ダイモンCEOクラリティ法拒否、PaxosがSEC清算機関に初登録、米財務長官イラン仮想通貨10億ドル押収
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暗号資産ニュース
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは5月29日、米国の仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」の現行案を厳しく批判し、銀行業界として「このような形では受け入れない」と明言した。フォックスビジネスのインタビューで同氏は、現行案がステーブルコイン保有に対する事実上の利息支払いを銀行水準の保護措置なしに容認していると指摘した。「このまま成立すれば最終的に破綻する」と警告し、JPモルガンとして関連事業に一切関与しない姿勢を示した。マネーロンダリング対策(AML)や銀行秘密法(BSA)への対応も不十分だと述べ、ステーブルコインとDeFi領域での利回り提供をめぐる業界対立を改めて先鋭化させた格好だ。
ステーブルコイン発行体Paxosは28日、子会社Paxos Securities Settlement Company(PSSC)が米証券取引委員会(SEC)から1934年証券取引所法に基づく清算機関として正式登録されたと発表した。仮想通貨関連企業として唯一、米国内で中央証券保管機関(CSD)の地位を獲得した格好だ。PSSCは2020年2月以降、SECのノーアクション救済措置のもとで世界の大手金融機関と米国株式の日次清算を運用しており、ブロックチェーン基盤による当日決済(T+0)の有効性を実証してきた。今回の登録は2019年から続く7年越しの規制協議の結晶で、現実資産(RWA)のトークン化に向けた規制準拠インフラとして機能する見通しだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)は29日、予測市場プラットフォームKalshiに対し、ビットコインのスポット価格に連動する無期限先物契約「BTCPERP」の上場を承認した。同社は同日、米国初の暗号資産無期限先物サービスを開始すると発表しており、原資産を保有せずに価格変動に賭けられるデリバティブが米国の小売市場で本格提供される道が開かれた。CFTCはあわせて、デジタル基盤を持つ仮想通貨デリバティブが24時間365日の取引・清算・決済に適しているとの見解を公表した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)も24時間取引体制への移行方針を表明しており、伝統的金融市場との融合が一段と加速している。
スコット・ベセント米財務長官は29日、カリフォルニア州で開催された2026年レーガン国家経済フォーラムで、米政府がイラン関連勢力からおよそ10億ドル相当の暗号資産を押収したと明らかにした。同氏は「ウォレットそのものを掌握した」と表現し、保有者の一部は資産消失に気付いていない可能性もあると述べた。コールドウォレットを含む詳細な押収手法は公表されていない。イラン革命防衛隊はビットコイン建ての海運保険プラットフォームを推進してきたほか、ホルムズ海峡通過に伴う通行料の支払い手段としてビットコイン活用を検討していると報じられており、制裁回避目的の資金移動に対する米当局の追跡能力が改めて印象づけられた。

破綻した仮想通貨レンディング大手Celsiusの創業者で前CEOのアレックス・マシンスキー氏が、12年の禁固刑判決の取り消しを求める申し立てをニューヨーク南部地区連邦地裁に提出した。手書きの動議で同氏は、弁護人の不十分な代理人活動と「毒樹の果実」の法理を理由に挙げている。問題視されているのは、弁護を担当したMukasey & Young LLPがFTX創業者サム・バンクマン・フリード氏とも関係を持っていた点で、これが「解消不能な利益相反」を生じさせたと主張する。マシンスキー氏は商品・証券詐欺の罪で有罪を認め、顧客から多額の資金を詐取した疑いで起訴され、後に長期の判決を受けていた経緯がある。
クラリティー法をめぐる政治環境は急速に悪化しており、8月の議会夏季休会前の成立は困難との分析が広がっている。投資銀行の調査部門は、トランプ政権をめぐる倫理・利益相反問題が民主党の支持取り付けを阻む主因と指摘した。具体的にはトランプ大統領とIRSの和解に伴う17億7,600万ドル規模の基金設立、CFTC人事への業界介入、2026年1〜3月にかけて開示された大統領代理による約3,600件の株式取引などが要因として挙げられている。フィリバスター回避に必要な60票確保には民主党7名の支持が不可欠で、予測市場ポリマーケットが算出する2026年中の成立確率は現在57%にとどまっている。
今週の動向は、米国における仮想通貨規制の主導権をめぐる構造的な攻防が新たな局面に入ったことを示している。市場構造法案を巡る議会の機能不全が長期化する一方で、CFTCの無期限先物承認やPaxosの清算機関認定といった行政側の積み重ねは現実の制度化を着実に前進させている。財務省によるイラン資産押収は、仮想通貨が地政学リスク管理の手段として国家の手中にあることも示唆する。規制整備と執行強化、そして金融インフラとしての成熟が同時並行で進む構図は、足元の強気相場を下支えする予見可能性を市場にもたらしつつある。