FBI 12万7,000BTC押収で米史上最高額、CLARITY法案巡り業界団体と銀行対立、Base Azul稼働

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暗号資産ニュース

米仮想通貨業界団体ザ・デジタル・チェンバー(TDC)は5月28日、暗号資産の市場構造を定める「CLARITY法案」の上院通過を後押しする特設サイトを公開した。サイト上には上院議員への賛成投票要請フォームや法案要点資料が用意され、有権者が自らの選挙区議員に意見を届けやすい設計となっている。同法案は2025年7月に下院を294対134で通過したのち、5月14日に上院銀行委員会で可決され、現在は本会議採決を控えている。成立には60票の確保が必要で、消費者保護、金融包摂、そしてDeFi(分散型金融)を含む技術革新の3本柱を掲げた支持運動が展開されている。

米連邦捜査局(FBI)は28日、アジアや中東を拠点とする詐欺ネットワークの一斉摘発「Operation Blackout」において、12万7,000BTC超(約80億ドル/1.2兆円相当)を押収したと公表した。米政府史上最高額の没収額となり、カンボジア大手プリンス・ホールディング・グループのCEO逮捕時に確保された分が中核を占める。作戦には少なくとも4つの独立捜査が含まれ、ドバイで275人、ミャンマー拠点では3,000万ドル相当の暗号資産が押収された。約2,000人の人身売買被害者が保護され、被害者通知作戦では5億6,200万ドル超の追加被害を未然に防いだとされている。

FBIがアジア・中東の詐欺拠点から12万7,000BTC超を押収

コインベース支援のイーサリアムL2「Base」のチームは29日、メインネットアップグレード「Base Azul」を稼働させたと発表した。今年2月に開発フレームワークを「OP Stack」から独自スタックへ移行して以来、初のネットワークアップグレードとなる。Azulは信頼実行環境(TEE)とゼロ知識証明を単一システム上で組み合わせ、安全性と分散性を両立させた点が特徴で、出金速度や資本効率の改善もユーザーに還元される。ブロックチェーン処理能力は1秒あたり10億ガスを目標に最適化が継続中で、6月末にパフォーマンス特化、8月末にユーザー体験特化のアップグレードが予定されている。

コインベース・ファイナンシャル・マーケッツは、米機関投資家向けに世界の暗号資産オプション・無期限先物市場へのアクセス提供を開始した。CFTC(商品先物取引委員会)規制下の先物取扱業者として、グループ傘下デリビットの流動性に接続する仕組みで、米国規制枠内でこの種のサービスを提供するのは同社が初となる。デリビットはオプション建玉で世界最大規模を誇り、5月27日時点で約310億ドルのビットコインオプション未決済建玉を抱える。機関顧客のオンボーディングは即時開始され、リテール向けは後続する。米SECとCFTCは2025年9月に無期限契約の国内移管検討を表明していた経緯がある。

米機関投資家向け規制下デリバティブ市場の拡大

CFTCは、バイデン政権下の2025年1月に成立した暗号資産取引所ジェミナイとの500万ドル和解判決の撤回を求めて連邦地裁に申立てを行い、規制当局関係者の間で異例の措置として波紋が広がっている。CFTCは前指導部下で証拠隠蔽が行われ、内部告発者の信用性も欠いていたとの理由を挙げた。和解は2022年提訴のビットコイン先物事前認証審査を巡る案件で、過去にこうした逆転措置が取られた前例は確認されていない。ジェミナイ共同創業者のウィンクルボス兄弟がそれぞれ2024年大統領選で100万ドルずつをトランプ陣営に献金していた経緯も、政治的背景として注目を集めている。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは29日、CLARITY法案の現行案に強く反対する姿勢を示した。ダイモン氏は、同法案が暗号資産企業に対し預金やステーブルコインを通じた実質的な利息支払いを許容しながら、銀行と同等の規制を課していない点を批判した。マネーロンダリング防止(AML)や銀行秘密法(BSA)への対応も不十分だとして、JPモルガンや他行は現行案を受け入れない方針を明言。コインベースのブライアン・アームストロングCEOが法案成立に多額の資金を投じていると名指しで非難する場面もあり、銀行とアルトコインを含むデジタル資産業界の利害対立は、上院本会議審議の最大の焦点として浮上している。

今週の暗号資産情勢は、米規制枠組みの再定義を巡る攻防が中心軸として浮かび上がる。CLARITY法案の上院通過を急ぐ業界団体に対し、ジェミナイ和解撤回という前例破りや、JPモルガンによる現行案否認が交錯し、規制制度の方向性が揺れている。一方でFBIによる史上最高額の押収はオフショア犯罪マネー対策の本格化を示し、コインベース傘下デリビットの国内導入やBaseのインフラ刷新は、規制内で機関流動性と技術基盤を整える動きと位置付けられる。法整備の停滞期に、市場と当局は別々のレイヤーで次世代の制度設計を並走させている。

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Yuki Tanaka

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