ビットコイン7万ドル割れ、マウントゴックスが1万306BTC移動、ストラテジーが32BTC売却
ビットコインが7万ドル近辺へ急落。マウントゴックスが1万306BTC(7.31億ドル)を新ウォレットへ移動、ストラテジーは2022年以来初の32BTC売却を開示、現物BTC-ETFは11日連続で34.5億ドル流出。
破綻した暗号資産取引所マウントゴックス(Mt. Gox)が6月2日、コールドウォレットから1万306BTC(約7.31億ドル相当)を新規アドレスへ送金したことがオンチェーンデータで確認された。同時に116BTCがホットウォレットへ移されている。送金先は未タグのアドレスで、取引所への直接入金は現時点で確認されていない。過去の大規模送金パターンと類似しており、債権者弁済の準備段階にある可能性が指摘されている。同社は現在も約3万4,504BTC(約24.3億ドル相当)を保有しており、弁済期限は2026年10月31日まで延期されている状況だ。
ビットコイン価格は2日のアジア時間に7万ドル近辺まで急落し、約2ヶ月ぶりの安値を記録した。週初からの下落幅は8%に達し、10月の過去最高値12万6,000ドルからは44%下げた水準となる。下落の引き金となったのは、米国とイランの停戦交渉が停止したとの発表に加え、イスラエルがベイルートへの空爆を警告した地政学リスクの再燃である。原油価格は一時94ドル台まで急騰し、リスク資産全般に売り圧が波及した。一方で米株式指数は最高値圏で推移しており、暗号資産との乖離が際立つ展開となっている。

米ナスダック上場のビットコイン保有最大手ストラテジーが、2022年12月以来初めてBTCを売却したことが明らかになった。SECに6月1日付で提出された報告書「フォーム8-K」で開示された内容によれば、5月26日から31日にかけて32BTCを平均7万7,135ドルで売却し、約250万ドルを調達した。売却代金は同社が発行する優先株(STRF、STRK、STRC)の分配支払いに充当される見込みとされる。マイケル・セイラー会長が長年訴えてきた「買って保有」戦略からの実質的な転換と受け止められ、市場心理を冷やす要因となった。
テクニカル面では、ビットコインは一目均衡表の雲を下抜けし、三役逆転の売りシグナルが点灯した格好だ。6万ドルから12万6,000ドルまでの上昇局面における半値押し水準も割り込み、短期的なトレンド転換が確認された。上昇チャネル下限が当面の防衛ラインとなるが、ここを明確に割り込むと下降フラッグが完成し、6万ドルまで明確なサポートが乏しい構造に陥る。週足ベースでは200週指数移動平均線(EMA)が6万9,000ドル付近に位置しており、長期トレンドの分岐点として注目される。ローソク足形状からはセリングクライマックスの兆候も観測される局面となった。

ストラテジーの保有BTCは5月31日時点で84万3,706BTC、総取得コストは約638億7,000万ドル、平均取得単価は7万5,699ドルとなっている。現在の市場価格が同社の取得単価を下回りつつあり、含み益が急速に縮小している点が投資家の警戒を招いている。同社は配当負担として、利回り10%のSTRF、8%のSTRK、年率11.5%の変動利付STRCを発行しており、定期的なドル建てキャッシュフロー確保が経営課題となっている。9億ドル規模の「USDリザーブ」を積み立てているものの、今回の小規模売却が前例となり、将来的な追加売却の可能性を市場は織り込み始めている。
現物BTC-ETFからの資金流出は11営業日連続となり、累計34.5億ドルに達した。これは2024年1月の現物ETF上場以来最長の流出記録となる。先月単月でも約24.3億ドルが流出しており、2025年11月以来の規模となった。BlackRockのIBITからは月曜日だけで4億4,030万ドルが引き上げられた一方、Morgan StanleyのMSBTのみが約614万ドルの純流入を記録した。アナリストは、米連邦準備制度のバランスシート縮小観測やCLARITY法案の不透明感、さらにエヌビディアを中心とするAI関連株への資金ローテーションが背景にあると指摘している。
現在のBTC価格7万137ドルは直近サポート6万9,337ドルに極めて近接しており、短期的にはここでの反発可否が焦点となる。RSIは27.31と売られ過ぎ圏に深く沈み、技術的反発の余地は十分にある一方、MACDは弱気シグナルを継続しトレンド転換の確証は得られていない。レジスタンスは7万338ドルと7万2,694ドルにあり、これらを明確に上抜けるまでは戻り売り圧力が支配する展開だ。6万9,337ドルを終値ベースで割り込むと6万4,829ドルまで下値余地が広がる。反転の鍵はETF資金流出の沈静化と米イラン情勢の安定化に求められる。
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