ポリマーケット2030年日本参入目標、JPYCがLINE Unifi対応、MoonPayがDecent買収
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暗号資産ニュース
予測市場プラットフォーム大手のポリマーケットが、日本市場参入に向けた本格的な準備を開始したことが明らかになった。関係者の情報によると、同社は新たに日本担当者を任命し、2030年までに政府承認を取得することを目標としている。日本担当に起用されたのは、ソラナ系DeFiプロジェクト「ジュピター」で日本市場を担当していたマイク・エイドリン氏である。日本では刑法による賭博規制が厳格で、これまで日本ユーザーに対しフロントエンドでの取引機能を遮断してきたが、巨大な未開拓市場として高い関心を寄せている。同社の4月取引量は103億ドルに達したが、前月比9%減と勢いはやや鈍化している。

LINEヤフーグループのラインネクストが提供するWeb3ウォレット「ユニファイ(Unifi)」において、日本円連動ステーブルコイン「JPYC」のサポートが正式に開始された。JPYC社が5月22日に発表したもので、ユニファイはLINEアプリ上で利用可能なノンカストディアル型ウォレットだ。LINEアカウントだけで即座に利用を始められ、預け入れ額に応じて基本年率4〜5%の利息が提供される設計が特徴である。先立つ5月15日には、JPYCの対応ブロックチェーンとして統合チェーン「カイア(Kaia)」の追加も発表されており、国内1億ユーザー超のLINEインフラと円建てステーブルコインを結ぶ橋渡しが現実のものとなった。
暗号資産決済インフラ大手のムーンペイ(MoonPay)は、クロスチェーンルーティング企業ディセント(Decent)の買収と、新たな取引基盤「ムーンペイトレード(MoonPay Trade)」の提供開始を5月21日に発表した。買収条件は非公開だが、関係筋の情報では1億ドル弱の高8桁台と報じられている。新基盤はオンチェーン取引の執行、決済、資産変換、120を超える法定通貨での支払いを単一のAPIで提供する仕組みだ。イーサリアム、ソラナ、ベース、ハイパーリキッド、ビットコインなど200超のプロトコルに対応し、機関投資家向け事業部門の執行レイヤーとして位置付けられている。
2026年に入り、DeFiプロジェクトの整理統合が加速している。クロスチェーンインフラのエバークリア(Everclear)と、イーサリアムL2のゼロネットワーク(ZERO Network)が今週、相次いで終了を発表した。エバークリアはB2B2Cモデルへ転換したものの提携先の本番稼働が間に合わず、資金繰りが尽きたとしている。月間取引高が5億ドルに達した時期もあったが、持続的な収益化には至らなかった。同じ週には暗号資産ATM企業ビットコインデポも米国で破産申請しており、DeFi(分散型金融)領域における市場低迷下でのプロジェクト淘汰が鮮明になっている。
欧州ではトークン化証券の決済基盤整備が加速している。ボエルゼ・シュトゥットガルト傘下のセチュリオン(Seturion)は、ソシエテ・ジェネラル、その暗号資産子会社SGフォージ、オンラインブローカーのフラテックスデジロと提携し、ブロックチェーンベースの証券決済システムを構築する。SGフォージはMiCAの認可を取得しており、ユーロ建ておよび米ドル建てのCoinVertibleステーブルコインで決済を行う。EUのDLT試験運用制度のもと、独BaFinへのライセンス申請も提出済みで、欧州資本市場の分断解消に向けた具体的な動きとなる。ナスダックの欧州取引所もセチュリオンに接続する計画だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)は5月20日、フィンテックや暗号資産関連銀行向けに限定的な決済口座「スキニーマスターアカウント」枠組みの新設を提案した。同時に、既存のTier3アカウント申請の判断を一時停止するよう各地区連邦準備銀行に要請しており、規則策定は2026年末までに完了する見通しだ。この提案はトランプ大統領のデジタル資産統合を促す大統領令の流れを受けたものだが、暗号資産取引所への直接アクセスは依然として認められない設計となっており、規制当局の慎重姿勢が浮き彫りになった。クラーケン傘下のクラーケン・フィナンシャルは既に限定的なマスターアカウントを取得済みである。
今週の動きを俯瞰すると、ステーブルコイン決済基盤の本格普及、規制対応の高度化、プロダクト適合性を欠くプロジェクトの淘汰が同時進行していることが分かる。JPYCのLINE統合、欧州の証券決済DLT構築、ムーンペイの機関投資家向け執行基盤の登場は、暗号資産インフラが実需に応える「金融インフラ」段階へ移行しつつある証左である。一方でFRBの慎重姿勢や複数DeFiプロジェクトの相次ぐ撤退は、弱気相場(ベアマーケット)下における選別の厳しさを示している。サイクル後半において、機関対応と規制適合を備えたインフラ層が次の成長軸として浮上している。