Mastercardステーブルコイン決済対応、Apyx利回り13%始動、Coinbaseが22億ドルETFに出資
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暗号資産ニュース
Mastercardは決済ネットワーク上のセトルメント機能を拡張し、法定通貨に加えて規制下のステーブルコインを利用したオンチェーン決済に対応する計画を明らかにした。対応資産にはCircleのUSDC、PaxosのPYUSD、USDG、USDP、RippleのRLUSD、SoFiUSDが含まれ、対応ブロックチェーンはArbitrum、Base、Canton、Ethereum、Polygon、Solana、Tempo、XRPLに及ぶ。日中・週末・祝日のセトルメントを可能にし、クロスボーダー決済や財務管理における流動性管理を改善する狙いだ。初期パートナーはARQ、CBW Bank、Cross River、Lead Bank、Nuveiなどで、米国とラテンアメリカで先行導入される。2026年を通じて対応地域とパートナー、規制下ステーブルコインを順次拡大する方針が示された。
東証グロース上場のアライドアーキテクツは6月3日、利回り付きステーブルコイン「Apyx(エイペックス)」の自社運用を開始したと発表した。Apyxは基本トークンapxUSDと利回り付きトークンapyUSDの二層構造で、USDCを預け入れて発行する設計。米ナスダック上場Strategy社の永久優先株「STRC」やStrive社の「SATA」を担保資産とし、配当を利回りとして分配する。目標年率利回りは13%で、運用はシンガポール子会社Allied Verse Pte. Ltd.が担う。STRCの2026年5月時点配当は年率11.5%で、Strategy社は今年約50億ドル規模を発行しビットコイン追加購入に充てた。秘密鍵を自社管理するセルフカストディ方式で、DeFiプロトコルへの直接接続を確保する。

米暗号資産取引所大手Coinbaseは、ProSharesが運用するステーブルコイン準備金特化型ETF「GENIUS Money Market ETF(ティッカーIQMM)」への出資を6月2日に発表した。同ファンドは運用資産22億ドル規模で、米国ドル建てステーブルコインの法定準備要件を満たす資産を保有する構造を採用する。米国で前年成立したGENIUS Actは、ステーブルコイン発行者に対し米国債や現金などの高流動性資産を1対1で裏付けとして保有することを義務付けており、本格施行は2027年初頭の見通し。2月にローンチしたIQMMは初日の取引高170億ドルを記録した。Coinbaseは出資額を非開示としつつ、ステーブルコインの責任あるスケーリングを支援する姿勢を強調した。
運用資産1.74兆ドル規模のFranklin Templetonは、決済プラットフォームMoonPayと提携し、機関投資家がステーブルコインとトークン化マネー・マーケット・ファンドを24時間オンチェーンで往復できる仕組みを構築した。同社のBenji Technology PlatformをMoonPay Tradeのインフラと統合し、対象機関は対応ステーブルコインを利用してトークン化MMFへの投資・換金が可能となる。同社は4月に暗号資産専門部門「Franklin Crypto」の立ち上げも公表済み。担当幹部は2026年を「ユニバーサル流動性レイヤーの年」と位置づけ、トークン化資産が取引・貸付・担保の各領域で相互運用可能になる段階に入ったと指摘。機関側の保有期間に応じた利回り分配機能への需要が極めて強いとした。
パリ拠点の暗号資産データプラットフォームKaikoは、米国を中心に事業展開するデジタル資産データプロバイダーAmberdataの買収を完了した。機関投資家からの市場・デリバティブ・オンチェーン分析データへの需要拡大に対応する狙い。買収によりKaikoはAmberdataのデリバティブ分析、AI搭載リサーチツール、GVOLオプション分析プラットフォームを取り込み、合計250社の機関顧客を抱える体制を構築する。今回の取引はKaikoにとって5件目の買収で、5月20日にはMiCA規制下でライセンスを保有するオンチェーン・データ・インフラ事業者Comethも買収済み。銀行・資産運用会社・ヘッジファンド向けにTradFi水準のデータ基盤を整備する方針を明確にした。

デジタル・アセット・トレジャリー(DAT)企業への月次流入額が2026年5月に1.8億ドルへ急減し、2024年10月以来の低水準となった。前月4月の44億ドルから95%減、1月から5月の月平均比較でも93%減と大幅な落ち込みを記録。3月の42億ドル、4月の44億ドルが続いた直後の急落であり、機関マネーの一時的なクールダウンを示唆する。5月の流入のほぼ全額(約1.77億ドル、98%)はビットコイン保有企業向け。アルトコイン関連DATへの流入は限定的で、ZCash、Story、Sui向けの小規模流入とライトコイン関連の流出が確認されており、市場のリスク選好調整局面と整合する動きだ。
6月初旬の市場動向を俯瞰すると、ステーブルコインとトークン化資産を軸とした金融インフラの再構築が共通の潮流として浮かび上がる。Mastercardの決済ネットワーク統合、Franklin TempletonとMoonPayによる機関向け流動性レイヤー、Coinbaseの準備金ETF出資──いずれも従来型金融と暗号資産の境界線を曖昧にする動きだ。一方でDAT流入の鈍化は、規制環境とマクロ要因に対する慎重姿勢を映す。利回り商品ApyxやKaikoのデータ統合は、機関投資家が求める透明性と運用効率の双方向ニーズを浮き彫りにしており、アルトコインを含む幅広い強気相場の持続力を測る試金石となる局面だ。