ブロックチェーン業界団体がクラリティ法案可決を要請、Galaxyは機関投資家向け予測市場OTC始動
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暗号資産ニュース
米暗号資産業界団体ブロックチェーン・アソシエーションは、米上院多数党院内総務John Thune氏および民主党院内総務Charles Schumer氏に宛て、Clarity Act(クラリティ法案)の早期可決を求める書簡を提出した。書簡には元国家安全保障・情報機関・法執行当局者160人が署名し、デジタル資産市場構造の整備は法執行と国家安全保障の優先課題だと主張した。明確な連邦規制枠組みがなければ、暗号資産活動は不透明な海外市場へ流出し、米当局の捜査能力が低下すると警告。同法案は先月、上院銀行委員会を通過し、現在は本会議採決を待つ段階にある。ブロックチェーン業界の制度整備が、米国の規制リーダーシップを左右する局面に入った。

Galaxy Digitalは、機関投資家向け店頭(OTC)予測市場取引サービスの提供を開始した。ヘッジファンド、ファミリーオフィス、その他大口投資家を対象とし、個人向けインターフェイスでは扱いにくい規模と裁量性でイベント連動契約へアクセスできる設計だ。サービスはGlobal Marketsトレーディングデスク経由で提供され、KalshiとPolymarketで取引されるスポーツ以外の経済・政治・地政学的イベントが対象となる。サービス開始に合わせ、暗号資産系ヘッジファンドArcaとの間で1,000万ドル規模の取引を執行。対象はクラリティ法案の成立可否に連動する契約で、Kalshi上で実施された。機関投資家向けインフラの整備が、イベント駆動型市場の新たな成長フェーズを後押ししている。
欧州ではMiCA(暗号資産市場規制)の7月1日施行期限を前に、市場の急速な収縮が進んでいる。2024年時点で約2,747件存在したVASP(仮想資産サービス提供者)登録は、認可済みCASP(暗号資産サービス提供者)ベースで約210社まで絞り込まれた。これは旧体制の約7〜8%に相当する。エストニアでは2021年6月時点で641社あったライセンスが2025年2月には40社へ激減し、フランスでも未認可事業者の30%が申請意思を示していないとされる。ガバナンス、健全性資本、サイバーセキュリティ、顧客保護といった要件の固定コストが中小事業者の参入障壁となり、欧州DeFi関連プレーヤーの再編が加速している。
Move系ブロックチェーンMovementは、米国・カナダ・EUにおける認可済み決済レールへのアクセスを獲得したと発表した。ステーブルコイン決済、送金、決済インフラへの事業拡大を視野に入れ、伝統的銀行システムとオンチェーン決済ネットワークを接続する計画だ。新興市場における国境を越えた送金とトレジャリーサービスを主戦場とし、暗号資産ネイティブ転送よりもステーブルコイン主体の決済を志向する。同社は決済インフラ強化に伴い、投資家割当分の約19%(総供給量の約4.2%相当)のトークンバイバックも実施。MOVEトークンの時価総額はピーク時の約25億ドルから現在約5,400万ドルまで縮小しており、事業ピボットの成否が問われる。

米上院議員Bernie SandersおよびElizabeth Warrenは、労働省に対し、401(k)退職年金プランへ暗号資産を含む代替資産を組み入れる規則案の撤回を要請した。書簡は労働長官代行Keith Sonderling氏宛てに6月1日付で送付され、下院教育・労働委員会の民主党筆頭委員Robert Scott氏も連名で参加。提案規則はオルタナティブ投資を提供する受託者にセーフハーバーを設けるもので、議員らは退職者の保護を後退させ、高リスク・高コストの投資へ誘導すると批判した。暗号資産の価格変動や、2025年に110億ドル超に達した暗号資産関連詐欺被害も論拠として示され、政策決定における利益相反問題も提起された。ビットコインを含む退職資金組み入れ議論は、政治対立の前面に再浮上した形だ。
機関投資家アクセス分野では、規制対応済み投資商品の存在感が一段と高まっている。スポット型ETFの分野ではBlackRockのIBITが2026年5月初時点で約670億ドルの運用残高に達し、機関投資家のビットコインエクスポージャーの基準として定着。BitwiseのBSOLは2025年10月のNYSE上場後、米国スポットSolana ETFの累積流入額の80%超を獲得した。Fidelityはスポットアルトコイン含むETFラインアップを拡充し、Franklin Templetonのトークン化マネー・マーケット・ファンドBENJIは2026年4月時点で約19億8,000万ドルの運用残高、8つ以上のパブリックチェーンへ展開された。トークン化資産とETFの並走が、機関投資家による過去最高値更新シーズンを準備している。
本日の主要ニュースは、規制整備、機関投資家インフラ、決済ユースケース、退職資金組み入れ、欧州ライセンス再編という多面的なテーマが同時並行で進行していることを示す。米国ではクラリティ法案の本会議採決と労働省規則案の攻防が、暗号資産の制度的位置付けを巡る政治的緊張を映し出している。同時に、Galaxyの予測市場OTC参入やETF・トークン化ファンドの規模拡大は、機関投資家による市場深化の不可逆性を裏付ける。欧州MiCAは市場の整理統合を加速させ、Movementのような決済特化型の事業再編も進行中だ。今サイクルの支配的ナラティブは、規制明確化と機関投資家インフラ整備の同時進行による、暗号資産市場の制度化深化である。