ビットコイン6万ドル攻防、200週MAが最終防衛線──セイラー追加購入示唆とNY訴訟停止が交錯
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Bitcoinニュース
2026年に入り、ビットコイン(BTC)市場は構造的な転換点に差し掛かっている。現物ETFの存在や規制整備など好材料が並ぶ一方、価格は6万ドル近辺まで下落しサイクル安値を更新した。オンチェーン分析では、長期保有者と短期保有者の利益確定状況を比較するLTH-SOPR/STH-SOPR比率が0.7付近まで低下し、利益状態にあるコインの比率を示すSupply in Profitも約47%まで落ち込んでいる。200週移動平均線とRealized Priceがいずれも5万5,000ドル前後まで切り上がっており、歴史的に重要な長期コスト帯への接近が確認されている。資金がAI関連株や大型IPO待機資金へ流出している構図が、需給を一段と圧迫している格好だ。
もっとも、現在の安値水準を「底」と断定する材料は乏しい。直近のオンチェーンデータによれば、昨年10月の高値以降に確定された実現損失は約1,740億ドルにとどまり、2022年弱気相場で記録した過去最大の2,110億ドルには届いていない。時価総額が当時を上回るにもかかわらず損失規模が小さい点を踏まえれば、投資家の「降伏」局面はまだ完成していないとの見方が広がっている。個人投資家による押し目買いが活発化する一方、機関投資家は戻り局面で売り圧を強めており、最も資金力の乏しい層が供給を吸収する典型的なパターンが続く。これは大底形成の標準的な構図とは異なるとの分析が示されている。
こうした地合いの中、Strategy(旧MicroStrategy)会長のマイケル・セイラー氏が6月7日、自社のBTC取得状況を示すトラッカーチャートをXに投稿し「ドットを追加する良いタイミングだ」とコメントした。過去にも追加購入の直前に同様の投稿を繰り返しており、新規取得を示唆したものと受け止められている。投稿は2022年以来初となる32BTC(約250万ドル相当)の売却が判明した約1週間後、かつ優先株STRCの配当を月1回から月2回へ変更する改定案の投票締切前日というタイミングで行われた。フォン・リーCEOも「BTC保有と1株当たりBTCを長期的に増やすのが当社の戦略」と表明している。
最新開示によると、Strategy社は5月31日時点で平均取得価格7万5,699ドルで84万3,706BTCを保有する。現在価格では約522億ドル相当のポジションとなり、約117億ドル、率にして約18%の含み損を抱える計算だ。先週末のSEC提出書類では、フォン・リーCEOとアンドリュー・カンCFOが直近の権利確定株を背景に合計約1,500万ドル相当のMSTR株売却計画を届け出たことも明らかになった。先週の少量売却を受け、配当支払いや流動性確保のため追加売却が行われる可能性を懸念する声も一部で浮上していたが、経営陣は長期保有方針を改めて強調している。
規制面では、ニューヨーク州最高裁判所が約3万9,069の休眠ビットコインウォレットの所有権を主張する集団訴訟の手続きを停止した。問題のウォレットは合計約380万BTC、現在価格で約2,350億ドル相当に達する。匿名原告は同州の遺失物法を根拠に所有権の確認判決を求めていたが、キャシー・J・キング判事は7月14日の口頭弁論まで一切の手続きを凍結する命令に署名した。被告ウォレットには2011年のマウントゴックス事件で流出した約8万BTCを保有するアドレスや、サトシ・ナカモト由来とみられる約110万BTC分のアドレスが含まれており、デジタル資産への遺失物法の適用可否を巡る初の本格的な司法判断が注目される。
マクロ環境では、米財務省が6月末までに一般勘定(TGA)残高を約9,000億ドル水準まで積み上げる計画が市場流動性を吸収するリスクとして意識されている。第2四半期に約1,090億ドルの純新規借入が必要とされ、リバースレポ残高が2022年ピークの2.5兆ドルから1,000億ドル未満まで枯渇している現状では、調達原資が銀行準備預金から直接流出する可能性が高い。金利据え置き観測が後退し10年物利回りが4.5%近辺で推移する局面で、追加的な流動性引き締めはリスク資産に逆風となる。ブロックチェーン上の資金フローと伝統市場の資金需給が一段と密接に連動する局面に入っている。
テクニカル面では、現在価格6万3,296ドルが直近サポート6万1,861ドル上方で推移する一方、24時間で4.43%上昇したもののローソク足ベースのトレンドは下落基調を維持している。RSIは20.74と極端な売られすぎ圏に沈み、MACDは弱気シグナルが継続中だ。直上の抵抗は6万2,970ドル、その先に6万4,728ドル、6万8,191ドルが控える。下方では5万9,130ドル、5万2,679ドルが主要サポートとなる。200週移動平均線5万5,000ドル前後を維持できれば、5万週移動平均線が位置する9万2,000ドル台への平均回帰反発シナリオが現実味を帯びる。一方、5万9,000ドル割れで日次クローズが定着した場合、強気シナリオは無効化され、5万2,000ドル台への二段下げリスクが高まる。
