Polymarket未上場企業予測市場開始、CFTCがミネソタ州提訴、ウォーレン議員がOCC信託認可9社を法令違反と指摘
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予測市場プラットフォームのPolymarketは、未上場企業の業績やマイルストーンに連動する新たな予測市場を開始した。対象には、IPO時期、企業評価額、業績、セカンダリー市場の動向などが含まれ、Nasdaq Private Marketが独占的な結果判定データの提供者となる。同社はこれまでに約800億ドル規模のセカンダリー流動性を処理してきた実績を持つ。Shayne Coplan CEOは、個人投資家が従来アクセスできなかった未上場企業市場に関与する手段になると説明している。OpenAI、Anthropic、Stripe、Databricks、Krakenなどの評価額やIPO時期を巡るイベント契約が既に上場しており、世界に1600社存在するユニコーン企業群への関心が新たな投機需要を呼び込む構造が浮上している。

米商品先物取引委員会(CFTC)は、予測市場の州内禁止を盛り込んだ新法をめぐり、ミネソタ州とTim Walz知事、複数の州当局者を相手取り訴訟を提起した。Walz知事が包括的禁止法案「SF 4760」に署名してから24時間以内のスピード提訴となり、8月1日の施行を差し止める内容だ。CFTCは、これらの商品が連邦規制下のスワップに該当し、州が犯罪化する権限はないと主張する。Michael S. Selig委員長は、合法的な予測市場の運営者を一夜で重罪犯にする内容だと批判した。同委員会はこれまでにイリノイ、アリゾナ、コネチカット、ニューヨーク各州にも同種の訴訟を起こしている。
米上院銀行委員会筆頭理事のエリザベス・ウォーレン議員は、通貨監督局(OCC)長官のジョナサン・グールド氏に書簡を送付し、Coinbase National Trust CompanyやRipple National Trust Bankなどブロックチェーン関連9社へ付与された全米信託認可が国民銀行法に違反する可能性があると指摘した。書簡は、9社のいずれもが受託者業務を主たる業務とする実態を示す事業計画を持っていないと主張する。同議員は、連邦預金保険の加入義務や銀行持株会社法による監督を免除されながら実質的な銀行業務を営む構造を「規制裁定」と呼び批判した。OCC長官には6月1日までに全申請書と関連通信記録の開示を要求している。
米SECは第三者発行の株式連動トークンの制度整備を検討していると報じられた。トークン化された伝統金融商品の制度上の位置付けが米国内でも具体化に向かう兆しといえる。同日、英FCAと英中央銀行は金融市場トークン化に関する共同ロードマップを公表しており、英米双方でDeFiと伝統金融の接続を意識した制度設計が進行している。一方で、ナスダック上場のBitcoin Depotがチャプター11(連邦破産法第11章)を申請し、暗号資産ATM網を停止して事業清算に入る動きも明らかとなった。日本ではGMOトラストのステーブルコイン「GYEN」と「ZUSD」が発行終了手続きと新規購入停止を発表し、市場再編が同時並行で進む。

機関投資家の保有動向では、BitMineのイーサリアム保有量が527万ETHを突破し、全供給量の約4.37%に達したことが確認された。Strategy社は約20億ドル相当のビットコインを追加購入し、総保有数は84万3,738BTCとなった。同社が積み上げる保有量は、上場企業として群を抜く水準にあり、企業バランスシートに暗号資産を組み込む財務戦略の象徴的な事例として注目を集める。一方、Verus公式ブリッジでは約1,158万ドル相当の資産流出が確認され、クロスチェーン基盤におけるセキュリティ課題があらためて浮き彫りとなった。機関の集中保有と技術リスクが並走する状況だ。
規制動向では、CoinbaseやProtegoを含む9社の信託認可と並んで、SBIグループのB2C2が欧州のMiCA規則に基づくCASP(暗号資産サービス提供者)認可を取得した点が国際的にも注目される。Krakenはラップド資産kBTCのクロスチェーン基盤にCCIPを採用し、複数チェーン間での資産移転インフラ整備が前進した。DeFi領域では、レンディングプロトコルのMorphoが決済特化レイヤー1「Tempo」上で利用可能となり、Aaveはステーキング型ETHトークンrsETH事案で停止していたWETH担保制限を解除した。プロトコル間の相互運用とDEXを含む流動性インフラの拡張が、規制議論と並行して進行している。
今サイクルを貫くテーマは、規制と機関化の同時進行である。連邦と州の管轄権争いが予測市場を舞台に激化し、議会は信託認可制度の濫用を疑い、英米はトークン化金融市場の制度設計で連携する。並行して、上場企業によるアルトコインを含む大規模な保有蓄積、欧州MiCAに基づくライセンス取得、ATM網の破綻、円・ドル建てステーブルコインの発行停止が同時に起きている。市場の成熟は単線的ではなく、新規参入と退出、法整備と訴訟、機関採用とプロトコル拡張が複雑に絡み合いながら、次の制度的均衡へ向かっている。