用語集指標
恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index)とは?
暗号資産の恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index)とは、市場データとSNSなどの情報を組み合わせ、ビットコインを中心とする投資家心理を0(極度の恐怖)から100(極度の強欲)で毎日数値化した指標です。相場の雰囲気がどちらに偏っているかを一目で把握するために使われます。
執筆: COINOTAG Research Desk最終更新 出典
基本情報
- 開発者
- Alternative.me(他の事業者が算出する別バージョンもある)
- 公式サイト
- alternative.me
クリプト恐怖・強欲指数(Crypto Fear and Greed Index)は、暗号資産市場における投資家心理を0から100の単一スコアに圧縮した感情系指標です。0が「極度の恐怖(Extreme Fear)」、100が「極度の強欲(Extreme Greed)」を意味し、Bitcoinを中心とした市場が今どのような感情状態にあるかを毎日1回更新します。この指数の核心は逆張り的思考にあります。市場全体がパニックに陥っているとき(低スコア)は割安な買い場を示唆し、全員が熱狂しているとき(高スコア)は過熱による調整リスクを警告します。単独のシグナルとしてではなく、感情フィルターとして他の分析と組み合わせて使うのが基本です。
恐怖・強欲指数のライブ表示画面キャプチャ。赤(恐怖)から緑(強欲)に変化する0〜100の円形ゲージと現在値の針を示す
計算方法:6つの入力値と重み付け
指数は6種類のデータソースを加重平均して算出されます。それぞれ0〜100に正規化されたうえで以下の比率で合算されます。
| 入力データ | 重み | 計測内容 |
|---|---|---|
| ボラティリティ(Volatility) | 25% | 直近30日・90日平均との比較による価格変動幅と最大下落率 |
| 市場勢い・出来高(Momentum/Volume) | 25% | 最近の平均値に対する買い圧力と方向性 |
| SNS(Social Media) | 15% | Bitcoinキーワードに関するエンゲージメント率とリアクション速度 |
| サーベイ(Surveys) | 15% | 定期的な感情アンケート(現在は一時停止中が多い) |
| Bitcoin優勢度(BTC Dominance) | 10% | 暗号資産全体の時価総額に占めるBTCの割合 |
| Googleトレンド(Google Trends) | 10% | Bitcoin関連検索ボリュームの推移 |
Bitcoin優勢度の読み方は少し独特です。BTCドミナンスが上昇しているときは「恐怖」のシグナルで、投資家がリスク資産のアルトコインから比較的安全なBTCへ逃避していることを示します。逆にドミナンスが低下しているときは「強欲」のサインで、資本がハイリターンを求めてアルトコインに流入していることを意味します。
5段階スコアバンドの意味
スコアは5つのゾーンに分類され、それぞれ異なる市場解釈を持ちます。
| スコア範囲 | ラベル | 市場の解釈 |
|---|---|---|
| 0〜24 | 極度の恐怖(Extreme Fear) | 投げ売り・パニック。逆張り的な割安圏の可能性 |
| 25〜44 | 恐怖(Fear) | 慎重・リスク回避。様子見が多い |
| 45〜55 | 中立(Neutral) | 方向感なし。大きなシグナルなし |
| 56〜74 | 強欲(Greed) | 楽観ムード。モメンタムドリブンの買いが続く |
| 75〜100 | 極度の強欲(Extreme Greed) | 過熱・陶酔。調整リスクが高まる |
0〜100の横長カラーバーチャート。各スコア範囲に「極度の恐怖」〜「極度の強欲」のラベルと色分けを示す
数値計算の具体例
実際にどのようにスコアが算出されるかを、架空の数値で追ってみましょう。
ある日、各入力データのスコアが下表の値だったとします:
| 入力 | スコア(0〜100) | 重み | 加重スコア |
|---|---|---|---|
| ボラティリティ | 28 | 0.25 | 7.0 |
| 市場勢い・出来高 | 18 | 0.25 | 4.5 |
| SNS | 42 | 0.15 | 6.3 |
| サーベイ | 50 | 0.15 | 7.5 |
| BTC優勢度 | 38 | 0.10 | 3.8 |
| Googleトレンド | 22 | 0.10 | 2.2 |
| 合計 | — | 1.00 | 31.3 |
スコア31は「恐怖」バンドに入ります。この状況は、ボラティリティが高く出来高の勢いも弱いことを示しており、群衆が悲観的になっていることを反映しています。逆張り投資家にとっては「リサーチ開始のサイン」として捉えられますが、「即買い」のトリガーではありません。
実践的な使い方:5つのルール
この指数を正しく活用するために、以下のアプローチが効果的です。
- 数字ではなくバンドを見る — 28と32の差はノイズです。「恐怖」と「強欲」の差がシグナルです。
- 極端なスコアに注目する — スコア20未満・80超が継続しているとき、逆張りの機会やリスク警告が集中します。
- トレンドで判断する — 1週間でスコアが15→45に上昇していれば、1回の中立読みより多くの情報を持っています。
- 他の指標で確認する — RSI・サポート・レジスタンス・オンチェーンデータと組み合わせてから行動を判断してください。
- 事前にプランを立てる — 極端なスコアは、感情を刺激するのではなく、すでに立てたプランを「確認」するために使います。
過去12ヶ月のBTC価格と恐怖・強欲指数の折れ線グラフを重ね合わせた画像。恐怖ゾーンが価格底値付近と一致していることを示す
リスクと落とし穴
便利な指標ですが、過度に依存すると特有の罠にはまります。
予測力はない — この指数は現在と過去のデータを集計したものです。強い強気相場(ブルマーケット)では「極度の強欲」が数週間続くこともあり、弱気相場(ベアマーケット)では「極度の恐怖」が月単位で続くこともあります。
過剰売買を誘発する — スコアの変動に毎回反応していると、手数料と税務上の課税イベントが積み重なり、長期保有のパフォーマンスを下回ります。
Bitcoin中心の指標 — スコアのほとんどはBTCのデータで構成されています。特定のアルトコインやDeFiセクターの感情は別の動きをすることがあり、この指数では捉えきれません。
構成データの品質が不均一 — サーベイ項目は定期的に一時停止されることがあり、「同じスコア40」でも実際の構成は異なる場合があります。
群衆心理は長続きすることがある — 「恐怖で買う」戦略は理論上合理的ですが、相場が「理論より長く非合理的」に推移することもあります。FOMO(乗り遅れ恐怖)やFUD(根拠なき不安)を自覚したとしても、それだけで市場は動きません。
COINOTAGの視点
COINOTAGでは、恐怖・強欲指数を「水晶玉」ではなく感情規律のツールとして位置づけています。この指数の本当の価値は、タイムラインがユーフォリアで埋め尽くされているとき、自分だけでなく全員が同じ感情にいることを客観的に示してくれることにあります。群衆が強欲なとき、こそリスク管理が最も重要です。
最も一貫した成果を上げているユーザーは、この指数を売買シグナルとして使うのではなく、ポジションサイズの調整基準として活用しています。「今の自分の判断はFOMOかFUDに引きずられていないか」という問いを立てるための鏡として機能させるのです。書かれた取引プランと客観的な指標を組み合わせることで、感情ではなく確率に基づいた意思決定に近づきます。これが長期的な優位性が生まれる場所です。
感情管理と取引戦略のさらなる理解には、暗号資産トレーディング心理学ガイドとテクニカル分析入門も参考にしてください。感情的な投資判断の落とし穴をより深く理解したい方には感情的トラップを避ける投資ガイドも役立ちます。
よくある質問
恐怖・強欲指数とは簡単に言うと何ですか?
暗号資産市場の投資家心理を0から100の数字で表した指標です。0に近いほど「恐怖」、100に近いほど「強欲」が強い状態を示します。
恐怖・強欲指数はどうやって計算されていますか?
Alternative.me版では、ボラティリティ(25%)、市場の勢いと出来高(25%)、SNS(15%)、アンケート(15%、2026年9月時点で一時停止中)、ビットコインのドミナンス(10%)、Googleトレンド(10%)を組み合わせて毎日算出しています。
極度の恐怖は買い時という意味ですか?
そうとは限りません。極度の恐怖は市場が悲観に傾いていることを示すだけで、その後さらに下落することもあります。売買の判断は指数だけに頼らず、自分で調べたうえで行う必要があります。
恐怖・強欲指数はどのくらいの頻度で更新されますか?
Alternative.me版は1日1回更新されます。24時間動く暗号資産市場では、急な値動きがスコアに反映されるまでに時間差がある点に注意が必要です。
アルトコインにも恐怖・強欲指数は使えますか?
主にビットコインのデータで計算されているため、個別のアルトコインの状況とはずれることがあります。市場全体の雰囲気をつかむ参考として使うのが一般的です。

