ウェルズ・ファーゴがETH系ETFを63%増、Bitmineは520万ETH保有で買い増し減速、財団がクリア署名標準を公開
ETH/USDT
$10,452,652,272.88
$2,309.00 / $2,256.27
差額: $52.73 (2.34%)
+0.0061%
ロングが支払い
目次
Ethereumニュース
米大手銀ウェルズ・ファーゴが5月12日にSECへ提出した2026年第1四半期の13F書類によれば、同行は仮想通貨関連ポートフォリオを大きく組み替え、イーサリアム(ETH)系ETFの保有を積み増した。ブラックロックのiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)は約110万株で前四半期比63.5%増、ビットワイズのETHWは約25万7,000株で37%増、グレースケール・イーサリアム・ステーキングも4,637株を確認している。第1四半期末時点のETH系ETF保有額は計約2,150万ドルに達した。ETH価格が2四半期連続で約50%下落し、現物イーサリアムETF全体から3カ月で約7億6,900万ドルが流出した局面での逆張りであり、機関投資家の選別的な仕込みが鮮明となった。

Bitmine Immersion Technologiesは5月11日、ETH保有量が520万6,790ETHに到達したと公表した。5月4日時点の518万131ETHから1週間で2万6,659ETHを追加取得した計算となり、これまで週10万ETH超で推移していた取得ペースを約4分の1にまで減速させた。会長のトム・リー氏は、従来ペースを維持していれば2026年7月中旬にも流通供給量5%という社内目標「Alchemy of 5%」に到達できたとの見方を示しつつ、意図的にペースを落とす判断を明らかにしている。現在の保有量は流通供給量1億2,070万ETHの4.31%に相当し、目標達成率は86%に到達。年初来の取得は100万ETH超に達した。
同社のトレジャリー戦略は、ETH価格の弱気相場局面でも継続されてきた点が特徴だ。5月10日時点の総保有資産は暗号資産と現金を合わせて134億ドルに膨らみ、内訳はイーサリアムに加え201BTC、Beast Industriesへの2億ドル出資、Eightco Holdingsへの8,800万ドル出資、現金7億7,500万ドルで構成される。保有ETHのうち471万2,917ETH(90%超)はすでにステーキング済みで、評価額は約111億ドル、年率換算のステーキング収益は約3億1,900万ドル規模に達する。バリデーター全体の7日間ステーキング利回りは約2.86%と報告されており、ETHの大半を実質的に市場流通から外している格好だ。
一方、イーサリアム財団の動きが短期的な需給観測を揺さぶった。オンチェーン分析で観測されたデータによれば、財団はステーキング事業者Lidoを通じて約2万1,271ETH、価格換算で4,900万〜5,000万ドル相当のステーキングを解除した。4月下旬の約1万7,000ETH解除に続く動きで、年間運営予算が約1億ドル規模とされる財団による定期的な資金確保策とみられる。直近ピークでも財団のステーキング量は約7万ETHにとどまり、ブロックチェーン全体のステーキング総量に占める比率は約0.18%にすぎないため分散性への影響は限定的だが、Bitmineの買い増し減速と重なったタイミングが市場心理を冷やした。

セキュリティ面では、イーサリアム財団のワーキンググループが5月12日、オープン標準「クリア署名(Clear Signing)」と関連インフラの提供開始を発表した。トランザクション承認時に16進数や機械可読データが並び、何に署名しているのか判別しづらい「ブラインド署名」を解消することが目的で、昨年発生したバイビットへの大規模ハッキングを構造的欠陥の象徴例として挙げている。新標準は人間が読めるトランザクション説明のための規格「ERC-7730」と、説明データを保存・配布するレジストリ、ウォレットおよび開発者向けツールで構成される。Ledger、Trezor、MetaMask、WalletConnect、Fireblocksなどが参加し、財団のトリリオンダラー・セキュリティ・イニシアチブが中立的な運営者として支援する。
機関採用の流れではJPモルガンが新たな一手を打った。同行は5月12日付のSEC提出書類で、トークン化マネー・マーケット・ファンド「OnChain Liquidity-Token Money Market Fund(JLTXX)」の設定を申請。米国財務省証券と現金または財務省証券担保のオーバーナイト・リポにのみ投資し、運用基盤としてイーサリアムを採用する。同行のKinexys Digital Assets部門がイーサリアム公開ネットワーク上に許可型レイヤーを構築する設計で、当面はイーサリアムのみを利用するが将来的に他チェーンへの拡張余地を残す。米国の包括的ステーブルコイン法制GENIUS Actが定める適格準備資産要件の充足を想定した商品設計となっており、伝統金融のDeFi領域への接続が一段と現実味を帯びている。
テクニカル面では、ETHは2,289.61ドル付近で推移し24時間で1.10%下落、レンジ内のもみ合いが続いている。RSIは48.68と中立圏のやや弱気側に位置し、MACDは弱気シグナルを点灯。直近サポートは2,275.75ドル、続いて2,233.72ドル、2,190.59ドルが控え、上値抵抗は2,312.09ドル、2,382.66ドル、2,464.91ドルが意識される。先物の年率ファンディングレートは5%程度と中立寄りで投機過熱はない。2,312ドルを終値ベースで明確に上抜ければ2,380ドル試しが再浮上する一方、2,275ドル割れが続けば2,190ドル方向への調整リスクが高まる。Bitmineの減速観測と財団売却が短期の重しとなる構図だ。
