ゆうちょDCJPY発行計画維持、BIS国際決済実証、SoFiUSD銀行発行、暗号資産カード230%増──規制と実装が同時進行
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暗号資産ニュース
ゆうちょ銀行は28日、2026〜2028年度の中期経営計画を都内で発表し、トークン化預金「ゆうちょDCJPY」の2026年度中の発行予定を維持する方針を改めて示した。デジタルペイメント事業を4つの戦略の柱の一つに据え、ディーカレットDCPのプラットフォームを活用して貯金者向けにトークン化預金を発行する。専務執行役の松永恒氏は具体的な発行時期について「現時点で申し上げられない」としつつ、スケジュールに変更はないと明言した。ブロックチェーンを活用した「貨幣価値を得るもの」として、銀行の負債を裏付けとする安心感とプログラマブルな資産設計の両立を訴求点として強調した。

国際決済銀行(BIS)は5月27日、国境を越えたホールセール決済の実験的プロトタイプ「プロジェクト・アゴラ」の報告書を公表した。日本銀行、イングランド銀行、ニューヨーク連銀など7つの中央銀行と40を超える民間金融機関が参加し、トークン化された中央銀行準備預金と商業銀行預金を共有プラットフォーム上で組み合わせることで、複数通貨にまたがる安全な決済が可能であることを実証した。階層型アーキテクチャにより各中央銀行が自国通貨に対する自律性を保ちつつ、アトミック決済で取引最終性を確保する仕組みだ。今後はカナダ銀行が新たに加わり、特定通貨での実取引(リアルバリュー)テストへ段階を進める方針が示された。
TMI総合法律事務所、TIS、三井住友トラスト基礎研究所の3者は28日、公共施設・インフラのセキュリティトークン(ST)化に関する共同研究の初期検証結果を公表した。検証対象はアリーナ施設、廃校、古民家、一般道路、上下水道、太陽光発電施設など幅広く、施設所有権の移転は難しい一方で、サービス対価債権や売電収入債権、運営権を活用したST化に可能性があると整理した。アリーナや太陽光発電は収益性と地域性の両立が見込めるとし、廃校活用は地域参加型・応援型投資との親和性を指摘。地方債への適用については総務省や自治体との協議が必要との見解を示し、自治体や地域金融機関との連携で具体案件を進める方針だ。
コインチェックは28日、ブロックチェーン・AIエージェント領域のKomlock labと、AIエージェント向けCLIに関する共同研究を開始すると発表した。Komlock labが開発する「Kova(β)」は、ユーザーが自然言語で取引意図を伝えるとAIエージェントが自律的に取引を実行する構造を想定する。AIエージェントが秒単位でAPIを呼び出し数セント未満の決済を連続発行するワークロードでは、従来の決済手段では手数料が決済金額を上回る問題が顕在化しており、ステーブルコインやDeFiのプログラマブル性が注目されている。両社はコインベース提唱のx402、Stripe・OpenAIのACP、GoogleらによるAP2など海外プロトコルを分析し、国内規制との整合性を検証する。

米フィンテック企業ソーファイ(SoFi Technologies)は5月27日、米ドル建てステーブルコイン「SoFiUSD」のアプリ内での購入・売却・保有・変換機能を順次提供開始したと発表した。SoFiUSDはOCC規制下の保険付き預金機関ソーファイバンクが発行し、米国のナショナルバンクが発行するステーブルコインが銀行アプリで直接提供されるのは初という。対応チェーンはイーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)で、今後数週間でトークン化預金への変換機能を実装し、変換後の利息やFDIC保険へのアクセスを可能にする計画だ。24時間365日の国境を越えた価値移転や、取引所ブリッシュ(Bullish)での機関投資家向け取引も予定されている。
暗号資産連動型のデビット・クレジットカードの月間決済額が前年比で約230%増加し、今月の累計取引額は78億ドル(約1兆2,480億円)に達したことが市場データから明らかになった。ステーブルコインを実質的な決済手段として利用できる機会が広がったことが普及加速の主因とされ、決済大手のVisaはソラナ上のDEX(分散型取引所)Jupiterのオンチェーン企業Jupiter Globalなどとの提携を通じ、暗号通貨カード取引の約90%を獲得している。OKXは1月からMastercardネットワーク上で欧州向けステーブルコイン決済カードを提供しており、利用データでは食料品店での支払いが26%で最多となるなど、日常決済での定着が進んでいる。
今週の一連の動きは、トークン化と規制整備が同時並行で加速する構造的転換点を映している。ゆうちょのDCJPY、BISのアゴラ、TIS陣営の公共インフラST化、ソーファイのSoFiUSDは、いずれも既存のコンセンサスメカニズムと従来金融の負債構造を接続する試みであり、コインチェックのAIエージェント研究と暗号資産カードの230%成長は、その上で動く決済レイヤーの実装を示す。トランプ政権のクラリティ法案推進や中国の十五五立法計画など各国の制度設計も並走しており、トークン化預金とステーブルコインを巡る官民の役割分担が、次の強気相場を支える金融インフラの主戦場になりつつある。