JPモルガン・ダイモンCEOがクラリティ法案巡りコインベース批判、日本では暗号資産仲介業制度が施行
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JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが、米国のクラリティ法案を巡りコインベースのブライアン・アームストロングCEOを公然と批判した。ダイモン氏はFOXビジネスのインタビューで、アームストロング氏が「ワシントンで数億ドルを費やしている」と指摘し、「彼はでたらめを言っている」と痛烈な表現で非難した。対立の核心は、ステーブルコイン保有者への利回り提供を巡る取り扱いだ。GENIUS法は発行体による利回り提供を禁じる一方、取引所など第三者には認めており、銀行業界はこの抜け穴を塞ぐ文言をクラリティ法案に盛り込むよう働きかけてきた。この攻防により、法案成立は4か月以上遅延している。ブロックチェーン業界と伝統的金融の溝の深さが改めて浮き彫りになった形だ。

日本の金融庁は6月1日、「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」制度を正式に開始した。この新制度は、暗号資産交換業者や電子決済手段等取引業者の委託を受けて利用者と事業者を仲介する業務を、登録制で行えるようにするものだ。対象は電子決済手段の売買・交換媒介と暗号資産の売買・交換媒介となる。背景には2025年6月に成立した改正資金決済法があり、利用者と交換業者を引き合わせるだけの業務でも交換業者登録が必要だった従来の枠組みが、新規参入の障壁になっていたとの指摘があった。仲介業者は利用者資産を預からない設計とされ、利用者保護とイノベーション促進の両立を狙う。
米国市場では、AI業界の新規株式公開ラッシュが暗号資産市場の資金循環にも影響を与え始めている。Claude開発元のAnthropicが6月1日、SECに対し新規株式公開に向けた登録届出書(S-1)を秘密提出したことを明らかにした。同社は5月28日に650億ドルのシリーズH調達を完了し、ポストマネー評価額は9,650億ドルに達している。SpaceXは6月12日のナスダック上場を目指し、最大1兆8,000億ドル規模の評価を視野に入れる。OpenAIも9月の上場を準備しており、フロンティアAI銘柄への資金集中がリスク資産間の競合を激化させる構図となっている。
原油市場では、イランが米国との核交渉を全面停止し、ホルムズ海峡封鎖を改めて警告したことを受け、地政学リスクプレミアムが急上昇している。WTI原油は前日比約8%急騰し96.14ドル、ブレント原油は100ドル目前まで上値を伸ばした。ホルムズ海峡は世界の海上原油輸送の約20%を担う要衝であり、封鎖シナリオが現実味を帯びれば、ブレント原油が150ドル超に跳ね上がる可能性を複数の石油メジャー首脳が指摘している。IEAデータでは3月と4月で世界の在庫が約2億4,600万バレル減少しており、物理需給の逼迫が地政学リスクを増幅させる構造となっている。

株式市場では、IBM株が金曜日に約13%急騰し、297.80ドルで取引を終えた後、月曜日には300ドルを突破した。バークレイズのアナリストRaimo Lenschow氏が「オーバーウエイト」、目標株価350ドルでカバレッジを開始したことが買い材料となった。IBMの収益の約半分、利益の大半が大規模規制業界向けの粘着性の高いソフトウェアに由来する点が評価された。一方で、機関投資家の資金フローを示すチェイキン・マネー・フロー(CMF)は0.15付近で推移し、価格上昇と乖離する弱気ダイバージェンスが観測されている。ローソク足分析では300ドル超の抵抗帯が意識されており、上昇継続には機関投資家の確信が必要となる。
ステーブルコイン規制を巡る米国の議論は、グローバルな規制競争の局面に入っている。クラリティ法案は今月初めに上院銀行委員会の重要な採決を通過し、本会議での最終承認に向けて進む見通しだ。ダイモン氏は2か月前にもステーブルコイン利回りの要求について「最終的に国民が負担することになる」と批判しており、銀行業界は預金流出懸念から強硬姿勢を維持している。同時に、テザーやサークルなどの主要発行体は、米国外のDeFi市場やオフショア取引所での流通拡大を加速させており、規制の最終形が決算前のグローバル流動性に影響を与えるとの見方が広がっている。
今サイクルの支配的なナラティブは、規制整備の進展と地政学リスクの再燃が同時進行する複合的環境だ。米国ではクラリティ法案を巡る伝統金融と暗号資産業界の正面衝突が続き、日本では仲介業制度の施行により参入障壁の低下と利用者保護の両立が試みられている。AI企業の大型IPOラッシュはリスク資産への資金配分競争を激化させ、中東情勢の悪化は原油高を通じてインフレ再燃懸念を呼び込む。規制、流動性、地政学という三つの軸が交錯する中、機関投資家はビットコインやアルトコインへの配分を慎重に再評価する局面に入りつつある。