MoonPayがDecent.xyz買収で200チェーン統合、米政府は量子に20億ドル、KrakenがDubaiライセンス取得
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暗号資産ニュース
暗号資産決済プラットフォームのMoonPayは、クロスチェーン・ルーティングと流動性インフラを提供するDecent.xyzの買収を完了し、新サービス「MoonPay Trade」を正式に始動した。買収額は非公開だが、同サービスは金融機関や企業向けに単一APIで200を超えるブロックチェーンとプロトコルへの接続を実現し、120以上の法定通貨にも対応する。Ethereum、Solana、Base、Hyperliquid、ビットコインといった主要チェーンが網羅される構成だ。MoonPayは2026年に入りDFlow、Dawn、Sodotに続き今回で4件目の買収となり、法定通貨オン・オフランプとオンチェーン実行・決済を統合するインフラ企業としての戦略を一段と加速させている。

米商務省は5月21日、CHIPS法に基づき量子コンピュータ関連9社に総額20億1,300万ドル(約3,200億円)の連邦助成を供与する意向書を締結したと発表した。最大の受給先IBMは10億ドルを獲得し、ニューヨーク州アルバニーに超伝導量子ウェーハ製造の専門新会社「アンダーソン」を設立する。グローバルファウンドリーズは3億7,500万ドル、アトム・コンピューティング、D-Wave、PsiQuantum、Quantinuum、Rigettiなど7社は最大1億ドル規模を受給する。背景には、量子計算機がビットコインの暗号方式を解読しうる「Qデー」が早ければ2030年に到来するとの試算があり、約690万BTCが公開鍵露出アドレスに保管されているとされ、業界の移行整備が急務となっている。

米財務省は対イラン制裁プログラム「経済の怒り作戦」の下で、約5億ドル相当のイラン政権関連デジタル資産を凍結したことを明らかにした。前月には3億4,400万ドル規模のUSDTをTronネットワーク上で凍結する大型措置をTetherとの連携で実施している。スコット・ベセント財務長官は、イラン革命防衛隊(IRGC)と地域代理勢力、影の銀行ネットワークを標的とする方針を示した。オンチェーン分析データによれば、イランは約77億ドル相当のデジタル資産を保有しており、国家規模での暗号資産保有量で世界有数の規模に達する。中東情勢の悪化を背景に、暗号資産が制裁執行の主要なテコへと変質しつつある。
暗号資産サービス企業のBlockchain.comが、米証券取引委員会(SEC)にIPOに向けたS-1登録書類を秘密扱いで提出した。提案中の公開対価および株式数は未定で、上場は市場環境とSEC審査の結果に依存する形となる。2011年創業の同社は、9,500万を超えるウォレット、4,300万人の本人確認済みユーザーを抱え、累計1.1兆ドル相当の取引を処理してきたとされる。今年はアフリカ市場への展開強化や、Hyperliquidプロトコルを介した永久先物取引の開始など事業拡大を進めてきた。Krakenが上場時期を2027年に後ろ倒ししたとの観測が出る中、Blockchain.comの動きは暗号資産企業の株式市場回帰を示す新たな事例となる。
大手暗号資産取引所Krakenの親会社Paywardは、ドバイ仮想資産規制庁(VARA)からブローカーディーラー業務および投資運用業務に関する暫定認可を取得した。サービス範囲は現物・証拠金取引、OTC、ステーキング、暗号資産送受信、機関投資家向けプラットフォームKraken Primeに及び、アラブ首長国連邦(UAE)の利用者は現地規制下子会社のPayward FZCOを介してディルハム建てで入出金できる体制となる。VARAは2022年の設立以降、Binance、Crypto.com、OKXなど主要事業者に免許を付与しており、中東地域における規制明確化が事業者誘致の決め手となっている。共同CEOのアルジュン・セティ氏はオフショア運営からの脱却を強調した。

ブロックチェーン分析企業Bubblemapsの調査によれば、予測市場Polymarket上で対イラン軍事行動に関する98%という極めて高い勝率の賭けが80件確認された。9つのアカウントが米軍の軍事作戦に関わる賭けでおよそ240万ドルを稼ぎ、2月28日のイラン奇襲攻撃の数日前に高額ポジションを構築したことがオンチェーンデータから判明している。同社共同創業者のニコラ・ヴァイマン氏は、敵対国家が同種の異常取引パターンから米軍の動向を逆算できる可能性に強い懸念を示した。今年の戦争関連の賭けは累計10億ドルを突破しており、米連邦議会では予測市場に対する規制強化を求める声が高まっている。
この一連の動きは、暗号資産業界が投機局面から制度化フェーズへ移行する転換期にあることを浮き彫りにする。MoonPay、Blockchain.com、KrakenによるインフラM&AとIPO、ライセンス取得は、機関投資家を取り込むためのDEX領域および規制対応の競争を象徴している。一方、対イラン制裁、Polymarketの内部取引疑惑、量子計算機による暗号脅威は、暗号資産が地政学と国家安全保障の最前線に位置づけられる現実を映し出す。DeFiと伝統金融の融合が進む過程で、規制と技術リスクの両面から構造的な転換点が訪れつつある。