ECBのラガルド総裁、USDT・USDC懸念からBinanceのMiCAライセンス申請を阻止か

ECBのラガルド総裁がUSDT・USDC懸念を理由にBinanceのギリシャMiCAライセンス申請を阻止したと報道。4億5,000万人のEU市場アクセスが消失。

(16:00 UTC)
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AI要約AI
  • ECBのLagarde総裁がUSDT・USDC懸念でBinanceのギリシャMiCA申請を阻止した
  • Binanceは7月1日のMiCA施行直前に申請を取り下げ、約4億5,000万人のEU市場アクセスを失った
  • BinanceのCZ氏は2023年に43億ドルの制裁金に合意し、2024年に4カ月の刑を服役した
  • Binance欧州責任者Gillian Lynch氏は7月上旬、申請に欠落はなかったと主張した
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ラガルド氏の「静かな拒否権」

欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が、世界最大の暗号資産取引所Binanceによるギリシャでのライセンス取得を、手打ちで阻止した。関係者への取材に基づく報道が示すのは、EUのブリッジプロトコル的な相乗り(パスポートリング)制度――加盟国の一国認可で全圏域に展開できる仕組み――であるMiCAの下での出来事だ。当編集部の読みでは、この介入はギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相の政府を通じて伝達され、すでに承認へ向かっていた手続きの最終段階で届いた。ギリシャ資本市場委員会(HCMC)の副委員長はBinance幹部に対し、まだ採択されていないEU改革案の下でESMA(欧州証券市場当局)が取引所ライセンスの管轄を引き継ぐまで判断を留保するよう、ラガルド氏が求めたと告げたという。タイミングは象徴的だ。6月上旬、ギリシャ当局は申請を承認する用意があるとESMAに通知しており、申請は事実上の最終盤にあった。Binanceは1月にギリシャへ申請を提出。6月中旬にはHCMCによる却下の可能性が欧州の暗号資産調査メディアによって最初に伝えられたが、その時点で権威ある確認は得られていなかった。MiCAが7月1日に施行される数日前、取引所は申請を正式に取り下げ、約4億5,000万人のEU居住者への簡便なアクセスを放棄する結果となった。パスポートリング制度では一加盟国の認可で、認可を受けた暗号資産サービス事業者は27カ国すべてで営業できる。一国の審査が二十七国の審査を代替する――Binance級の規模を持つ取引所にとっては「ゴールデンチケット」だ。Binanceの広報担当者は実体には触れず、「憶測についてはコメントしない」と述べた。同じ声明の中で同社は、欧州では引き続きMiCAの下での長期的かつコンプライアンス準拠の運営に尽力し、認可取得に向けて作業を進めていること、一貫した規制下のサービスにはライセンスが不可欠だと認識していることを強調し、別のEU管轄域で再申請する意向を示した。

デジタルユーロという動機

なぜ中央銀行が取引所のライセンスに介入するのか。報道が指し示す先は、端的にステーブルコインだ。ラガルド氏は、リテール層に人気のShiba Inu(SHIB)から機関投資家向けサービスまで上場を広げるBinanceが、USDTやUSDCといった米ドル建てステーブルコインのEU域内流通を深め、デジタルユーロ構想や、それに対抗するはずのユーロ建て代替手段の地位を損なうことを懸念したとされる。この懸念は修辞ではなく構造的なものだ。ドル連動型資産はステーブルコインの貯蓄領域で支配的な地位にあり、そこではSavings Dai(sDAI)のような分散型商品がすでに預かり資産を奪い合い、その流動性の多くはAMM(自動マーケットメイカー)型のCurve DAO(CRV)のような自動市場を経由している。ECBは米ドル建てステーブルコインが欧州の金融主権を脅かすと繰り返し警告してきた。巨大取引所に域内全域の規制上の流通経路を渡すことは、まさにこのエクスポージャーを増幅させかねない。報道は第二の抵抗層も明らかにした。ESMAはBinanceの過去のコンプライアンス違反歴を理由に、各国の金融規制当局に対しMiCA申請を却下するよう非公開に助言していたという。Binanceはこの前提を争っている。欧州担当責任者のジリアン・リンチ氏は7月上旬、同社はHCMCの要件をすべて満たしたとし、「申請は完全なものと認定された。欠落は何一つなく、重要な未解決事項もなかった」と述べた。別途取材に応じたECBの広報担当者はコメントを控えつつ、暗号資産サービス事業者の認可に機関として関与していないという同銀行の正式な立場――HCMCのような各国当局に留保された権限であること――を改めて表明した。規制当局の警戒を形作るのは同取引所の歩みだ。創業者の趙長鵬(Changpeng 'CZ' Zhao)氏は2023年、米国で銀行秘密法違反を認め、43億ドルの制裁金に合意し、2024年に4カ月の刑を服役した後、2025年10月にドナルド・トランプ大統領から恩赦を受けている。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、Bitgetで現物・先物価格をライブで確認できる。

ESMA一元化が進行中

法体系の設計がここでは本質をなす。7月1日に施行されたMiCAは、ECBではなく各国所轄当局にEU全域有効のライセンス付与権限を与えており、ECB自身の声明も認可権限を持たないことを認めている。つまりラガルド氏の影響力は法的根拠ではなく政治的なものだ。ライセンスをESMAへ一元化する改革はいまだ提案段階であり、確定ルールではない。したがって現時点での拘束力ある義務は各国規制当局と、その認可を受ける事業者側に存する。Binanceにとって現実的な道筋は、別の加盟国での再申請――ただし圧力がそこまで及ばないことが前提だ――か、すでに認可を取得している欧州のプラットフォームの買収のいずれかである。

COINOTAG News Desk

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