Backpackが株式・トークン化証券プラットフォーム始動、アンカレッジとエセナが機関融資拡大、ムーンペイ・フランクリン提携でBENJI展開
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暗号資産ニュース
暗号資産取引所Backpackは、伝統的な株式取引とトークン化株式を一つの基盤に統合した新サービス「Backpack Securities」のローンチを発表した。利用者は規制下の証券仲介を通じて米国株を実際に保有し、現金配当やコーポレートアクション、ACATS・DTCC経由のポートフォリオ移管にも対応する。同サービスはブロックチェーン基盤のトークン化プロトコルSunriseと連携し、保有株式をオンチェーン証券へ変換する仕組みを提供する。トークン化された証券はソラナ上で24時間365日移転可能となり、将来的に他チェーンへも拡張する見込みだ。同社は2023年後半に元FTX関係者らによって設立されており、6月から段階的に展開する計画を示している。
機関投資家向け暗号資産プラットフォームのアンカレッジ・デジタルは、米ドルステーブルコイン「USDtb」を発行するエセナラボとの協業を拡大すると6月2日に明らかにした。両社は担保管理・決済インフラ「Atlas Collateral Management」を通じ、機関向け融資領域での連携を強化する。Atlasは担保とローンの閾値をリアルタイムで監視し、マージン処理やルールベースの執行を支援する設計だ。借り手の担保はオンチェーンへ完全移転される代わりにアンカレッジのカストディ内に保管されるため、適格カストディや分別管理を要する機関投資家でもDeFi系融資市場へのアクセスが可能となる。USDtbの米国発行体は連邦認可暗号資産銀行のアンカレッジ・デジタル・バンクが務めている。
暗号資産決済インフラ企業ムーンペイと米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンは、トークン化金融商品のオンチェーン流通拡大を目的とする戦略的提携を6月2日に発表した。初期統合として、ムーンペイの機関向けオンチェーン取引基盤「MoonPay Trade」と、フランクリン・テンプルトンの記録管理・移管代理プラットフォーム「Benji Technology Platform」を接続する。適格機関投資家は、対応するステーブルコインとトークン化マネー・マーケット・ファンド「FOBXX」への投資エクスポージャーをオンチェーンで切り替え可能になる。同ファンドの1口を表すBENJIトークンは、ステラに加えてポリゴン、アービトラム、アバランチ、アプトス、イーサリアム、ベース、ソラナ、BNBスマートチェーンといった複数のブロックチェーンに対応している。
米商品先物取引委員会(CFTC)は、被告が当局の主張を否認したまま和解に応じることを認めない、いわゆる「ノー・ディナイ」方針を撤回したと明らかにした。1998年に採用された同方針は、過去30年近くにわたり訴訟和解の前提条件として機能してきたが、当局が批判を遮ろうとしているとの誤解を生む可能性があると判断された。マイク・セリグ委員長は、規制当局全体の流れに沿った見直しだと説明している。同様の方針は5月に米証券取引委員会(SEC)も撤回しており、暗号資産企業が言論の自由を制約すると批判してきた条項が当局横断で見直される構図となった。CFTCはジェミナイとの500万ドルの和解を取り消す申し立ても進めている。
英フィンテック企業Revolutの米国法人は、新規取得を目指す米銀行免許のもとで、FDIC保険対象の高利回り投資口座・当座預金商品と並行してステーブルコイン関連サービスを提供する計画を示した。米国法人CEOのCetin Duransoy氏が方針を明らかにしたもので、物理的支店は設けず、ATM網経由で顧客がアクセスできる体制を整える。同社は今年3月に通貨監督庁(OCC)へ銀行認可を申請しており、暗号資産ネイティブ企業を含む新規認可申請が相次ぐ流れの一角を占める。クラーケンが今年に入り連邦準備制度のマスターアカウントを取得した動きと並び、米決済インフラへの直接接続を狙う動きが続く。
大手暗号資産取引所Binanceは、取引所本体でのNFT(非代替性トークン)サポートを終了し、関連管理機能を自己保管型のBinance Walletへ移行すると発表した。利用者は7月3日までに移転可能なNFTを引き出す必要があり、設計上引き出し不可能な非移転NFT保有者にはBinance Academyから受講証明書のPDFが提供される。同社はNFT移行に伴う引き出し手数料の払い戻しプロモーションも用意し、最大10万人に対象NFTごとに1USDCを還元する。クラーケンの2025年2月のNFTマーケットプレイス閉鎖などに続く動きで、主要取引所がNFT事業を縮小し、トークン化資産など他領域へ軸足を移す流れが鮮明となっている。
今回の一連の発表は、暗号資産業界の主軸が投機的アルトコイン取引から、株式・MMF・IPO配分といった現実資産のトークン化と機関向け金融インフラ整備へと明確に移行している現実を映し出している。Backpackの株式統合、フランクリン・テンプルトンのBENJI拡張、アンカレッジとエセナの担保管理連携はいずれも、規制下のカストディとDEX的な流動性を橋渡しする設計だ。米国ではCFTCの方針転換やRevolutの銀行参入が制度面の追い風となり、Binanceの方向転換はNFTからRWAへの資本回転を象徴する。機関主導の制度化サイクルが、業界の景色を着実に塗り替えつつある。