ビットコイン7.3万ドル攻防、Fidelityがイラン通行料BTC決済を「脱ドル化」指標と評価、Strategyが30.3M移管
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Bitcoinニュース
米資産運用大手の暗号資産部門が5月28日に公表した「2026年上半期の主要トレンドレポート」は、イランがホルムズ海峡の通行料および関連支払いにビットコイン(BTC)を受け入れた事例を、米ドル中心の国際決済システムからの脱却を示す具体的な兆候として位置づけた。中立性、没収耐性、分散性を備えたブロックチェーン資産が代替決済メカニズムとして実利用された点を重視した格好だ。一方で同レポートは、ゴールド価格の堅調さや各国中央銀行による積み増しが当初想定通りに進展している半面、ビットコインは年初来で約13%下落しており、地政学的緊張と利下げ観測の後退が重荷になっていると分析した。

株式市場の強さが際立つ局面でも機関投資家がビットコインを保有し続ける合理性について、市場関係者の間で改めて議論が広がっている。米株市場はAI関連投資を背景にS&P500が長期で年率約10%の強気相場リターンを生んできた一方、ビットコインは利益も配当も持たない代わりに、2,100万枚という供給上限がプログラムで保証されたデジタル資産である点が差別化要因となる。世界の主要資産規模では米株式82兆ドル、米国債42兆ドル、金市場16兆ドルに対し、暗号資産市場は約2.6兆ドルに留まっており、制度資金流入余地の大きさが長期保有の根拠として再評価されている。
大口企業の動向も市場の関心を集めた。過去最高値圏で買い増しを続けてきたStrategy(旧MicroStrategy)が、5月29日に411.48 BTC(約3,030万ドル相当)をCoinbase Primeへ移管したことがオンチェーン分析で確認された。同社による主要取引所への直接送金はほぼ2年ぶりで、保有量は約84万3,738 BTC(620億ドル超)に達する。これを受けて予測市場Polymarketでは「2026年12月31日までにStrategyがBTCを売却する」確率が一時84%まで上昇し、巨大保有体による売却懸念が短期需給を圧迫した。同社の財務戦略の転換可能性が市場心理を冷やしている。
マクロ要因では米イラン情勢が価格を一時押し戻した。トランプ大統領がホルムズ海峡通行料の無償化と核兵器放棄を含む枠組み合意の起草を示唆した直後、ビットコインは7万4,161ドル付近まで戻し24時間で約1.1%上昇した。ただしイラン側はファルス通信を通じて、凍結資産120億ドルの即時解除とレバノン停戦を前提条件として要求し、ホルムズ海峡無料通航や濃縮ウラン除去の条項を否定するなど、合意内容で米国側と乖離が露呈した。停戦観測の浮上と破断リスクが交錯し、地政学プレミアムがBTC価格に断続的に織り込まれる展開となっている。

ハードウェアエコシステムも動きを見せた。Bitcoin専用ハードウェアウォレットメーカーのCoinkiteは新型「Coldcard MK5」を発売し、2022年のMK4以来となる主要アップグレードを実施した。デュアルセキュアエレメントの基盤を継承しつつ、ゴリラガラス採用の1.54インチ大型ディスプレイ、再設計された物理ボタン、NFC機能強化を盛り込み、自己保管ニーズの増加に対応する。機関投資家のカストディが取引所経由のコールドウォレット運用にシフトする中、個人投資家向けセルフカストディ機器の改善はビットコイン保有形態の長期的多様化を示す象徴的なリリースとなった。
ネットワーク利用面では、匿名ユーザーが米国憲法の全文をビットコインのブロックチェーン上にOP_RETURN出力フィールドを用いて刻印した事例が報告された。44.4キロバイトという比較的大きなトランザクションに対し、約83.41ドルの手数料が支払われた。昨年のOP_RETURNバイト制限撤廃が背景にあり、金融取引専用から汎用データ層への用途拡張をめぐる開発者コミュニティ内の対立を改めて浮き彫りにした。一方、米アイダホ州ではBitcoin ATM運営会社を相手取る集団訴訟が連邦地裁に提起され、退職者夫婦が7万6,000ドルを詐取された事例を受けて、ATM経由の不正利用に対する規制強化機運が一段と高まる可能性がある。
BTCは7万3,471ドル付近で推移し、24時間で0.14%下落、RSIは35.72と売られ過ぎ圏に接近、MACDはベアシグナルを継続し弱気相場地合いを示す。直近サポートの7万2,650ドルが防衛できなければ7万280ドル、さらに6万6,862ドルが視野に入る。上値は7万4,577ドルが直近抵抗で、ここを終値ベースで超えれば7万6,599ドル、7万8,592ドルへの戻りが意識される。シナリオとしては地政学緩和とサポート維持で短期反発が成立する一方、Strategyの売却懸念が顕在化し7万280ドルを割り込めば下押し加速のリスク。RSIダイバージェンスの不在と出来高185億ドルの薄商いが、強気転換の論拠を弱めている。
