via NADA NEWS · NADA NEWS編集部著
米雇用統計が予想を上回る、BTCは6万ドルを維持できるか──ビットコインETFの44億ドル流出に一服【価格分析】
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ロングが支払い
・米国の雇用主は5月に17万2,000人の雇用を追加し、市場予想のほぼ2倍となった。これにより、連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を維持するとの見方が強まった。
・ビットコインETFは11取引日ぶりに純流入を記録し、44億ドル規模の資金流出が続いていた流れに終止符を打った。
・AIをめぐる新たな不透明感を背景にハイテク株が下落する中、BlackRockとMorgan Stanleyが5月中旬以来初となる上場投資信託(ETF)への資金流入を主導した。
米雇用統計を受け米国株が下落する中、BTCは6万1,000ドル付近で安定
6月5日金曜日、BTCは6万1,200ドル付近で安定した。年初来でも特に急激な週間調整の一つとなる20%下落を経た後、予想を上回る米労働市場データが株式市場と金利見通しを揺さぶる一方、BlackRockとMorgan Stanleyが、10日間続いた売り越し後の現物ビットコインETFへの資金流入をけん引したためだ。
米労働市場は5月も非常に底堅く、2026年に3会合連続で政策金利が据え置かれた後、FRBが利下げを開始するとの期待を後退させた。

金曜日に発表された非農業部門雇用者数によると、米経済は5月に17万2,000人の雇用を追加した。これはアナリスト予想の8万5,000人を大きく上回る水準だった。同レポートでは、失業率が4.3%で横ばいとなり、労働参加率も61.8%で変わらなかったことが示された。
平均時給は前月比0.3%、前年比3.4%上昇し、エコノミスト予想と一致した。労働市場の成長が続く中でも、賃金インフレは安定していることを示唆している。

予想を上回る雇用統計を受け、FRB当局者が利下げに慎重な姿勢を維持するとの見方が強まった。Polymarketのデータによると、FRBが2026年中に利下げを実施しないとの予想確率は、雇用統計の発表後に約15ポイント上昇し、72%となった。
Broadcomの弱めの見通しがAI関連株売りを誘発
木曜日の米国株は、テクノロジー株を中心に大きく売られた。半導体メーカーBroadcomの見通しが市場の期待を下回り、AI相場の勢いに冷や水を浴びせる形となったためだ。
同社は通期のAI関連売上高見通しを560億ドルに引き上げ、会計年度第3四半期のAI関連売上高を約160億ドルと予想した。しかし、通期見通しはウォール街の予想である約576億ドルに届かず、会計年度第3四半期の見通しも市場の期待を下回ったと受け止められ、半導体株やAI関連株全体に売りが広がった。
Broadcomのホック・タンCEOは、サンフランシスコで開催されたBloomberg Techカンファレンスに登壇し、AI相場への懸念を和らげるための発言を行った。同氏は、株価や過熱した期待ではなく、ファンダメンタルズと価値創造に注目すべきだと述べた。
しかし、雇用統計の発表は、すでに警戒感が強まっていた市場をさらに揺さぶった。ダウ工業株30種平均は1.3%下落し、AI関連銘柄の影響を受けやすいS&P500種株価指数は2.6%下落した。
ウォール街の恐怖指数として知られるCBOEボラティリティ指数、VIXは金曜日に約40%急騰した。金利、経済成長、AI関連銘柄のバリュエーションをめぐる不確実性が強まる中、投資家が今後30日間のS&P500で大幅なボラティリティ上昇を見込んでいることを示している。
AI株売りがウォール街を直撃する中、BlackRockとMorgan StanleyのビットコインETF流入が再参入期待を高める
ETFの資金フローは、数週間にわたる継続的な売り圧力の後、機関投資家がビットコイン市場に戻り始めている可能性を示す、まだ弱いながらも前向きな兆しとなった。Farside Investorsによると、金曜日の資金流入ではBlackRockのIBITが約4,770万ドルで首位となり、Morgan StanleyのビットコインETPであるMorgan Stanley Bitcoin Trust(MSBT)にも約990万ドルが流入した。ただし、他の米国上場ビットコインETFからの流出により、1日あたりの純流入額は全体でわずか320万ドルにとどまった。

AI関連株の売りが続く中で、特に機関投資家の間でビットコインへの持続的な資金シフトが起きるかどうかは、まだ明らかではない。CBOEボラティリティ指数、VIXが約40%急騰していることから、市場は米国株全体のボラティリティ上昇を織り込んでいる。これにより、投資家が代替的なリターン源やポートフォリオ分散先を求める可能性もある。
Kalshiの「6月にBTCはどこまで上昇するか」を追跡する契約では、BTCが6月に7万5,000ドルに到達するとの予想確率が、金曜日の雇用統計発表後に日中で約66ポイント急落し、わずか9%まで低下した。この動きは、BTCが6万2,000ドル水準を回復できなかったことで、トレーダーが急速な回復に対する自信を大きく失ったことを示している。
一方で、下方向については、市場は引き続きさらなる下落リスクを織り込んでいる。Kalshiのデータでは、金曜日にセンチメントがやや改善し、BTCが5万7,500ドルを下回る確率は18ポイント低下して62%となった。

下落確率の低下は、BTCが数カ月ぶりの安値圏で取引される中、トレーダーが現在の売り圧力が和らぐと見ている可能性を示している。5月中旬以来初めてビットコインETFがプラスの資金流入を記録したことも、そうした見方を支えている。
