Aaveがv3全資産レビュー実施、米SECが5カ年戦略で仮想通貨規制明確化を最優先に、CLARITY法案が上院日程入り
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レンディングプロトコル大手アーベ(Aave)の開発元アーベラボは5月31日、4月18日に発生したrsETHインシデントに関する事後報告書を公開した。報告書によれば、リキッドリステーキングプロトコル「ケルプDAO」のrsETHを巡るユニチェーンからイーサリアム間のブリッジで不正なクロスチェーンメッセージが受理され、裏付けのない11万6,500rsETHが払い出された。攻撃者はそのうち8万9,567rsETHをアーベV3の8つのポジションに担保として預け入れ、8万2,650WETHおよび821wstETHを借り入れた。アーベラボは、スマートコントラクトやオラクル自体の侵害ではなく、ブリッジ依存リスクが露呈した事案と整理した上で、V3上場の全資産を対象としたレビュー実施方針を示している。DeFi(分散型金融)領域での再発防止策が焦点となる。

米国の暗号資産市場構造を包括的に規定する「CLARITY(クラリティ)法案」が、6月1日付で米上院の立法日程に正式に追加された。これは上院銀行委員会での修正案を反映した委員会報告書の段階であり、本会議採決が直近で予定されているわけではない。共和党版と銀行委員会版の統合作業が残る上、上院ではフィリバスター回避に60票が必要となるため、53議席を持つ共和党は民主党から少なくとも7票の賛成を確保する必要がある。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOが現行案に反対を表明しているほか、トランプ大統領を巡る利益相反問題が民主党の支持調達を難しくしているとの分析もある。予測市場ポリマーケットが示す2026年中の成立確率は約56%だ。
米証券取引委員会(SEC)は6月3日、2026年度から2030年度を対象とする戦略計画草案を公開した。ポール・アトキンス委員長主導の同計画は、暗号資産およびブロックチェーン技術に対する規制枠組み整備を戦略目標の筆頭に明記しており、前体制からの明確な方針転換を示す内容となった。草案は規制政策の刷新、規制実務の転換、業務効率化の3本柱で構成され、デジタル資産への証券法適用範囲の明確化、トークン化有価証券による資本調達の実現、カストディ・取引・ステーキングサービスの監督枠組み整備が盛り込まれた。SECと商品先物取引委員会(CFTC)の管轄境界明確化にも踏み込んでおり、執行方針も詐欺・市場操作への集中へと舵を切る姿勢を打ち出している。
英国上院(貴族院)の金融サービス規制委員会は、ステルリング建てステーブルコイン規制を巡り、英国中央銀行(BoE)に対し過度に厳格な準備金・保有・利息規制が市場の商業的成立性を損なうリスクがあると警告する報告書を公表した。委員会は英国が米国およびEUに後れを取っていると指摘し、明確な規制枠組みの不在が国内ステーブルコイン開発と投資を抑制してきたとの認識を示した。1対1の高品質資産による裏付け要件やシステミック発行体向けのBoE流動性供給枠は支持する一方、システミック発行体に裏付け資産の40%以上を無利息の中央銀行預金で保有させる案については「相当な批判」を集めているとし、英国市場の国際競争力に悪影響を及ぼし得ると懸念を表明した。

米暗号資産取引所コインベースは、ProSharesが運用するステーブルコイン特化型マネーマーケットETF「IQMM」への投資を実行したと発表した。IQMMはGENIUS法に基づく決済ステーブルコインの裏付け資産として認められる短期米国債およびキャッシュ等価物(償還期間93日以内)にのみ投資する設計で、本年2月に上場したステーブルコイン準備金管理向けの先駆的なファンドとされる。投資額は非開示だが、コインベースはCircleのUSDC基盤インフラの主要プロバイダーとして、規制対応済みで流動性の高いリザーブ管理手段の拡充を狙う。GENIUS法は2025年6月に成立しているが、市場構造を巡るCLARITY法案の審議は依然継続中で、ステーブルコインへの利回り付与可否が新たな論点として浮上している。
主要取引所におけるデリバティブ取引高は5月、過去12カ月で最低となる約2.9兆ドルに沈んだ。これは2023年後半以来の水準で、昨年活況だった6〜7兆ドル規模のピークを大幅に下回る。現物・オンチェーン活動も同様に低調で、6月入り後も投機的活動の後退基調が続いている。出来高はバイナンスが首位を維持し、OKX、Bybit、Gateが続く構図で、流動性の薄い小規模取引所からの撤退が目立つ。一方、CFTCは米国内における無期限先物(パーペチュアル)契約の正式解禁に向け動き出しており、機関投資家参加やコンプライアンス整備、オンショア流動性確保による構造変化が期待される。ただ、規制下の米国会場がオフショア勢のマージン・流動性条件と競争できるかが回復の鍵となる。

今サイクルの支配的なナラティブは「規制の明確化と機関投資家インフラの本格整備」へと移行しつつある。米SECの5カ年戦略における規制枠組み整備の最優先化、CLARITY法案の上院日程入り、GENIUS法に紐づくETF投資への参入、英国上院による合理的なステーブルコイン規制への提言は、いずれも同じ流れの異なる表出だ。一方でアーベのrsETH事案は、規制整備のみならずDeFi側のリスク管理高度化が並行して求められることを浮き彫りにし、デリバティブ出来高の低迷はオンショア化を通じた構造的な需要回復のシナリオを示唆している。ビットコインを含む市場全体は、投機の後退と制度化の前進が同時進行する移行期にある。
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