DeFi被害74%減も新たな脅威浮上、ビザがカントン上で機関決済PoC、米官民が6億円凍結

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暗号資産ニュース

セキュリティプラットフォームのImmunefiが公表した2020〜2025年の集計によると、DeFi(分散型金融)エコシステムにおける攻撃被害額は2022年の26億2,000万ドルから2025年に6億8,030万ドルへと74%減少した。フラッシュローンやリエントランシーといった汎用的な攻撃手法は、損失全体に占める比率が2022年の約19%から2025年に1%未満まで急落。クロスチェーンブリッジを狙ったハッキングも73%から3%へと縮小しており、設計改善とオラクル強化が機能していることが読み取れる。一方で2025年の被害の89%はプロトコル固有のロジック悪用に集中し、攻撃者の手口は高度化している。

新たな脅威として浮上しているのが中央集権型取引所(CEX)への標的シフトだ。秘密鍵漏洩による損失比率は2022年の28.7%から2025年には8.1%まで低下したものの、これは運営チームの鍵管理強化の成果である一方、攻撃者がより大規模な単一ターゲットに集中する傾向を示している。実例として、Bybitが2025年にマルチシグ・フィッシング攻撃を受けて大規模損失を計上した。さらに同一コードを複数チェーンで利用するマルチチェーン構成のリスクや、チェーン間メッセージング・レイヤーの脆弱性も拡大しており、Kelp DAOへの侵害がその典型例として挙げられている。リスクは解消ではなく集約された。

決済大手のVisaは6月4日、暗号資産インフラ企業Braleと組み、カントンネットワーク上でドル連動ステーブルコイン「SBC」を用いた機関投資家向け決済の実証実験(PoC)を開始すると発表した。SBCはBraleが発行するネイティブ対応のステーブルコインで、PoCではプライバシー保護機能を備えたブロックチェーン基盤が、機関決済フローに対しどの程度の速度とプログラマビリティを提供できるかを検証する。Visaは4月29日にArc、Base、Canton、Polygon、Tempoの5チェーンを国際決済パイロットに追加しており、対応ブロックチェーンは計9つに拡大。SBCの本番投入に向けた技術評価が次の焦点となる。

米司法省は3日、暗号資産詐欺を阻止するための官民連携イニシアチブ「Disruption Week」の成果を公表した。AppleやGoogle、Meta、Microsoft、SpaceX、Coinbaseなどが参加し、政府から共有された情報を基に民間企業が自発的に380万ドル(約6億円)超相当の暗号資産を凍結。詐欺に利用されていたSNSおよびメールアカウント140万件以上を遮断し、タイで7名を逮捕した。標的となったのは東南アジア拠点で国境を越えて活動する中国系犯罪組織で、2025年11月に創設された特別チーム「Scam Center Strike Force」が指揮を執った。米司法当局によると、2025年の投資詐欺被害額は前年比24%増の72億ドル超に達している。

米ホワイトハウスの暗号資産政策顧問パトリック・ウィット氏は、議会で審議中のClarity Actを「規制およびエンフォースメント強化型の法案」と評価し、年内成立を強く後押しした。共和党のシンシア・ルミス上院議員は、本法案を逃せば次の審議機会は2030年まで遠のく可能性が高いと警告。一方で法執行機関側からは、マネーロンダリング対策条項やDeFi開発者を送金業者と見なさないとするBRCA条項について、違法金融の追跡を困難にするとの懸念が根強い。デジタル資産取引所への銀行秘密法上の義務付け強化や、トランプ大統領自身の暗号資産関連事業を巡る利益相反問題も、最終採決までのハードルとして残っている。

あたらしい経済とKudasaiJPが共同運営する企業向けWeb3コミュニティ「Web3 Business Hub」は、6月17日に三井物産デジタルコモディティーズの辰巳喜宣取締役を迎えたセミナーを開催する。テーマは金・銀・プラチナといった実物資産(RWA)のオンチェーン化で、同社が手掛ける金価格連動型暗号資産「ジパングコイン」のパブリックチェーン展開を題材に、既存のETFや現物保有との差別化、流動性、カストディ、会計・税務などの実務論点が議論される。RWAは小口化・プログラマブル化により金融機関や商社、ウォレット事業者に新たな商機をもたらす一方、価格変動リスクや投資家保護の枠組み整備が日本市場での普及鍵となる。

今四半期の暗号資産市場を貫く主旋律は、リスクと制度の同時収斂である。DEX(分散型取引所)を含むオンチェーン領域では汎用攻撃が抑え込まれた一方、攻撃面がCEXやクロスチェーン・メッセージング層へ移り、規制当局と巨大プラットフォーマーが官民連携で詐欺資金を凍結する構図が定着しつつある。Visaのカントン上ステーブルコイン実証や三井物産系のRWAトークン化は、機関マネー流入の前提となるプライバシーと法令適合性を満たす技術選好を映す。米Clarity Act審議もこの軌道上にあり、ビットコインアルトコイン双方の制度内取り込みが業界の次の成長条件となる。

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Kenji Suzuki

COINOTAG yazarı

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