8900万ドルの清算が発生した。
今回の上昇により、ZECの7日間の上昇率は70%を超え、月間では120%に達した。この勢いは、先週のRobinhood上場をきっかけに加速し始めた流れをさらに押し広げた形だ。

上昇はすぐに、より広いプライバシーコインのエコシステムにも波及した。Coingeckoのデータによると、プライバシーコイン全体の時価総額は176億ドルに急増し、日中で15.8%上昇した。24時間取引高も15億1000万ドルを上回った。
上昇率が大きかった銘柄では、Firoが13.9%上昇したほか、小型プロジェクトのNockchainは320%の急騰を記録した。セクター全体で投機的な勢いが強まった格好だ。

オンチェーン分析プラットフォームのSantimentは、水曜日にZECをめぐるソーシャル上の活動が異例の高水準に達したと報告した。同社のソーシャルドミナンス指標は、上位50の暗号資産プロジェクトに関するオンライン上の議論のうち、特定銘柄が占める割合を追跡するものだ。この指標上、Zcashは上昇局面でソーシャルプラットフォーム上で最も多く語られた暗号資産の一つとなった。
一方で、Clarity ACTをめぐる材料は今週やや落ち着いた。Polymarketの予測市場では、同法が年内に承認される確率は65%となっており、週前半の72%から低下している。

多くのトレーダーは現在、ステーブルコイン規制やKYC要件が厳格なまま推移し、さらに米国が進行中の戦争に関与することで金融取引の監視リスクが高まれば、分散型のプライバシー保護ネットワークに対する需要を押し上げる要因が重なる可能性があると見ている。
同時に、プライバシーコインセグメントの時価総額が比較的小さいことも、上値余地の大きい銘柄を探すモメンタムトレーダーにとって魅力となっている。BTCが戦争に起因するマクロリスクの圧力を受けて株式市場に出遅れる中で、資金の一部がプライバシーコインへ向かっている。
