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取引高(Trading Volume)とは?完全ガイド
取引高(出来高、Trading Volume)とは、一定期間(多くは24時間)に売買された資産の総量です。枚数(何BTCか)または金額(何ドルか)で表され、値動きの裏にどれだけの参加者がいるかを示す最も基本的な指標です。
執筆: COINOTAG Research Desk最終更新 出典
取引高の測り方:ベース通貨建てと決済通貨建て、24時間取引高
取引高は、選んだ期間内のすべての約定を合計して計算します。1件の取引には買い手と売り手が1人ずついますが、1BTCが約定すれば取引高に加わるのは1BTCで、2倍には数えません。
同じ取引でも、2つの単位で読むことができます。
- ベース通貨建て:取引される資産そのもので測ります。「直近24時間で25,000BTCが取引された」はこの表し方です(数字は例です)。
- 決済通貨建て:取引に使われた通貨で測ります。各約定の価格と数量を掛けて合計し、ドルなどの金額で示します。
価格が動くと両者は違う動きをします。同じ枚数でも高い価格で取引されれば、ベース通貨建ては変わらず、金額建ては増えます。
24時間取引高は「ローリング」の期間です。暦の1日ではなく、計算した時点からさかのぼって24時間を見るため、一日中更新されます。チャートでは、各ローソク足の下にその時間足の取引高を示す棒が表示されるのが一般的です。
現物とデリバティブの取引高は分けて考えます。先物や無期限先物で示される取引高は、多くの場合、契約が表す想定元本です。レバレッジが使われるため、預けた証拠金の何倍にもなり得ます。両者を足したり、そのまま比べたりすると誤解のもとになります。
取引高を時価総額と比べる方法もよく使われます。規模に対してどれだけ活発に売買されているかの目安にはなりますが、それだけで「健全」と言える決まった基準はありません。
取引高と流動性は同じではない
取引高が多い市場は流動性が高いことが多いものの、両者は別の概念です。米国証券取引委員会(SEC)の投資家教育サイトInvestor.govは、流動性を「価格に大きな影響を与えずに、どれだけ簡単かつ素早く売買できるか」と説明しています。
- 取引高は過去を見ます。どれだけ売買されたかを示します。
- 流動性は今を見ます。いま大きな注文を出したら価格がどれだけずれるかを示し、板(オーダーブック)の厚みに最もよく表れます。
ニュースで一時的に取引高が膨らんでも、板が薄ければ大口の売りで価格は大きく動きます。
取引高でトレンドを確かめる
テクニカル分析では、取引高は値動きを裏付ける道具として使われます。代表的な読み方は次のとおりです(シナリオとしての見方で、結果を約束するものではありません)。
- ブレイク時の取引高:価格がサポートとレジスタンスを取引高の増加とともに抜けた場合、幅広い参加を伴う動きと整合的だと読まれます。取引高の少ないブレイクは戻されやすい傾向があります。
- 取引高が減りながらの上昇:高値を更新するたびに取引高が減る場合、上昇に加わる買い手が減っていると解釈されます。反転の証明ではなく、注意のサインです。
- 取引高の急増:平均の数倍の取引高は、ニュース、クジラの大口取引、まとまった強制決済と同時に現れることが多くあります。
取引高だけでは方向はわからないため、RSIや移動平均線と組み合わせて読むのが一般的です。OBV、VWAP(出来高加重平均価格)、価格帯別出来高もよく使われます。長い上昇局面である強気相場では取引高が全体に増えやすい一方、高値圏で取引高が細ることもよく見られます。
見せかけの取引高(ウォッシュトレード)
ウォッシュトレードとは、同一人物や示し合わせた当事者が自分同士で売買し、実際には持ち主が変わっていない取引高を作り出すことです。資産や暗号資産取引所を実際より活発に見せる狙いがあります。
SECは2024年10月、マーケットメイカーを名乗る3社と9人を提訴しました。SECによると、これらの会社はボットによる自己売買で人工的な取引高を作り、活発な市場があるかのように見せて投資家に購入させる「相場操縦サービス」を提供していました。
取引高が多いのに板が極端に薄い、同じ数量の約定が規則的に繰り返される、ほぼ1か所でしか取引されていない、といった点は注意のサインです。取引高の少ない銘柄では、小さな注文でも価格が大きく動き、希望価格で手放しにくくなります。
株式と暗号資産の違い:取引時間のある市場と24時間市場
米国の上場株の価格と取引高は、Investor.govの説明する「コンソリデーテッド・テープ」に集約され、取引所や代替取引システム、取引所外で売買する証券会社の約定まで報告されます。株式市場には取引時間があり、週末や祝日は休場です。一方、暗号資産は週末も含めて取引が続き、一元的な記録はなく、各取引の場がそれぞれ取引高を公表します。
そのため株の「1日の取引高」は1回の立会いを、コインの取引高は24時間全体を表します。エヌビディアのテクニカル分析の取引高とコインのページの取引高を比べるときは、この違いを意識しましょう。株式・ETF・コモディティの価格は米国株・ETF・コモディティの価格一覧で確認できます。
チャートで取引高を見る
- ビットコイン価格では、現在の価格と24時間取引高を一緒に確認できます。
- ビットコインのテクニカル分析とサポート・レジスタンスは、取引高をトレンドや価格帯と合わせて読み解きます。
- 暗号資産のテクニカル指標サマリー一覧と株式・コモディティのテクニカル指標サマリーでは、多くの銘柄の状況をまとめて見られます。
取引高・価格・板・指標を組み合わせて読む手順は、暗号資産テクニカル分析ガイドが入り口になります。
リスクに関する注意
取引高はすでに成立した取引を示すもので、将来の値動きを保証するものではありません。公表される取引高は場所や算出方法によって異なり、水増しされている場合もあります。
よくある質問
取引高(出来高)とは何ですか?
一定期間に売買された資産の総量です。枚数または金額で表され、市場への参加の度合いを示す基本的な指標です。
24時間取引高とはどういう意味ですか?
計算した時点からさかのぼって24時間に成立したすべての取引の合計です。暦の1日ではないため、常に更新されます。
取引高が多いとは何を意味しますか?
値動きに多くの参加者が関わっていることを示します。取引高を伴って節目を抜けた動きは参加の広い動きと読まれますが、方向や結果を保証するものではありません。
取引高と流動性の違いは何ですか?
取引高はどれだけ売買されたかという過去の量、流動性はいま大きな注文を出したときに価格がどれだけ動くかという性質です。流動性は板の厚みによく表れます。
ウォッシュトレードとは何ですか?
同一人物や示し合わせた当事者が自分同士で売買して人工的な取引高を作ることです。多くの国で相場操縦とみなされます。
取引高の少ないコインはなぜリスクが高いのですか?
小さな注文でも価格が大きく動き、希望する価格で手放しにくく、価格操作も起こりやすいためです。

