Bitcoin 7.7万ドル膠着、604万BTCに量子リスク露出・マイナー5週連続売り・ボラティリティ7カ月ぶり低水準
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Bitcoinニュース
5月のビットコイン(BTC)相場は、月初に米イラン間の停戦進展期待を背景にドル建てで8万ドル台を回復したものの、その後200日移動平均線近辺で頭打ちとなり、足元では1200万円の心理的節目を挟んで神経質な値動きが続いている。中旬には米4月CPIおよびPPIが市場予想を上回り、ホルムズ海峡を巡るエネルギー供給不安に伴う原油高がインフレ再加速懸念を強めた。FF金利先物市場では年内利下げ観測がほぼ消滅し、年末の追加利上げの可能性すら織り込まれ始めており、金利を生まないBTCには逆風となっている。200日線の攻防が今後の長期トレンドを左右する分岐点となろう。

オンチェーン分析企業のグラスノードは20日、ビットコインの量子リスク露出を体系的に定量化した初のレポートを公開した。流通供給量の30.2%にあたる約604万BTCがすでに公開鍵をオンチェーン上に露出しており、構造的露出が約192万BTC(9.6%)、運用的露出が約412万BTC(20.6%)を占める。注目されるのは取引所カストディの差異で、バイナンスとビットフィネックスはそれぞれ85%、100%の公開鍵露出率を示す一方、コインベースは5%にとどまる。米英・エルサルバドルなど国家保有BTCの露出はほぼゼロで、BIP-360のP2MRなど中長期的な緩和策の検討が業界で本格化している。
需要面の縮小も鮮明だ。オンチェーン分析企業のクリプトクワントは週次レポートで、先物・現物・ETFの各市場で同時に買い圧力が後退していると指摘した。BTCは4月安値から約37%反発したものの、8万2400ドル付近の200日単純移動平均線で頭打ちとなり、7万6000ドル台まで反落。米国の現物ビットコインETFは5月初旬に30日間で最大6万4000BTCの買い越しを記録した後、4000BTCの純売却に転じた。Coinbaseプレミアムもマイナス圏で推移しており、機関投資家の本格的な資金回帰は確認されていない。調整継続時の主要支持線として7万ドル付近が意識される。
マイナーによる売却圧力も無視できない構造的逆風となっている。CryptoQuantのデータでは、ビットコインマイナー準備金は4月16日の180万4900BTCから5月19日には180万1800BTCまで減少し、約3000BTCが取引所に移動した。バーンスタインの調査レポートは、上場マイニング企業が27GW超の計画済み電力容量と900億ドル超のAI関連契約を抱えており、AIインフラ事業への資金確保のためにBTC準備金売却を加速させていると分析する。シンガポール拠点のCanaanは第1四半期に8870万ドルの純損失を計上し、2四半期連続の赤字となるなど、マイニング業界の財務環境は厳しさを増している。

一方で、機関投資家層の構造的な需要は依然として下値を支える要因となっている。ビットコインの年率換算30日インプライド・ボラティリティ指数(BVIV)は38%まで低下し、2025年10月以来約7カ月ぶりの低水準を記録した。Strategy(旧MicroStrategy)は2026年に入って17万1238BTCを取得しており、同期間に新規発行された約6万3450BTCを大幅に上回るペースで市場供給を吸収している。中東情勢の最終局面入りと、STRC永続優先株を介した継続的買い増しが下値の構造的フロアとして機能。さらに機関ファンドによる組織的なコール・オーバーライティング戦略がオプションプレミアムを抑制し、ボラティリティ全体に重しを掛けている。
政策面では、米超党派16議員が新たな戦略的ビットコイン準備法案「ARMA(American Reserve Modernization Act of 2026)」を提出した。同法案は5年間で最大100万BTCを予算中立的手段で取得し、財務省管理下に戦略的BTC準備とその他連邦保有暗号資産用のデジタル資産ストックパイルを設立する内容となっている。最低20年の保有義務を課し、売却は国家債務削減目的に限定する設計だ。米国はすでに32万8372BTC(255億ドル超)を保有する最大の国家保有者だが、連邦政策は未整備のまま。国家債務が39兆ドルを突破する中、長期戦略資産としての位置づけ確立が議会で再び動き出した形だ。
テクニカル面では、BTCは7万7263ドル付近で推移し24時間で0.55%の小幅下落となっている。RSIは46.69と中立圏のやや弱気寄りに位置し、MACDは弱気シグナルを示すなど、横ばいの様相が続く。サポートは7万6852ドル、7万5080ドル、7万2633ドルの順に積み上がり、レジスタンスは7万8186ドル、7万9319ドル、8万531ドルが意識される。直近の焦点は200日線が位置する8万ドル台前半の突破可否で、明確に上抜ければショートスクイーズを伴って9万ドル回復が視野に入る一方、7万5080ドルを割り込めば7万ドルの実現価格までの下値拡大シナリオが現実味を帯びる。
