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XRP(エックスアールピー)とは?
XRP(XRP)とは、高速・低コストの送金向けに設計されたオープンソースのブロックチェーン「XRPレジャー」のネイティブ資産です。マイニングやステーキングではなく、バリデーターによる独自の合意形成で取引を確定させます。
執筆: COINOTAG Research Desk最終更新 出典
基本情報
- シンボル
- XRP
- 開始
- 2012年6月(XRPレジャー稼働)
- 開発者
- デビッド・シュワルツ、ジェド・マケーレブ、アーサー・ブリットー
- 発行上限
- 1,000億XRP(ジェネシス時に全量発行、新規発行なし)
- コンセンサス
- XRPレジャー・コンセンサス・プロトコル(バリデーターとUNL)
- 循環供給量
- 63,129,671,205
- 時価総額ランキング
- #5
- 公式サイト
- xrpl.org
最新データ
- 直近価格(USD)
- $1.33
- 24時間の変動
- −2.99%
- 時価総額
- $837.92億
- データ取得時刻
XRPの歴史:2012年の誕生からSEC訴訟の終結まで
- 2012年6月:デビッド・シュワルツ、ジェド・マケーレブ、アーサー・ブリットーの3人がXRPレジャーを立ち上げました。同じ年、創設者たちは800億XRPを、のちにリップル(Ripple)と呼ばれる会社に譲渡しています。
- 2017年12月:リップル社は550億XRPを、XRPレジャー上のエスクロー(一定条件まで引き出せない預け入れ)に移しました。10億XRPずつ55本の契約に分け、毎月1本ずつ期限が来る設計です。その月に使わなかった分は新しいエスクローに戻すとしており、市場に出る可能性のある最大量を誰でも計算できるようにする狙いがありました。
- 2020年12月22日:米国証券取引委員会(SEC)が、XRPの販売をめぐってリップル社と幹部2人を提訴しました。
- 2023年7月13日:ニューヨーク南部地区連邦地裁(トレス判事)が、取引所などを通じた不特定の買い手への販売(プログラマティック販売)は投資契約にあたらない一方、機関投資家への直接販売はこれにあたるとする判断を示しました。判事は、流通市場での取引一般については判断を広げていません。
- 2025年8月7日:SECとリップル社が、第2巡回区控訴裁判所に係属していた控訴と交差控訴を取り下げる共同の申し立てを行ったと、SECが発表しました。これで訴訟は終わり、リップル社への民事制裁金と差止命令を含む地裁の最終判決はそのまま効力を持つことになりました。
XRPとリップル社は別物です。XRPはXRPレジャーのネイティブ資産で、レジャー自体はオープンソースとして独立して動いています。リップル社はXRPを活用した送金サービスなどを提供する企業の一つです。
XRPが解決しようとした国際送金の問題
国際送金には、時間と費用がかかりやすいという構造的な問題があります。その背景の一つが、ノストロ口座・ボストロ口座と呼ばれる仕組みです。銀行は海外の取引相手の銀行に、あらかじめ相手国通貨の資金を預けておき、送金のたびにそこから支払います。送金に備えて各国に資金を置いておく必要があるため、多くの資本が使われないまま固定されます。また、途中に複数の銀行が入ると、手数料と為替スプレッドが重なり、着金までに数日かかることもあります。
XRPの考え方は、送金が必要になった瞬間だけ流動性を用意することです。送金元の通貨をXRPに替えてXRPレジャー上で数秒で送り、受け取り側で現地の通貨に替えます。事前に資金を寝かせておく必要が減るため、「オンデマンド流動性」と呼ばれます。実際にどれだけ安く速くなるかは、利用する事業者や通貨ペアの流動性によって変わります。
XRPレジャーの仕組み:マイニングのない合意形成
XRPレジャーは、プルーフ・オブ・ワークやプルーフ・オブ・ステークとは異なるコンセンサスメカニズムを使います。
- 取引の収集:ネットワークに送られた取引が各サーバーに集まります。
- UNLによる投票:各バリデーターは、自分が信頼する他のバリデーターのリスト(UNL:ユニーク・ノード・リスト)を参照して、どの取引を次の台帳に含めるかを繰り返し投票します。
- しきい値の引き上げ:最初は、UNLの50%以上が支持する取引を候補に残します。意見が割れた取引については、しきい値を60%、さらにそれ以上へと段階的に引き上げ、合意できない取引を今回の組から外していきます。
- 確定:UNLの圧倒的多数(スーパーマジョリティ)が同じ取引の組に同意すると合意が成立し、新しい台帳バージョンとして確定します。確定は数秒程度で行われ、そのまま次のサイクルが始まります。
この方式では、各バリデーターがネットワーク全体ではなく、自分のUNLに含まれる相手だけを参照します。そのため、ブロックを掘り当てる競争が不要で、電力消費も小さく抑えられます。
マイニングがないため、バリデーターにブロック報酬はありません。取引ごとにごく少量のXRPが手数料として支払われ、その分は誰にも支払われずに消却(バーン)されます。標準的な取引の最低手数料は10ドロップ(0.00001 XRP)で、ネットワークが混雑すると一時的に上がります。これはスパム取引やサービス妨害攻撃を防ぐための仕組みでもあります。
このほか、XRPレジャーには分散型取引所(DEX)機能、エスクロー、複数通貨の発行といった機能が標準で備わっています。
XRPの発行量:1,000億XRPで固定
XRPはジェネシスの時点で1,000億XRPが一度に作られ、それ以上新しく発行されることはありません。マイニングによる新規供給がない点は、ビットコインの半減期のような発行スケジュールを持つ通貨との大きな違いです。
- 手数料として支払われたXRPは消却されるため、総量はごくわずかずつ減っていきます。
- 市場で実際に出回っている量(流通供給量)は、エスクローに預けられた分などを除いた数量で、発行上限とは異なります。最新の数値は、スポット価格ページで確認できます。
トークノミクスを見るときは、総発行量、流通量、エスクローの解放ルールを分けて確認することが大切です。
アカウントの準備金(リザーブ)
XRPレジャーでアカウントを使うには、一定量のXRPを保有し続ける必要があります。これを準備金(リザーブ)と呼びます。準備金は、アカウントそのものに必要な「基本準備金」と、トークンの保有枠や注文など台帳上のオブジェクトを持つごとに加算される「所有者準備金」からなります。xrpl.orgによると、2026年9月時点のメインネットの値は基本準備金1 XRP、所有者準備金はオブジェクト1つにつき0.2 XRPです。準備金の額はバリデーターの投票で変わることがあり、以前は現在より高い値でした。準備金の分のXRPは送金に使えないため、残高をすべて送ろうとするときには注意が必要です。
エスクローの仕組み
2017年に設定されたエスクローは、期限が来た契約の分だけリップル社が使えるようになる仕組みです。使われなかったXRPは新しいエスクローに戻されるため、市場に出る量には上限があります。一方で、単一の企業が大量のXRPを管理し、定期的に解放できる構造そのものを、供給面のリスクと見る意見もあります。
XRPの主な使い道
- 国際送金のブリッジ:ある法定通貨をXRPに替え、送金先で別の法定通貨に替えることで、送金の途中で資金を寝かせておく必要を減らす使い方が想定されています。
- 取引手数料と準備金:XRPレジャーでアカウントを有効にしたり取引を送ったりするには、少量のXRPが必要です。
- レジャー上の資産発行:XRPレジャーではステーブルコインなどのトークンを発行し、内蔵のDEXで交換できます。
金融機関や決済事業者による利用状況はサービスごとに異なり、XRPを使わない送金サービスもあります。
XRPレジャーのエコシステム
XRPレジャーの特徴は、多くの機能がプロトコルに直接組み込まれていることです。
- 内蔵のDEX:別のスマートコントラクトを用意しなくても、XRPレジャー上で発行されたトークン同士を直接交換できます。流動性の薄い通貨ペアの間では、XRPが中継役(ブリッジ)になります。
- トークンの発行:ステーブルコインを含む任意のトークンを発行し、内蔵のDEXで取引できます。
- 予測しやすい手数料:手数料はXRP建てのごく小さな額で、消却されます。手数料が大きく変動しやすいチェーンと比べると、事業者がコストを見積もりやすい設計です。
リップル社は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)向けのツールにも取り組んでおり、XRPレジャーを一つのトークンではなく決済の基盤全体として位置づけています。
XRPのリスクと注意点
XRPを理解するうえでは、次のような論点がよく挙げられます。
- 中央集権性への批判:UNLは比較的少数のバリデーターで構成されており、誰でも自由に参加できるネットワークと比べると中央集権的だという指摘があります。
- 供給の管理:大量のXRPがエスクローにあり、定期的に解放される可能性があることは、売り圧力の要因になり得ると見られています。
- 規制:SECとの訴訟は2025年に終わりましたが、国や地域によって暗号資産の扱いは異なり、規制の判断が価格に大きく影響することがあります。
- 保有の集中:供給のかなりの部分が少数の主体に集中しているとされ、大口保有者の動きが値動きを大きくする可能性があります。
- 実需と価格の関係:送金にXRPが使われても、送金の瞬間にしか保有されない設計のため、利用の増加がそのまま需要の増加につながるとは限らないという見方もあります。
これらは一般的な論点の整理であり、売買を勧めるものではありません。
XRPの保管方法
XRPは、XRPレジャーに対応したウォレットで保管します。XRPレジャーでは、アカウントを有効にするための最低保有量(準備金)があるため、新しいアドレスに送るときは注意が必要です。また、取引所へ送る際には「宛先タグ(デスティネーションタグ)」の入力を求められることが多く、入れ忘れると着金の確認に時間がかかる場合があります。長期保管にはコールドウォレットを使う方法もあります。
XRPとビットコインの違い
| 項目 | XRP | ビットコイン | SWIFT(従来の銀行送金) |
|---|---|---|---|
| 主な役割 | 送金のブリッジ、決済基盤 | 価値の保存、決済 | 銀行間の送金メッセージ |
| 合意形成 | バリデーターとUNLによる投票 | プルーフ・オブ・ワーク(マイニング) | ブロックチェーンではない |
| 新規発行 | なし(ジェネシスで1,000億XRP) | 半減期ごとに減るブロック報酬 | 該当なし |
| 発行上限 | 1,000億XRP | 約2,100万BTC | 該当なし |
| 取引の確定 | 数秒程度 | 約10分ごとのブロック | 数日かかることがある |
| 手数料の行方 | 消却される | マイナーの収入になる | 銀行の手数料・為替スプレッド |
| 電力消費 | 小さい | 大きい | 小さい |
XRPはビットコインの競合というより、送金や決済のインフラに近い位置づけで語られることが多い資産です。
よくある質問
XRPとは簡単に言うと何ですか?
送金に特化したブロックチェーン「XRPレジャー」で使われる暗号資産です。数秒で取引が確定し、手数料が低いことが特徴です。
XRPとリップルは同じものですか?
同じではありません。XRPはXRPレジャーのネイティブ資産で、リップル(Ripple)はXRPを使った送金サービスなどを提供する企業です。日本では通称としてXRPを「リップル」と呼ぶこともありますが、両者は区別されます。
XRPの発行上限はいくつですか?
1,000億XRPです。すべてジェネシスの時点で作られており、新しく発行されることはありません。手数料として使われた分は消却されます。
XRPはマイニングできますか?
できません。XRPレジャーはマイニングもステーキングも使わず、バリデーターの投票で取引を確定させます。バリデーターにブロック報酬はありません。
SECとリップル社の裁判はどうなりましたか?
SECは2020年12月にリップル社を提訴しました。2023年に地裁が一般向けの販売は証券の募集にあたらないとする判断を示し、2025年に双方が控訴を取り下げて訴訟は終結しました。

