Verusブリッジから18億円流出、SECがトークン株免除制度発表へ、ウォーシュ氏がFRB議長就任
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暗号資産ニュース
DeFi(分散型金融)プロトコルVerusのイーサリアムブリッジが18日に攻撃を受け、約1,158万ドル(約18億円)相当の暗号資産が流出した。攻撃者はETH、USDC、tBTCをコントラクトから抜き取り、その後5,402ETH(約1,140万ドル相当)に交換したとみられる。セキュリティ企業の分析によれば、攻撃者は約14時間前にトルネードキャッシュ経由で初期資金1ETHを確保していたという。Verusネットワークは現在停止状態にあり、多くのブロック生成ノードがオフラインとなっている。クロスチェーンメッセージの検証不備、引き出しロジックのバイパス、あるいはアクセス制御の欠陥が攻撃経路として疑われており、2026年のブリッジ関連被害は累計3億2,860万ドル超に達した。

米証券取引委員会(SEC)は今週中にも、米国株のトークン化資産取引を許可する「イノベーション免除」制度を発表する見通しだ。発行企業の同意を必要とせず、第三者がトークンを発行できる新たな枠組みが導入される。議決権や配当といった従来の株式権利を保証する条件のもとで、DeFiプラットフォーム上での証券取引が可能となる。ポール・アトキンス委員長らが推進する施策は、既存規制の外で並行市場を試験運用する数年間の実験と位置づけられる。約1,300億ドル規模のDeFi市場で米株連動の合成資産流通が活発化する一方、DEX(分散型取引所)の流動性分断やスマートコントラクトの脆弱性懸念は根強い。
ケビン・ウォーシュ氏が金曜日に米連邦準備制度理事会(FRB)の新議長として宣誓就任する。トランプ大統領は利下げを強く期待しているが、予測市場の見方は割れている。Kalshiでは2027年までの利下げ確率が2月の96%から38.2%へ大幅低下した一方、CMEのFedWatchツールでは6月末まで金利3.50〜3.75%を据え置く確率が98.8%と示されている。次回のFOMC会合は6月16日に予定されており、市場の関心が集まる。ウォーシュ氏は4月の上院銀行委員会の指名公聴会で1億ドル超の資産保有を開示しており、保有内容にはAIや暗号資産関連企業への投資も含まれていた。
マイク・ノボグラッツ氏が率いるギャラクシー・デジタルは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)からBitLicenseと送金事業者免許を取得した。子会社GalaxyOne Prime NYが、機関投資家向けの取引・ファイナンスサービスを州内で提供する体制を整えた。2015年導入のBitLicenseは、マネーロンダリング対策、サイバーセキュリティ、資本準備、消費者保護に関する厳格な要件を満たす必要があり、米国で最も取得困難な暗号資産関連ライセンスとされる。ノボグラッツ氏はニューヨークを「国内最深の機関投資家資本の集積地」と評し、規制下でのブロックチェーン資産アクセス拡大の足がかりになると述べた。同社は第1四半期に2億1,600万ドルの純損失を計上している。

データセンター運営企業ソルナ・ホールディングスの2026年第1四半期売上は前年同期比58%増の940万ドルとなり、4四半期連続の増収を達成した。データセンターホスティング事業が670万ドルを計上し、ビットコイン(BTC)マイニング事業の220万ドルを大きく上回った。テキサス州ドロシー・カティ拠点の容量追加が成長を牽引した格好だ。2024年の半減期以降、マイニングの採算性は急速に悪化し、業界レポートでは最大20%のマイナーが赤字操業状態にあると指摘されている。HIVE Digital、TeraWulf、IRENなど複数の上場マイナーがAI・高性能計算インフラへの資本振り向けを加速させており、産業構造の再定義が進む。
暗号資産業界が支援する政治活動委員会(PAC)プロテクト・プログレスは、ジョージア州第13選挙区の民主党予備選で、州下院議員ジャスミン・クラーク氏を支援するため420万ドル超を広告に投じた。同PACはFairshakeの関連組織であり、Coinbaseなど業界大手がバックアップしている。Fairshakeは2024年選挙サイクルで総額1億3,000万ドル超を投入し、Coinbase最高経営責任者ブライアン・アームストロング氏が「過去最も親暗号資産の議会」と評する結果を導いた実績がある。2026年も数百万ドル規模で親業界候補を支援する方針で、米連邦議会で審議が進む暗号資産市場構造法案の通過を後押しする狙いがある。
今サイクルのアルトコインを含む暗号資産業界を貫く支配的な物語は、機関統合と規制再編、そして攻撃面の拡大が同時並行で進む構造的転換だ。SECのトークン化株式免除制度やニューヨーク州のBitLicense拡大は、伝統金融とブロックチェーンの境界線を急速に溶解させている。一方でVerusブリッジの18億円流出は、クロスチェーン領域のセキュリティ脆弱性が依然解消されていない現実を示す。マイニング企業のAIインフラ転換と暗号資産PACによる政治影響力の増大は、業界が単なる投機資産から金融インフラへと再定義されつつある段階を象徴している。FRB新体制下の金利動向が次の試金石となる。