SBI新生銀行が利息2割を仮想通貨付与へ、ビットコインETFは17億ドル流出 MiCA期限7月1日に迫る
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暗号資産ニュース
米コーネル大学を拠点とする学術コンソーシアムIC3(仮想通貨・契約イニシアチブ)は、AIと仮想通貨の融合を体系的に整理した大規模調査論文を公開した。コーネル・テック、カーネギーメロン大学、プリンストン大学、イェール大学など複数のトップ研究機関から25名の研究者が参加した本論文は、両者を「互いのミドルウェア」と位置づけ、双方向の関係性を分析している。ブロックチェーン上の不正取引検出やスマートコントラクトの脆弱性分析といったユースケースを評価する一方、業界に広がる5つの誤解を指摘した。AI生成コンテンツの検知やコスト削減を巡る通説の多くが過大評価であり、両者の有意義な統合は依然「初期段階」にあると結論づけた。
国内では、SBI新生銀行がSBI VCトレードと連携し、預金残高に応じて仮想通貨を付与する常設サービスを今秋に開始する方針を示した。円建て金利を通常どおり受け取れるほか、利払い額の2割相当をビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・XRPと交換できる「交換券」として受け取れる仕組みだ。対象となる個人預金口座は約433万口座にのぼる。常設化に先立ち、6月10日から3カ月間の先行キャンペーンを実施し、30万円の預け入れで約500円相当、3,000万円以上で約2万円相当を付与する。銀行預金を入り口に、グループの仮想通貨事業へ初心者層を誘導する狙いがある。
市場環境は依然として慎重だ。ビットコインは6万3,000ドルを回復したものの、米国の現物ビットコインETF11銘柄からは先週、17億2,000万ドルの純流出が記録された。流出が加速するのは3週連続で、週間出来高がわずか1,800万ドル台にとどまるなか、パニック的な投げ売りというより緩やかな資金退避が続いている構図だ。今年2月に同水準まで急落した局面では出来高が活況だったのとは対照的で、反発の持続性には疑問符が付く。アルトコインを含め、本格的な上昇トレンドへの回帰にはETF需要の劇的な回復が必要とみられている。
欧州では規制の節目が迫る。仮想通貨市場規制MiCAの移行期間が7月1日に終了し、CASP(仮想通貨サービスプロバイダー)ライセンスを持たない事業者はEU域内での営業停止を迫られる。フル認可を得た事業者は20カ国で183社にのぼるが、取引プラットフォームの運営許可を持つ認可取引所はわずか14社にとどまる。ドイツが全体の約3割を占める一方、10カ国は認可ゼロだ。テザー(USDT)はMiCA認可を申請せず、主要な認可取引所はすでにEUユーザーのUSDT取引を停止している。準拠する主要ステーブルコインはサークルのUSDCとEURCのみとなり、域内市場の再編が現実味を帯びている。
地政学リスクも相場の重しとなっている。イランのモスクワ駐在大使は、ホルムズ海峡を「新たな条件」の下で開放し、通航料を徴収する方針を示した。イランは4月にも石油タンカーへの通航料をビットコインで徴収すると表明しており、暗号資産が地政学的な決済手段として浮上している。2月末に始まった紛争で海峡の原油輸送は大幅に滞り、ブレント原油は1バレル97ドル近辺で高止まりしている。アジアから米国向けのコンテナ運賃は紛争開始以降109%上昇するなど、供給網の混乱はインフレ圧力を通じてリスク資産全体に波及している。
今週はマクロ指標が相場の方向感を左右する。米国の5月消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%への上昇が見込まれ、インフレ高止まりが確認されれば米連邦準備制度の引き締め姿勢が長期化し、ETF流出に拍車をかける恐れがある。欧州中央銀行(ECB)は11日に政策金利を2.25%へ引き上げると予想される。米国では市場構造法案「CLARITY法」が上院本会議で審議を続けており、DeFi(分散型金融)の義務やステーブルコインの利回り課税免除を巡る論点が焦点となっている。制度設計の行方は業界全体に大きく影響する。
今サイクルを貫く支配的なテーマは、規制強化・地政学リスク・機関投資家の慎重姿勢が重なり合う「不確実性の高まり」だ。MiCAやCLARITY法に象徴される制度整備が世界規模で進む一方、ホルムズ海峡を巡る緊張はエネルギー価格とインフレを通じて弱気相場の圧力を強めている。それでもSBI新生銀行の預金連動サービスやIC3の学術的整理が示すように、伝統金融と次世代技術の融合は着実に前進している。短期的な資金流出と長期的な制度・技術の成熟という二つの潮流が、当面の相場を方向づけることになりそうだ。
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