防衛介入15.4兆円の効果が薄れ、Bitcoin(BTC)の巻き戻しリスクが浮上
日本は15.4兆円を円防衛に投じたが、円は1ドル160.16円まで下落。金利差とキャリートレード巻き戻しリスクがBitcoin(BTC)を圧迫する一方、Metaplanetは強気を維持する。
AI要約AI
- 財務省が7月30日〜8月26日に約15.4兆円を円防衛に投入
- 円は8月28日に1ドル=160.16円へ再下落
- BTCは一時7万7,000ドルを割り込み7万9,000ドル近辺で持ち直し
- 2024年8月の円キャリー巻き戻しでBTCとETHは最大20%下落
円防衛の投入額は15.4兆円に
8月28日(金)、円相場は1ドル=160.16円へと再び下落し、先月の為替介入で取り戻した水準の半分以上を吐き出した。財務省が7月30日から8月26日にかけて約15.4兆円(約970億ドル)を投じて円売りに対応したことを踏まえれば、日本の通貨防衛が力尽きつつあることを示す後退である。この防衛の目玉となったのが7月31日の異例の日米協調介入だ。日米両当局が同時に円を買い支え、相場を押し上げた。自国通貨安は日本の家計と企業の輸入コストを膨らませる国内問題だが、暗号資産市場への波及経路は金利差にある。米国の金利が依然として日本を大きく上回るなか、ドル建ての運用は魅力を保っており、今週は連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長がインフレ目標への復帰を誓ったことで、ドルにはさらに追い風が吹いた。このタカ派的なメッセージは一時、 Bitcoin市場 の価格形成を揺るがした。プルーフ・オブ・ワーク( proof-of-work )方式の元祖であるBitcoin(BTC)は週次価格データ( weekly price data )によると7万7,000ドルを一時割り込んだが、9月利上げ確率が58%まで上昇するなかで7万9,000ドル近辺に持ち直した( September hike odds climbed to 58% )。次に注目すべきメカニズムは円キャリートレード、すなわち安価な円を借り入れて高利回り資産のポジション資金に充てる戦略だ。追加介入や日本銀行の利上げが円を急騰させれば、これらの借入は他通貨建てで返済負担が膨らみ、レバレッジを効かせた投資家は債務を填補するために保有資産の売却を迫られかねない。歴史的に真っ先にリスクを落としてきたのは、暗号資産のクジラ( crypto whale )と呼ばれる大口保有者層だ。その前例は新しく、かつ痛みを伴う。2024年8月、円建て取引の巻き戻しは市場全体の売り局面を増幅し、BitcoinとEthereumは最大で20%の下落を記録したのである。
Metaplanetはアジア需要に賭ける
そうしたマクロ環境を背景に、Metaplanetのサイモン・ゲロヴィッチCEOは今週、香港での登壇機会でより長期の視点から論を展開した。アジアの貯蓄層は現金を超えてBitcoinを「貯蓄テクノロジー」として受け入れる準備ができている、という主張だ。東京証券取引所に上場し、繰り返しの資金調達でBTCを買い付け・保有するコアなバランスシート戦略を進めるMetaplanetにとって、ゲロヴィッチ氏の描く普及シナリオは自らの利益に直結する。トレードブックではなく、 HODL 姿勢による信念の表明といえる。「今流入している買い手は逃げない。底は打ったと確信しており、残り半年はもっと明るい年になると予想している」と同氏は語った。この発言は、分けて考えるべき二つの主張を含む。構造面では、新規の企業ファイナンス部門やアジアの個人資金が、変動を恐れて逃げるのではなく変動を通じて積み上がる、価格に比較的鈍感な持続的需要を形成するという話であり、同氏が地域全体で形成されつつあると説く需要基盤と同じものだ。一方、戦術面では、同一の市場が2024年8月の巻き戻しで示されたような、円ショックが引き起こしうる強制売却の局面に今もさらされている。注目すべきは、発言と同時に新たな積み立て額や新規購入の発表がなかったことで、この発言は財務政策の開示ではなく戦略的なポジショニングとして読むべきだろう。ゲロヴィッチ氏の「底打ち」見解は、なおタカ派的な米金利見通しと向き合う形であり、同氏が想定する普及資金の流入が力を持つには、マクロ環境の安定が先決という含意がある。現在水準がサイクル全体のなかでどこに位置するかを検討する読者には、長期評価バンドの読み方を解説した Bitcoin Rainbow Chart の解説記事を参照されたい。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、Gateで現物・先物価格をライブで確認できる。
恐怖・強欲指数は69、為替の尾部リスクと併存
COINOTAG独自の集計データは、この綱引きをとらえている。恐怖・強欲指数は69/100を示し、「強欲(Greed)」圏の深い位置にある。BitcoinはCOINOTAG追跡時価総額の68.8%を占め、追跡対象の暗号資産全体の時価総額は約2.29兆ドル近辺だ。生きた通貨ショックのシナリオが現実味を帯びるなかでの強欲寄りのポジションは、脆弱な組み合わせである。監視すべきはFRBだけでなく、東京の動向だ。
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