クラリティ法案に200超の業界連合が採決要求、Strategyは1550BTC買い増しで蓄積再開
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暗号資産ニュース
CoinbaseやRipple、Krakenなど200を超える暗号資産関連企業・業界団体・草の根組織が6月7日、上院多数党院内総務のジョン・トゥーン氏と少数党院内総務のチャック・シューマー氏に連名の書簡を送り、市場構造法案「クラリティ法案(CLARITY Act)」の本会議採決を求めた。上院銀行委員会が超党派で同法案を可決し、審議が一歩前進したことを受けた動きだ。署名にはAndreessen HorowitzやCircle、Binance USも名を連ねる。書簡は同法が米国をデジタル資産イノベーションの世界的リーダーへ押し上げる機会だと強調した。シンシア・ルミス上院議員もXで「次は本会議だ」と採決へ向けた決意を表明している。
ビットコイン財務戦略を掲げるStrategy(ストラテジー)は先週、約1億130万ドルを投じて1550BTCを取得した。SECへ提出した8-K報告書で判明したもので、平均取得単価は1BTCあたり6万5332ドル、保有総量は84万5256BTCに達した。今回の買い増しは、同社が2022年以来初めて実施した32BTC売却から一転、蓄積路線への回帰を示すものだ。マイケル・セイラー会長が日曜にX上で買い増しを示唆した直後の取得となり、ナスダック上場のMSTRは月曜の寄り付き後に3%超上昇し、124ドル超で取引された。ビットコイン(BTC)を巡る企業財務の動向は引き続き市場の注目を集めている。
Strategyは買い増しと並行して財務体質の強化も進めている。同社は先月の転換社債買い戻しで一時減少していた現金準備を、約10億ドル規模まで回復させたと説明した。資金は市場価格連動型株式発行(ATM)プログラムを通じたA種普通株式の売却で調達され、6月第1週だけで1億8100万ドルを確保したという。さらに同社は、優先株STRCの配当を月2回払いへ変更する案が株主承認を得たことも公表した。新スケジュールは7月15日に始まり、6月30日時点の株主が対象となる。レバレッジに依存しがちな同社モデルにおいて、現金の積み増しは財務耐性を意識した動きと受け止められている。
規制を巡る不透明感と市況の軟調が続くなかでも、現実資産(RWA)のトークン化は数少ない成長分野として存在感を増している。市場調査によれば、トークン化されたRWAの市場規模は2025年初頭から2026年6月にかけて589%拡大した。なかでもトークン化株式は422%増と最速の伸びを示し、債券やマネーマーケットファンドも65億ドル相当の価値を積み増した。地政学リスクを背景に金などの貴金属トークンも資金を集めた。ブロックチェーン基盤の決済を求める銀行勢もトークン化預金ネットワークの検討を加速させており、ステーブルコインの台頭に対抗する動きが鮮明になっている。
暗号資産がAIの信頼性や決済課題を解決するとの期待には、慎重な見方も浮上している。複数の大学の研究者による調査は、AIエージェントにウォレットを与えても自律性や知能が高まるわけではなく、可能になるのは人間の承認を経ない自動取引にすぎないと指摘した。一方で実装は着実に進む。大手ウォレットのMetaMaskはAIエージェント向けの非カストディアル型ウォレットを発表し、機械同士がDeFi(分散型金融)のレール上で取引・連携する将来像を打ち出した。Robinhoodも顧客がAIエージェントに取引を委ねられる機能の準備を進めるなど、自動化を巡る競争は熱を帯びている。
米国の政策面では、トランプ大統領がAIブームの恩恵を国民へ分配する構想に言及し、市場の関心を集めている。AI企業が一般市民へ直接的な持ち分を付与する案を検討しているとされ、すでに政権はIntelなどへ出資した実績を持つ。もっとも政府の関与は需要面で追い風となる一方、希薄化や価格規制といった株主リスクもはらむ。半導体大手NVIDIAでは機関投資家の資金流出を示す指標が悪化し、規制の枠組みが定まるまで様子見姿勢が広がっている。テクノロジーと政策の距離が縮まるなか、暗号資産市場も同様に政策依存度を強めつつある。
これら一連の動きを貫くのは、規制の明確化と機関投資家の本格参入という二つの大きな潮流だ。クラリティ法案を巡る業界の結束、Strategyによる蓄積再開、RWAトークン化の拡大は、いずれも暗号資産が制度の枠組みへ組み込まれていく過程を映している。一方でAIとブロックチェーンの融合や政府の市場介入は、新たな期待と不確実性を同時に生んでいる。弱気相場的な地合いが続くなかでも、長期的な制度基盤の整備が進めば、次の強気相場に向けた土台が静かに築かれていく可能性がある。